第二十九話 ファンクラブ、勝手に組織化される
【ファンクラブ連合軍】
「何だその最悪の名前!!」
俺はベッドから飛び起きた。
団長は頭を抱えていた。
「私もそう思う」
「じゃあ止めてくださいよ!」
「止まらなかった」
「もう全部それじゃねぇか!!」
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団長は重々しく紙を差し出した。
そこには。
【王都災害級応援同盟】
【団長飛行保存会】
【シエラ親衛隊】
【ガルド将軍を静かに見守る会】
「最後なんだよ!?」
しかも。
【加盟団体:三十二】
「増えすぎぃ!!」
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団長が死んだ目で言った。
「現在、王都各地で自主的な応援活動が始まっている」
「応援活動?」
「掛け声練習」
「嫌な予感しかしない」
「あと、コール統一」
「ライブ文化が根付き始めてる!!」
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そのとき。
外から声が聞こえた。
『オー! オー!』
「うわっ」
窓を見る。
広場。
大量の人。
しかも。
揃っている。
『災害級ー!!』
『飛べ飛べー!!』
「練習してるぅぅぅ!!」
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団長が遠い目をした。
「昨日までは自然発生的だった」
「うん」
「今は、“訓練”され始めている」
「嫌な進化するな!!」
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すると。
コンコン。
ノック。
「失礼します!」
入ってきたのはマルコスだった。
「お前絶対来ると思った」
マルコスは笑顔だった。
「ついに来ましたよ!」
「何が!?」
バン!!
【公式ファンクラブ会員証】
「公式化するなぁぁぁ!!」
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しかも。
【プレミア会員特典】
・優先観覧席
・限定アンコール棒
・先行応援権
「先行応援権って何!?」
マルコスがドヤ顔で答える。
「通常観客より早く盛り上がれます!」
「説明されても意味分かんねぇ!!」
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一方。
魔王軍前線基地。
「…………」
ガルド将軍は無言だった。
机の上には資料。
【王都ファンクラブ勢力図】
「なぜ勢力図がある」
シエラが疲れた声で答える。
「……もう国家レベルなので」
「意味が分からん」
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そのとき。
バァァァン!!
「うるせぇ!!」
ヴァルガが入ってきた。
今日も元気に爆発付き。
「将軍」
「何だ」
ドォォォォン!!
「会話SEやめろ!!」
ヴァルガはニヤリと笑う。
「面白くなってきたな」
「どこがだ!!」
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ヴァルガは資料を見る。
【ガルド将軍を静かに見守る会】
数秒の沈黙。
そして。
「フッ」
ドォォォォン!!
「笑うな!!」
「人気者ではないか」
「違う!!」
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そのとき。
兵士が飛び込んできた。
「大変です!!」
「何だ!!」
「王都側のファンクラブが、こちらへ向かっています!!」
静寂。
ガルドがゆっくり聞き返す。
「……何のために」
兵士が震える声で答えた。
「“現地応援”だそうです」
「戦場をライブ会場扱いするなぁぁぁ!!」
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一方その頃。
王都郊外。
『遠征だぁぁぁ!!』
『将軍ー!!』
『シエラ様ー!!』
大量のファンが旗を振っていた。
しかも。
統率されている。
「なんで隊列組んでるんだよ……」
俺は頭を抱えた。
リシアが真面目に分析する。
「統一コールによる一体感向上ですね」
「お前もう止まれないところまで来てるだろ」
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その瞬間。
ピコン。
【観客文化が新段階へ進化しました】
「進化するな!!」
【“遠征勢”を確認】
「スポーツファンみたいな扱いするなぁぁぁ!!」
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