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プラネタリウムの空
夜、帰り道に
寄り道してみた
見えない扉を開けて
いつもと違う
道へ
プラネタリウムの空
晴れた冬の広場に
大きな星座が続いている
あれはオリオン
あれはおおいぬ座のシリウス
冬の大三角
無数の星々
地面から冷気が立ち上る極寒の2月は
星の光が冴えて
瞬いたりする
息は白く漂って、空へ
道ゆく観客たちは、みな急ぎ足
通り過ぎていく
マンションの白い灯り
街灯の照らす道路から望む
遠くには大都市
彼方には、星雲が光っていた
ひとの一生より遥かに長い年月を
刻んできた宇宙
あと四時間半の上映の
プラネタリウム
無料の招待券は手の内に
扉を開けて
どなたでもご入場いただけます




