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花の宵
夜の花木は優しく
淡いさくらいろ
白く薫るのは
だれでしたか
階段の両側の
枝垂れる花の木が並ぶ
灯籠の石段
一段、一段と
上がっていけば
空に近づける
という
迎えてくれたのは
静寂の花木たち
風だけが
吹き抜けていく
月が照らしているのは
神庭
清水の湧く泉から
銀色に流れるのは花散る川
花に月、メジロは眠り
柳に風、空は花曇り
雲隠れしては現れる
月の光の下で
庭を歩いていると
お社がありました
迎えてくれたのは
昔の人
いつでもここに来れば
迎えてくれるのですよ
誰でも




