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緑葉の鳥と、死ねない怪物  作者: 結ヶ咲 蛍
一章 銀髪の乙女
1/4

彼女に残る思いの跡

初めましての方は初めまして。

知ってる方はどうも。

結ヶ咲蛍です。

新作なので、不都合もあるかもしれないですが、よかったら見ていってください。

これからよろしくお願いいたします。


 歴史に刻まれる大事件。

 ウルムと呼ばれる大陸でもっとも大きな国が合った。

 その国は繁栄に栄え、何万という富を築き、平和に暮らしていた。

 だが、その国は四年前滅びた。

 

 12歳の少女によって。



 燃え盛る王城。慌ただしい兵士の数。

 木の幹に寄り掛かりながら、倒れた彼女はシルヴィア・クローネという名前だった。

 赤い薔薇の刺繍が施された豪奢なドレスは血にまみれている。つややかな銀髪は絡まり、碧玉(エメラルド)色の瞳は痛みに歪んでいる。玉のように透き通った白い肌は、脂汗が浮かんで彼女が怪我をしていることは、みてわかる。


 この現況を繰り出したのは彼女であり、裂けたドレスから覗く体はあちこち傷つき、血も結構な量がながれてしまっている。

 彼女はそう遠くへとは逃げられない。

  

 だが、王城が燃えているなか手傷を負い動くことが出来ない彼女に、追手がくるのは当たり前だった。

 何故なら、彼女は自分の国の王であり、その人を殺した反逆者というのだから。


「どこだ!?」

「そう遠くには行っていない‼」


 王城の後ろにあった森林に身を隠しているが、ここにいることが気付かれてしまうのは時間の問題だろう。そして、兵士の声が聞こえてくる。

 彼女の銀髪は夜の中でも目立つ。それは、血で濡れていても。


「まだ、死ねない。私は・・・・・・」


 決意を握りしめる。

 シルヴィアは悔いや痛みなどとは無縁の生活をしていた。

 両親からは花よ蝶よと愛され、兵士が持つ剣などはみるだけでおぞましいものだと教育された。

 誰も、わからないだろう。

 誰も、知らないだろう。


 彼女の中にある、その感情に。

  


————————どうか、私を憎んでください。



  私は、背中の痛みを無視して、森の奥に入り始める。


 それは四年前の事。


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