山蜘蛛の怪僧
洞妖窟の奥に進むと土蜘蛛が少しずつ大きくなっていく。
既に体長が40㎝くらいだ。
数も多い。
カナデ達の安全のために急いでいるため霊片は拾わない。
10分程進んだところで蜘蛛の糸で繭状になっている二つの物体が見えてきた。
包帯を巻かれているミイラみたいだ。
その2つの物体を土蜘蛛が奥へと運んでいる。
あれがカナデ達かな。
もう少しで2つの物体に届くところで奥のほうから人影が見えてくる。
身長が2mを超えている。
これがナラクさんが言っていた山蜘蛛の怪僧か。
怪僧は凄いスピードで錫杖を打ち込んできた。
神刀【日日月】でその打ち込みを防ぐ。
スピードだけじゃなくパワーもありやがる。
これは強敵だ。
シロちゃんに指示を出す。
「あの二つの蜘蛛の糸の繭を狐火で焼いちゃって。蜘蛛の糸は狐火に弱いから中まではダメージが行かないと思う。気をつけてね」
「了解!ナギも負けないでね!」
シロちゃんは周りの土蜘蛛を斬り倒しながら蜘蛛の糸の繭に近づいていく。
俺は怪僧の相手をする。
悪いがナラクさんとの相手ばかりしていたので隙がたくさん見えるぞ。
怪僧の上からの振り下ろしを躱して胴を斬りつける。
非常に硬い。
神刀【日日月】でも傷を付ける程度だ。
怪僧は力任せに錫杖を振りまくる。
スピードもあるので厄介だ。
俺はリズムを取りながら特殊な呼吸法を始める。
心の水面を静かにしていく。
集中力が増していく。
刀に気を送る。
神刀【日日月】がいつもより濃く光り出す。
俺は自然と上段の構えになる。
一瞬の気合いと共に袈裟斬り。
錫杖ごと怪僧を斜めに叩き斬る。
力徳流刀技一刀斬である。
ナラクさんの金剛石は斬れないが、この程度の相手なら難なく斬れる。
怪僧を倒した瞬間、土蜘蛛達は洞窟の奥に逃げていった。
怪僧を倒した後には直径が40㎝を超える霊片が転がった。
土蜘蛛がいなくなったし、霊片を拾って帰るか。
シロちゃんは蜘蛛の糸の繭を狐火で焼いていた。中から出てきたカエデとその眷属の久礼直人は気を失っていた。
息はしている。
シロちゃんが直人に回復術をかける。
「なんで先に直人なの?」
「せっかくカエデが気を失っているんだから、そのままにして運べば良いじゃん。カエデは意識が戻るとうるさいわよ。それに直人に運ばせれば楽でしょ」
なるほど、シロちゃん冴えているね。
俺はシロちゃんから神袋を受け取り、倒してきた土蜘蛛の霊片を拾い始める。
少し経つと直人の意識が戻った。
直人は震えが止まらない状態だった。
死の淵を見たからだな。
当分コイツはポンコツだな。
しょうがないのでシロちゃんが霊片を拾い、おれがカエデを背負って出口に向かう。
震えている直人は何とか歩いてついてくる。
10分程度で出口についた。
結界を抜けると日が落ちて暗くてなっていた。
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