表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夜を追って  作者: 薄雪草
11/22

真夜中の0時


真夜中0時の少し前

鏡の前に立つ

音のない室内を照らすのは

窓からの街灯の光だけ


時間まで秒読み開始

あと60秒


「タイミングが大事だから

 間違えないようにね」


日が変わる瞬間に鏡の前に立って

強く願えば

会いたかった人の姿が映る

それが現世ではなくても

ただし

引き込まれないように

気をつけて



そんな話を聞いて

鏡を窓辺に置いて

そうして今、それを実践している



あと30秒

まだ、少し


あと20秒

まだ、ある


あと10秒

カウントダウンが始まる


9, 8, 7,


目を閉じて、カウントダウンを続ける


……2, 1


……、……………。



目を開けた

自分しか、いなかった



そりゃそうだよ、と思う


窓の外から、遠くの電車の音が聞こえた気がした


終電の時間

銀河鉄道だったら、乗りたかった


ただ…



少し、ほんの少し

何も起きないことに安心して

キッチンでお湯を沸かして


飲んで、眠りにおちていく

夜の空へ









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ