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05-小さな少女の隣

かくかくしかじか……

(大人の事情で)

僕たちは急遽、

ヴェルのルームメートを

捜すことになった。

《小さな少女の隣》

炎:

「まず

バカ兄と舞風は外せ」


炎に聞いて

1秒後の返答だった。


雅紀:

「まあ直弥は駄目だな」


雅紀に聞いて

3秒後の返答だった。


要:

「舞風は

直弥の次に駄目だ」


要に聞いて2秒後の‥


直弥:

「何でお前らそんな

俺だけ即答すんだよ!?」


理人:

「あ、直弥おはよう」


直弥:

「ん、ああ、おはよう…

…じゃねえよ!!」


直弥はどこにそんな

怒り狂ってるのだろうか


宇田:「ウ〜!」


直弥は仮面を着けて

急変した!

炎の言うとおりだ。

直弥は外した方が‥


宇田:

「ブルル!

…この仮面を着けると

相手の考えてることが

わかるんだ‥」


何だろう。

どこか悲しそうに

してる気がする。

ま、気のせい‥


宇田:

「気のせいじゃねえよ!!

ウダーー!!」


理人:

「嘘だよ、ウソウソ…

でもさ直弥。

捜してるのは本当だから

手伝ってほしいんだけど」


嘘と聞いた途端、

宇田は仮面を脱ぎ捨て、

通常状態に戻った。


直弥:

「…嘘?

ああわかってたさ。

嘘だよな、嘘。

うんうん」


理人:

「いやだからヴェルの」


直弥:「わかってるさ。

すでに手は回してる」


理人:「?」


ピロロ、ピロロ、と

直弥の携帯に着信が入る


直弥:

「来たな…もしもし?」


直弥が携帯を

ハンドフリーにして

教室の机の上に置く。


[舞風:

「直弥か?……ん?

理人君もいるな?」]


理人:

「って何で喋ってない

のにわかるの!?」


[舞風:

「はっはっは。

君もまだまだだな」]


理人:「へ?」


直弥:

「簡単な話だ。

理人がいるか聞いて

いたら答える。

いなかったら答えない。

ただそれだけだ」


[舞風:

「その男の

言うとおりだよ。

……さて、そんなことは

ともかく、一応何人か

集めたから

食堂まできてほしい」]


直弥:

「そうか、わかった。

じゃ、またあとでな」


それだけ言うと直弥は

携帯の通信を切って

僕の方を振り返り、


直弥:

「というわけだ、

行くぞ理人」


理人:「…はい?」


いまいち話がまだ

読み込めずにいた。

Ι

Ι

直弥:

「さてさて、

お集まりの諸君。

今日は何のために

来てもらったか

わかってるよな?」


?×X:「……」


どうやら彼女たちは

舞風さんにいきなり

連れてこられた

集団のようだ。

誰一人として

口を開こうとしない。

それどころか

ポカーンとしてる

人までいる始末。


何人かに

目をやっていると、

見知りの人物を発見した

未頼さんだ。


未頼:

「はーい、直弥さん!

質問です!」


直弥:「却下。はい次」


さらっと流す。


未頼:

「あ〜、

酷いぃ〜!(泣)」


直弥:

「わかったわかった。

未頼どうした」


未頼:

「今から何を

するんですか!」


威勢よく答える。


直弥:「今から説明する」


あっけなく質問終了。


未頼:

「やっぱり酷い〜(泣)」

直弥:

「ったく。

何にも説明せずに

連れてきたのか?」


舞風:

「私があたかも

誘拐したかのように

言わないでほしいな。

…駄目か?」


理人:

「いや、駄目でしょ」


その時足音をたてながら

廊下を走ってくる音が。


要:「ナイスツッコミ!!」


理人:「ありがと要。

でも突然湧かないでね」


雅紀:

「ナイス

連続ツッコミ!!」


理人:「ありがと雅紀。

でも慣れない

便乗はしないでね。

対処に困るから」


2人は親指を

グッと立てて、

もと来た道を帰っていく

……何しにきたんだろ。


直弥:

「…そろそろいいか?」


理人:

「あ、うんいいよ」


直弥:

「…コホンッ!

実はこの、理人!

(肩を掴まれ

前に出される)と、


舞風!(肩を掴まれ

直弥の顔面に拳を1つ)

の……クラスにいる

ヴェルロッサ=F=

アルバローザ=

ルネアチル…

愛称ヴェルには

ルームメートがいない。

理由は簡単。

編入してきたからだ。

別段暴れたりもしないし

喚きもしない。

気立てよし、愛想よし、

何よりまだ純粋無垢だ!!

誰かこのヴェルと

一緒になってもいいと

いうやつはいないか?」


ヴェル:

「よ、よろしく

お願いしますっ!」


…しばらくの沈黙。

それを打ち破ったのは、


舞風:「ひどく切望する」


この一言だった。


直弥:

「お、舞風は

やってくれるか?」


ーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーー

っ!

…何だ、感じる。

これは…駄目だ。


[何だ?

……いやな感じだ]


誰かの

心の声が聞こえる!?

一体誰の‥‥


[これは…理人か?]


炎!

これは一体‥


[多分…何かヴェルに

危険が迫ってる]


危険…

まさか、舞風さん!?


[なに!

舞風がルームメートに

立候補したのか!!

急いで止めさせろ!!]


あまりのヴェルの危険に

僕たちの心が共有される

くらいだからね。


[ならあとは任せた。

ヴェルは頼んだぞ]


うん、わかったよ炎‥

ーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーー


理人:「はっ!!」


舞風:「ん、どうした

理人君?」


理人:

「…本当に

共有してたんだ‥」


舞風:「何の話だ?」


理人:

「(ひとまず

舞風さんに悟られずに

立候補させないように

僕が頑張らないと…)

舞風さん、

ヴェルのルームメート

のことなんだけど‥」


舞風:「ん、どうした?」


理人:

「ボソッ…

実はヴェルは勉強が

苦手で舞風さんが毎日の

ように教えなくちゃ

ならないんだ」


舞風:

「毎日のように

ヴェル君と

プライベート空間を

設けることができるなら

……ブフッ!(鼻血)」


無駄どころか逆効果か…

なら!


理人:

「…というのは嘘で、

実はヴェルは

身のまわりのことが

まったくと言っていい程

出来ないんだ」


舞風:

「萌えるじゃないか」


理人:「…はい?」


舞風:

「ヴェル君に

食事を口移ししたり、

お風呂を沸かして

一緒に入って

体を隅々まで洗ったり、

締めには私のベッドで

一緒になれる」


理人:

「一緒になるの

意味を大きく

取り違えてるからね!?」


舞風:

「…君は

何が不満なのだ」


理人:「え?」


舞風:

「私には、君が

私をヴェル君から

引き離そうとしてる

ようにしか見えないぞ」


理人:

「ち、違うよ違う‥」


流石に手ごわいな。

もう打つ手がない……

待てよ、もしかして

あれなら‥


理人:「舞風さん…

ヴェルって

見かけによらずSだよ」


舞風:

「なに!?んん‥‥」


いつもより

真剣に悩んでるな。

いけるか?


舞風:「……駄目だ。

私はてっきり

彼女は無垢だと

考えていたのだが…

なら直弥が言っている

ことは嘘なのか?」


理人:

「直弥だって

時にはミスもするよ。

ほら、直弥って

新しい遊びを考えたとき

何か忘れるでしょ?

それと一緒だよ」


舞風:

「くっ…盲点だった」


よし、なんとか

ヴェルを助けることが

できたみたいだ。


舞風:「……なら炎君だ」


理人:「…へ?」


何故ここで炎?


舞風:

「炎君ならSではないと

確信がもてるし、

…純粋無垢ではないのが

気がかりだが、

まだ無垢だと私は思う。

それに…あれはあれで

遊びがいがありそうだ」


顔からは不敵な笑みが

こぼれていた。


理人:

「え、

ちょっと炎は…!」


舞風:

「もう待てん!

いざ行かん、

炎君のもとへ!!

理人君さらばだ!」


光速とも言えない速さで

舞風さんは

走り去ってしまった。

その後しばらくの間、

炎の姿を見た者は

いないというのは

言うまでもない‥‥

Ι

Ι

あのあとやはり、

食堂に残ったのは

誰一人としていず、

皆帰ってしまった。


ヴェル:「……ぅぅ」


理人:「ヴェル‥」


直弥:

「んー…まさか

誰も残らないなんてな、

俺も予想外だぜ」


直弥でさえも

予想外だったらしい。

意外に難航しそうだ。


直弥:

「…しょうがねえな。

こうなったら

メンバー総動員で

やるしか…?」


小さなヴェルの手が

直弥の袖を

強く握っていた。

何かを訴えかけるように


ヴェル:

「…こ、これは

私の問題ですから…

皆さんにご迷惑を

かけるようなことは‥」


理人:

「そんな…

迷惑じゃないよ全然!」


ヴェル:

「ありがとうですリヒト

そんな気を

遣わなくても‥」


理人:

「だから

そんな気なんて‥」


集中力が途切れる。

視界に何か入ってきた。


?:

「何をさっきから

騒いでいるの

あなた達は!」


直弥:「あ、やべ」


直弥が唯一後退り

するをえない人物、


理人:「白石さん‥」


白石:

「どうも、水無月理人。

今日はなにかしら?

激しくバトル?

それとも規則違反?」


理人:「誤解だよ‥」


白石:「じゃあ……ん?」


白石さんの視線が

ヴェルを捉える。

それに気づいてか

ヴェルが

僕の後ろに隠れる。


白石:

「あなたは……

北神ヴェルロッサね」


ヴェル:「は、はい」


白石:

「あなたは

被害者側かしら、

それともしでかす側?」


理人:

「あー、白石さん?

今回は

そんなのじゃないんだ」


白石:「違うの?」


理人:

「実は僕たちは

ヴェルのルームメートを

捜して、〜(略)〜」


白石:

「あらそう。

なら私のところに

来ればいいじゃない」


理人:

「…え?

白石さんのところ?」


白石:「駄目かしら」


理人:

「まあ僕が決定する

ことじゃないけど‥」


ヴェル:

「あの…

私は、いいですよ」


あれいいの?

あっさり。


白石:

「決まりね。

明日までには

準備進めとくわ」


ヴェル:

「はいっ!

これから卒業まで、

よろしく

お願いしますねっ」


白石:

「ええ、こちらこそ」


滅多に見せない微笑みを

白石さんは浮かべていた


在夢:

「ん、あれー?

お姉ちゃん来てたの?」


理人:

「来た、

トラブルメーカー‥」


在夢:「何か言ったぁ?」


理人:

「いえいえ何も‥」


白石:

「ちょうどいい

ところに来たわ。

在夢、あなたも私の部屋

に移動しなさい」


在夢:

「え、え、何がぁ?」


在夢さん

強制イベント発生。


白石:

「ついでに連行

しときましょうか。

ヴェルロッサ、

こうやって規則違反は

捕まえるのよ」


在夢さんの手首に

手錠(?)がはめられる


ヴェル:

「ふむふむ。

勉強になりますっ!」


在夢:「がーん!

何故こんなことに!?

理人君ヘルプ!」


理人:「ごめん、無理」


在夢:

「笑いながら

済まさないでよぉ!!」

Mission of Vel.

Complete!!


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