END-LAST DRIVE
軽く泣きましたね。
みんなを懐かしんだら。
理人‥ごめん。
トクンーー。
心臓が高鳴る。
全身が痛い。
駆け寄る足音‥
『おい、生きてるぞ!
車二台よこせ!!』
『キミ、大丈夫?
さあ、こっちに』
僕はゆっくりと
抱きかかえる人と共に
目を閉じる。
何が起こったのかを
僕たちが理解したのは
目の前に白い壁が
見えた時だった。
‖
‖
《LAST DRIVE》
‖
‖
線香の匂いが
鼻をくすぐる。
僕たちの心境は
どちらかと言えば…
何でもなかった。
故、直弥が最期に
僕ら二人を上から
さらに覆い被さるように
抱えて…死んだ。
雅紀と要は重体、
舞風さん在夢さん
未頼さんヴェル、
彼女たちは未だに
意識が戻っていない。
無事なのは僕と炎だけ。
寂しい二人ぼっち。
炎:
「理人‥」
小さく炎が問いかける。
理人:
「…なに?」
炎:
「…バカ兄は?
どこを捜しても
どこにもいないんだ。
理人なら
知ってるだろ?」
理人:
「炎ーー」
炎:
「直弥はどこ!?
雅紀も要も!
舞風に在夢に
ヴェルに未頼ちゃん!
みんなどこなのか
教えてくれ理人ッ!」
体を激しく揺さぶられ
涙を流しながら
顔を僕の胸にうずめる。
理人:
「…炎、もう一度だけ」
炎:
「……」
理人:
「もう一度、
僕らが世界を創るんだ」
炎:
「え…?」
きょとんと不思議そうな
顔を僕に見せる。
理人:
「うまくいけば
みんなにまた会える」
炎:
「ホ、ホントか‥?」
理人:
「うん、ホントだよ」
僕はひとつ嘘をついた。
炎:
「なら早くしよう!」
みんなには会えない。
 ̄ ̄ ̄
理人:
「それじゃあ行くよ。
意識を集中して、
校門を思い出して‥」
僕はね…炎。
炎:
「…いいぞ、理人」
理人:
「うん、そのまま‥」
目を閉じている
炎に顔を近づけ
そっと唇を重ねる。
炎:
「ーーッ!?」
理人:
「さよなら、炎ーー」
僕は薄れゆく意識の中で
直弥に訊いた
ことがあった。
世界を創る方法を。
直弥は言った。
しかし顔をしかめた。
望んではいなかった。
こんな終わり方で
きっと炎は満足しない。
後は直弥、任せるよ。
ありがとう…
ウィアスターズ。
ひとつひとつが輝く
僕たち自身の星。
何かを目指すなら
何かは犠牲になる。
世界を創造するなら、
僕は…輝きを消す。
Ι
Ι
Ι
Ι
Ι
直弥:
「…?ここは‥」
要:
「どういうことだ?」
雅紀:
「あ〜よく寝たぜ」
舞風:
「…おかしい」
在夢:
「へりゃほれ?」
未頼:
「ふぇ、え?」
炎:
「…ん、んん」
ゆっくりと各々が
目を覚ます。
場所は校庭。
爽やかな風が
微かに気持ち良く
すり抜ける。
直弥:
「…バカヤロウが」
夜空にはひとつだけ
輝いていた星があった。
それは微笑むかのように
彼らを照らす。
舞風:
「直弥、これは?」
直弥:
「……舞風。
木の上と体育倉庫裏を
一緒に探してくれ」
舞風:
「……ああ」
Ι
Ι
舞風:
「水越君‥」
直弥:
「不知火‥
お前らは望んだのか。
あいつを選んだのか。
…俺もまぜろよ、畜生」
地面を殴る音が
無為に響き渡る。
Ι
Ι
炎:
「……ばーか」