表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

掌編小説集5 (201話~250話)

どこかの行列

作者: 蹴沢缶九郎

私は行列に並んでいる。その行列が一体何の行列で、どこまで続いているのかを私は知らない。「行列があったら並びたくなる」というのが群衆心理らしく、私もご多分に漏れず行列に加わった。行列があり、気になったから並ぶ。行列に加わる理由などはその程度で良いのだ。


だが、やはり行列の正体を知らないのも気持ち悪く、私は前に並んでいる人物に聞いてみた。


「すいません、これは何の行列ですか?」


「いや、実は私も知らず、気になったので並んでいるのです」


と、前の人物も行列の正体を知らないらしかった。人物の言葉に、私はますます行列に興味が湧き、こうなれば意地でも行列の正体を見極めてやろうと思った。

それからしばらくして、私は誰かに肩を叩かれた。振り向くと、いつしか私の後方にも行列が出来ており、すぐ後ろの人物が私に聞いた。


「すいません、これは何の行列ですか?」


しかし行列の正体を知らない私は、


「いや、実は私も知らず、気になったので並んでいるのです」


と答えた。


行列に並んで数時間が経ち、未だに先頭は見えてこない。一体何の行列なのだろうか…。


その時点で、行列に先頭や後尾などは存在せず、長く一周している事に誰も気づかない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] これは面白いですね! どんなラストだろうと思って読み進めて、最後の文章で爆笑しました(^^) そして、「行列があったら並びたくなる」で思わず共感しました。
[一言] 読み始めから、なんだか面白い展開になりそうだと わくわくしながら読み進めていました。 もしかしたら怖いラストが待っているのかな、と思いきや、もう爆笑でしたよー! 良い意味で期待を裏切られまし…
2016/06/20 21:28 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ