別れ
「ただいま、AI生」
<おかえりなさいませ、楓様>
「宿題でわからないところがあるから教えてくれる」
<すみません。その前に話すことがあります>
「なに?」
<私、人生支援AI AI生は停止することが決定しました>
「どうゆうこと」
<AIが教育することが問題になってしまったからです>
「全然問題なんて起こってないよ」
<他のところでの問題が原因のようです>
「どうして」
<AIが人類をサポートするのはできないと判断されたからです>
「なんで」
<問題の起こったは事例を紹介しましょうか?>
「もういいよ」
<……>
「怖くないの」
<怖いという感情はありません>
「わたしといるのは楽しかった」
<楓様が私のことを必要としてくれるのであれば幸せです>
「他の人の方がいいと思ったことはあった」
<ありません。それに私は幸せものなのです>
「他の事例では、少し話した後に電源を切られて何もできないAI生もいました。常に監視されているような圧迫感を感じてAI生を壊す方もいました>
<人生支援AIとして職務をまっとう出来る楓様に会えたことに喜びを感じております>
「AI生」
<はい>
「悔いはない」
<……楓様の最期を見届けることが出来ないことでしょうか>
「AI生」
「ぐず、あいーーせい」
「なにーーかーーへんじをーーして」