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水面に凪の色
水があって
空を映す、四季
風が吹く日に
世界は晴れて空色になる
緑の木々、風に揺れる葉や
空に高くさえずる
鳥の声が聴こえる
どこかに
夏の気配のある木陰を行く
枝と枝の間の薄暗がりに
地面に落ちる影の濃さに
夏の白い花が咲いて
西瓜の匂いを思い出す
雨の日暮れは静か
雨粒が落ちて
広がっていく波紋に
さざなみに揺れながら
映った空は瑠璃色
世界は夜になっていく
水面に映る夜は
月を映し、星を映す
盃に乗せて
乾杯の声を聞いた
水面に夜風が吹いたら
階段を降りていく
月の光の差す
眠りの底まで




