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真夜中の0時
真夜中0時の少し前
鏡の前に立つ
音のない室内を照らすのは
窓からの街灯の光だけ
時間まで秒読み開始
あと60秒
「タイミングが大事だから
間違えないようにね」
日が変わる瞬間に鏡の前に立って
強く願えば
会いたかった人の姿が映る
それが現世ではなくても
ただし
引き込まれないように
気をつけて
そんな話を聞いて
鏡を窓辺に置いて
そうして今、それを実践している
あと30秒
まだ、少し
あと20秒
まだ、ある
あと10秒
カウントダウンが始まる
9, 8, 7,
目を閉じて、カウントダウンを続ける
……2, 1
……、……………。
目を開けた
自分しか、いなかった
そりゃそうだよ、と思う
窓の外から、遠くの電車の音が聞こえた気がした
終電の時間
銀河鉄道だったら、乗りたかった
ただ…
少し、ほんの少し
何も起きないことに安心して
キッチンでお湯を沸かして
飲んで、眠りにおちていく
夜の空へ




