『深層』にただいま
『syaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!』
「「うあああああああああああ!!」」
「だめだ、刃が通らない!強化してるはずなのに・・・・」
「魔法耐性なんてほぼドラゴンだぞ!なんなんだ、この蛇!!」
久しぶりに戻ってきた『深層』ダンジョン。
ドラゴン討伐のために偵察として派遣した神殿騎士たちの現状である。
「皆!!闇雲に攻撃しても無駄だ!スピンニードルとヒルトボム用意!!
魔法を使えるものは関節部を狙って内部干渉できるよう調整せよ!」
かつて『深層』を経験した救助者――――ゲルドに檄を飛ばされ、悔しそうにしながら事前に用意していた道具類を取り出した。
「人形程度に専用の道具が必要ない」。そう豪語していた彼らだったが、『深層』の人形たちは、それまで相手にしていた奴らが木偶に見えるほどの脅威だった。
「馬鹿な、これが『深層』?・・・・攻略が難しくない中級ダンジョンだっていうのか???」
事前に聞いていた話と違う、と困惑しながら攻撃を再開する神殿騎士たち。その後ろで――――
「・・・・まぁ。普通に潜ってたらそう思うよな」
「まったくだ。詐欺にもほどがある」
死ぬ思いをした「経験者」である二人は、その光景にため息が出た。
ソルと「姐さん」であった。
「『攻略が難しくない』、ってのを、『敵がその程度』って解釈しちまってる状態でかかるとなー」
「ああ。一般的に、中級というのは深層部までそう面倒な敵が出ないからな。まさか入って早々剣も魔法も利かないような相手がいるとは思わないよ」
一般的な認識としては、上記のままでもんだいはない。中級ダンジョンとはそういうレベルのものである。
ただ、『深層』に関しての分類は意地が悪い。
「ほんと。『攻略本があって対処がすべて書いてあるから難しくない』、とか・・・」
「・・・あの店の性悪なところが出てるわ」
「店のじゃねーっすよ、マギさんのです」
二人が苦笑しながら感想を言い合っていると、
「・・・お二人とも、そろそろ、ご助力願えますか。
そろそろ、私一人でフォローするには限界です」
騎士たちに指示を出していたゲルドが助けを求めにきた。
経験のない者たちへの被害が少なくなるようフォロー役をしていたのだが、いよいよ一人では限界になってきたため、討伐の依頼だった。
互いの得物を抜いて神殿騎士たちのフォローに走る。舐めていた連中にはいい薬になっただろう。
ソルにとっては、これで何度目だろう、鋼鉄の蛇。
もはや懐かしさすら感じつつ、敵の無力化を遂行した―――――――。




