12-眠れる夜は‥
舞風:
「……できたぞ」
‖
‖
《眠れる夜は‥》
‖
‖
直弥:
「おっ、ついに
完成したか」
ヴェル:
「おめでとう
ございます舞風さんっ」
舞風:
「ああ‥」
なんかまだ
ノリ気ではない。
まだ問題があるようだ。
舞風:
「この《斬鉄》の力が
いかほどのものか、
まだ私も完璧には
把握してないんだよ」
一抹の不安はそれらしい
理人:
「木とか鉄とか
斬ってみたら?」
刀の能力を知るには
これしか方法がない。
舞風:
「じゃあ雅紀で」
雅紀:
「ぐもっ!!
ぼべがよっ!!
(うおっ!!俺かよ!!)」
お弁当を
頬張っていた雅紀。
舞風:
「さあさあ、
早くその身を
我に差し出すのだ」
雅紀:
「へっ、
だがみすみすやられる
俺じゃねえぜ。
〈あれ〉で
決着つけたらぁぁ!!」
あっ、直弥の頭の上に
電球が。
直弥:
「ならちょうどいい。
メンバー全員
強制参加だ!
秘刀、斬鉄の力を
調べるぞ!
……1対全員で」
えぇ‥‥
Ι
Ι
武器はこの山のものを
使った何かか、
持参したもの
というルールで、
不公平とか関係なしに
舞風さんに対して
全員で勝負をする
ことになった。
理人:
「ホントにいいの?」
舞風:
「構わん。
軽くひねり
潰してくれよう…
…君と、在夢君を
除いた女子以外は」
直弥、要、雅紀、
在夢さん、死刑確定。
在夢:
「何故に私までぇ!?」
舞風:
「《軽く目障り‥》」
在夢さんは
あまりの衝撃に
ムンクの叫び化していた
在夢:
「そんな殺生なぁ(泣)」
直弥:
「さ、武器武器っと‥」
‖
武器選択タイム
‖
直弥
【宇田の仮面】
要
【手作り
だからといって
侮るな剣(木刀)】
雅紀
【ベアーハンド】
理人
【思い出がつまった
卒業アルバム】
炎
【リート】
未頼
【バームクーヘン】
在夢
【仮装セット】
ヴェル
【流麗からもらった
怪しげな本】
舞風
【斬鉄(舞風専用)】
直弥:
「準備はいいか?
なら始めるぜ!」
FIGHT!
直弥:
「この広大な緑溢れる
大地に立つは、
舞い戻った仮面…
野生の
パワーを感じろっ!!」
要:
「右に同じ。
で、前述の通り…
…甘くみるな!」
雅紀:
「くまさん直伝の
最強の手袋だ。
避けねえと血見るぜえ」
在夢:
「これで
姉貴の気をひいて、
我が軍は
勝利するのだぁぁ!!」
理人:
「みんな
かなり本気だね‥」
まあ何か
手をうたないと、
黙って殺されに行く
ようなものだからか。
理人:
「さ、僕も頑張るか!」
未頼:
「あんまり喧嘩は
したくないんだけど…
これが
しーちゃんのため〜!」
ヴェル:
「まだ
中は見てませんが…
これが舞風さんの
役にたつよう
祈りますっ!!」
各々の声を聞いても
舞風さんは依然、
余裕をみせていた。
舞風:
「安心しろ。
私の目指す目標を妨げる
目障り4人組以外は
武器を破壊する
程度にしておく」
…この時、
僕はてっきり
舞風さんの目指す目標は
斬鉄の完成だと
思っていた。
舞風さんの目指す、
本当の目標は
斬鉄の完成のさき、
後に知ることになる‥
‖
ムトトンムトトン、
ムトトンムトトン、
タタ〜!
宇田:
「二階から目薬と一緒に
宇田登場‥‥」
舞風:
「下手な婉曲を‥‥!」
要:
「武道の道、
例え弓道の道に
進んでいても、
剣道も言わずとしれず可
…隙ありーーっ!!」
強烈な勢いで突っ込んだ
要だったが、
ワンステップで
間合いをとられてしまう
舞風:
「はっはっは。
戦略性がないぞ?」
要:
「ふっ……いや‥」
直弥:
「ここからが、
チームワークの
みせどころだ」
舞風:「…?」
注意がひかれている
舞風さんの背後から
黒く巨大な影が。
その黒い影は、
大きく腕を振り上げる。
雅紀:
「ベアァァー
ハンドォォォ!!」
舞風:
「っ!!
しまった、失念を!」
グニッ!!
………グニ?
ベアーハンドの、
鋭いと思われた爪は
見事に逆方向に曲がり、
舞風さんへの
打撃ダメージは
手の内についた
肉球で軽減されていた。
雅紀:
「意味ねえぇーーえ!!」
要:
「…それ、
北海道の土産物
じゃないか?」
ムンクの叫びver.2☆
舞風:
「切れ味をみる。
第一号は貴様だ!」
要:
「雅紀っ!!
手袋を外せ!」
雅紀のベアーハンドは
宙を舞っている間に、
見るも無惨な姿に
様変わりしていた。
舞風:
「ふむ…まあまあか」
雅紀脱落。
(会話さえ不可)
‖
宇田:
「ウゥ〜ダァァ!!
…ふんっ!!」
ひょい。
軽くかわされる。
宇田:
「ちぃ……?」
舞風さんを
挟んだ位置にいた
在夢さんが
直……宇田に
連携プレーを
持ち掛けている。
……あ、拒否した!
連携プレー拒否した!
在夢:
「(こうなったら
私1人で…)
…(仮装セット装着)」
舞風:
「………」
在夢:
「………」
舞風:
「…目障りだというのが
聞こえなかった、か!」
ジェイソンの仮面両断。
在夢脱落。
(称号
《反面教師の女王様》を
手に入れた!)
舞風:
「ふっ…
容易いものだ」
‖
未頼:
「あ、しーちゃん〜」
どこからか現れた
未頼さんは
白い、ケーキを
入れるような箱を
両手で持ってきた。
未頼:
「疲れたときには
甘いものを
食べましょ〜、はい
」
箱ごと
渡されたのは驚いたが、
その中はよくある
バームクーヘンだった。
舞風:
「ほぅ、見た目は中々…
味の方は‥」
口に運んだ、その時!
未頼:
「引っかかったね〜!
そのバームクーヘンは
辛子600g配合ぉ〜」
意外な小悪魔だった!!
見た目とのギャップが
大きすぎたか。
舞風:
「…私は
辛いもの好きでね」
未頼:
「そんな〜(泣)」
武器損失により
未頼脱落。
‖
ヴェル:
「舞風さん舞風さんっ」
舞風さんの横に現れた
ヴェルはあの怪しい本を
持っていた。
ヴェル:
「表紙がないので
中身は知りませんが、
読んでくださいっ!!」
舞風:
「ほぉ、どれど‥‥」
ヴェル:
「?」
舞風さんは
言葉が途中で途切れ、
ヴェルは疑問符を
浮かべっぱなしだった。
舞風:
「…ヴェル君、
君はまだこれを
見てないと言ったか?」
ヴェル:
「?
見てませんけど‥」
それを聞いた途端、
舞風さんの顔からは
笑みがこぼれ、
神妙に中を拝見する。
舞風:
「ヴェル君。
これも人生経験だ、
中をじっくりと
見るがいい」
そして本は
ヴェルのもとへ。
ヴェル:
「ん?………っ!!
こ、これはぁぁ!?」
舞風:
「流麗君だったな。
その本の持ち主は」
ヴェル:
「……こくっ」
中身をガン見しながら
黙って頷く。
そんなに
面白い本なのか?
舞風:
「まあ、
このことを周りに
言いふらされたく
なければ、
この闘いを棄権し、
その本を
私に渡すことだ」
ヴェル:
「ぅ……はい」
理人:
「…何故?」
ヴェル脱落。
‖
理人:
「舞風さん、
この、思い出のつま‥」
ピシッ!
ザラ‥
理人:
「い、いきなり
一刀両断!?」
舞風:
「過去は斬り捨てる
タイプなんだよ」
理人:
「あながち
言ってることと
やってることに
間違いはないけどさ!?」
理人脱落。
‖
炎:
「リィーートォーー!」
リート:
「むぉー」
炎の呼びかけに対して
なんて無気力な返事‥
舞風:
「しかし
これはまいったな。
リートも
少なからず生き物。
五分の魂であっても
殺さないのが昔の教え。
斬れんではないか」
炎:
「少しでもリートを
傷つけてみろ。
すぐに動物愛護団体に
連絡してやる」
!
これなら舞風さんは
炎を倒せない。
上手い手だ。
舞風:
「ほーら、
リートとやら、
ついぞ麗しき私に
降伏してくれないか?」
降伏を呼びかけた!
でも相手は動物。
そんなのにリートは
釣られるはずがない。
リート:
「むぉー」
うん、問題ない。
舞風:
「む、なら金はどうだ」
買収してくるきだ!!
で、でもリートも動物。
まさかそんな‥‥
リート:
「む…むぉ‥」
動揺している!?
リートは
炎の愛情と金が放つ欲に
翻弄されていた。
舞風:
「さらにひと押し…
ほーらリートとやら。
炎君の胸にはない
私の胸に
埋もれるがいい」
リート:
「……むぉー」
こいつ、親父属性だ!!
リート戦意喪失により
炎脱落。
‖
‖
舞風:
「これ以上私に
手間をかけさせるな。
著者の
時間の無さを考えろ!」
直弥:
「俺に言うなよ!!
リアクションに困るのは
俺なんだよ!」
要:
「というか
もういいだろう。
既に俺たちを残して
全滅したのだからな。
威力はわかった」
相手も相手だったから
あれだと思うけど。
舞風:
「…ったく。
それはあれか?
在夢君と同じように
途中でぶちる気か?」
直弥:
「どっちでもいいぜ。
好きな方を選べ」
舞風:
「まあ、今日も遅いし
君も疲れただろう。
睡魔に襲われないうちに
車で送ってくれ」
直弥:
「ああ。
ならお前も
手伝ってくれ。
この、寝ちまった
小さな《奇跡》を
運ぶのをな」
舞風:
「君は比喩が好きだな。
……私もだよ」
‖
‖
Mission of Maikaze.
Complete!!