18-夕闇に染まる刻
理人:
「…まだ明るいや」
本当に世界が
終わるのだとしたら
なんて見慣れた
景色だろう、と僕は
外を見て思った。
?:
「…世界が
夕闇に染まる頃。
そんな世界
来そうにねえよな」
理人:
「雅紀‥」
雅紀は僕の隣までつくと
一緒に昼の空を
眺めはじめた。
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《夕闇に染まる刻》
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なんてロマンチック
とは
かなりかけ離れた
光景だろう。
正直少しだけ離れたい。
雅紀:
「…なあ理人。
お前も知ってるとおり、
俺は馬鹿だ」
理人:
「…うん」
雅紀:
「うおおーーおっ!!
あっさり
認められたぁぁ!!」
理人:
「ええっ!?
そこは話を
繋げるんじゃないの?」
雅紀:
「しねえ」
どこまで
馬鹿なんだ雅紀は…
またツッコミに
はしってしまった。
雅紀:
「まあ冗談は
そこらに置いといて。
理人、俺の知ってる限り
直弥は自分のことすら
捨てるつもりだ」
理人:
「直弥自身も!?」
そんなことをして
一体何になるんだ。
直弥は今"本当は"
無事なはずなのに、
それを今にも死にそうな
僕と炎のために
犠牲にするなんて!
雅紀:
「…ちょい場所を
グラウンドに
変えてもいいか?」
Ι
Ι
炎天下…かと思いきや
どうやら偽の太陽は
もう働いてないらしい、
まったく暑くない。
雅紀:
「理人!
100回懸垂勝負だ!!」
理人:
「うん、やだ」
丁重にお断り
させていただいた。
雅紀:
「…なぁ、要のやつは
何を言いやがった?」
理人:
「…この世界について
結構事細かに」
雅紀:
「直弥については?」
首を横に振る。
要も直弥の思考だけは
わからなかった。
雅紀:
「そうか…
じゃあ俺は
あいつについて
出来るだけ教えるぜ」
理人:
「うん、わかった」
直弥の真実。
心から知りたい。
僕らを助ける意味が
あるのかどうか。
雅紀:
「『アイツ』
攻撃力はコイツソイ‥」
理人:
「『アイツ』って
カードゲームのこと!?」
雅紀:
「え、違えの?」
理人:
「違うよ!?
某カードゲームの
話じゃないからね!」
雅紀に期待した
僕が馬鹿だったかな‥
雅紀:
「うそうそ。
…直弥はむかし、
ウィアスターズを
作って、俺たちは
それに参加した。
ウィアスターズ、
俺たちひとりひとりが
星のように輝くために。
あいつはその思いで
この輪を広げたんだ」
そうだった。
僕たちひとりひとりが
星のように輝くために、
これがウィアスターズの
初期目標だった。
雅紀:
「直弥は理人も
知ってるとおり、
仲間は見捨てねえ。
どの星も
欠けちゃいけねえし
どの星も直弥の
絶対の宝物だ」
理人:
「仲間を見捨てない?
でも現に直弥は
要や雅紀、
在夢さんや舞風さん
ヴェルや未頼さん、
不知火君や白石さんを」
聞くや否や、
雅紀の怒号がとぶ。
雅紀:
「あいつらも、俺も!
直弥が勝手にこの世界に
引き込んだんじゃねえ!!
みんな自分の意思で
この世界に
入ってきたんだよぉ!!
俺たちゃには
お前と炎に生きてて
もらいたいんだよぉ!!」
理人:
「……!!」
みんな…自分の意思で、
僕たちを助けようと
してくれてたのか。
そうか…
そう‥
理人:
「…雅紀、直弥は
今どこにいるか
知ってる?」
もう…それを聞いて
僕は決意した。
雅紀:
「おう、直弥は
17時に校門前に
来るはずだぜ」
理人:
「それまでは?」
雅紀:
「最後の
シナリオ作りだってよ。
多分炎と落ち合う
ことになると思うぜ」
理人:
「わかった」
それだけ聞くと
雅紀は大きく深呼吸し、
一言だけ。
雅紀:
「また会おうぜ、理人」
雅紀は窓から飛び降り、
そこから姿は見てない。
追いかけなかった。
多分、今の僕には
まだ…できないんだ。
できなかった‥
理人:
「さよならは
言わないよ、雅紀。
また、会おうね」
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Mission of Masaki.
Complete!!