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夜を追って  作者: 薄雪草
7/22

北海の白い夜


極地近くにある海岸では

夏になると太陽が沈まない日が続いて

荒野には地衣類や草花が咲き乱れ

雪解け水は無数の小さな湖沼となり

蜂や鳥が飛ぶようになる


そんな話を聞いた


遥かなるその土地には

今も限られたエスキモーの人々しか住んでいないらしい




その地を歩いてみることを想像してみる


どんな気分だろう

寂しいだろうか



寂しさなど、普段から人に囲まれて

ニコニコと何不自由なく暮らしていれば

そう思うのかもしれないが

ふとした瞬間に

自分は世界から弾かれているような

馴染めていないような

そんな自分には

ちょうどいいかもしれない

そして、そんなふうに感じたことが

一度もない人も

たぶんいないのじゃないかと思う、けど

どうでしょう




短い夏の日に

訪ねてみたい


雪の溶けた大地に野花が咲く頃には

野生のキツネが野を駆けて

海の冷たい水の上にアザラシたちが

ぷかぷか浮かぶんだろう


岩の窪みにある水は

クリスタルのように透明で

指先を浸したら

刺すように冷たいらしい


風は吹き荒れるだろうか

それとも、意外と柔らかいのかな


そうして沈まない太陽が

地平線のあたりを這うのを横目に見ながら

時を忘れて

遠くの氷山なんかを

ぼうっと眺めてみたいと思う



ぼくらは

そんなものを心の友達として

荒地に生きていけたらいい


とは思うんだけど

やっぱりさ


真冬の寒さは嫌だよね





涼しくなりましたか〜?

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