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夜を追って  作者: 薄雪草
13/22

雨の夜の見る夢


雨の夜の見る夢は

白い霧の夢


陽の光の差す温室の

植物園に流れているような

柔らかい霧のなかで

微睡みは穏やかに

過ぎていく


温かい手足を流れる

血液だけではない何か

深い眠りの底は

もうひとつの宇宙


夜という人格は

白い世界を夢見て

何千何万何億もの

朝と夕に

手を伸ばした


過ぎていくのは、何だったのか

誰か、知りませんか


答えのない問いは

問いとして帰っていく


知らないうちに

ゆるやかに時は経ちて

明るさに満ちた日の夢が

春を予感させる


冷たい雨の夜は

暖かい光の夢を見る

晴れた日の青空のように

心弾む夢を見る


緋色の花が咲く花園の夢

漂う香りを辿っていけば

水辺にはモネの睡蓮

橋を渡るのは蝶


白い霧に

やわらかい陽射しが

冬の湯気のよう


目覚めたら

本物の霧には朝日が輝いて

憧れていた

朝を歩けるかもしれない










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