9/22
空から見た月
空に浮かぶ時間
群雲を下に
街並み、田畑、山々の稜線が
西日に照らされていく
地上は今、午後6時
雲は光と影の中
自然が織り成す形のなかで
刻一刻と変わっていく
残照の空の彼方に向かって
夜の静かさが沈んでいくのを見ていたい
感じるのは
温かい大地の夢
街明かり、国道の車が走る
住宅地の小さな灯りは
夢のように広がって
山に連なり、海岸に沿う
夜風の吹くのが見える
流れる風はあの町に
街が夜空に連なるように
無数の星になり
雲に隠れたりするから
夜空を散歩している気分
快適なシートは雲の上
たふん、とてつもない速さなんだろう
呼んでいる気がして、窓の外を見た
月だけは変わらない姿で
いつもと同じでいてくれた
そのやさしさは変わらないまま
地上よりはるかに高い
それでいて届きそうなところに




