入院
あのあと、俺を操っていた彼はミハルの絶対防御空間を破ることが出来ず、ミハルは後に玲央と共闘し、彼は敗れ、警察に逮捕された。
俺はと言うと、スッカリ解放されて気分爽快といいたいところだが、彼の力に開放されたと同時に長期にわたり、操られていたせいなのか……、栄養疾患及び、体力の激しい消耗、
そして、急激な異能力の表れによって情緒不安定で体は弱りに弱った状態で、何故か管理局本部(警察)の御用たしの病院のひとり部屋に隔離されていた。
と、言っても1人で立つことも食べることもままにいので、点滴で栄養を摂取しているわけで、
とても暇な日々を送っていた。
因みに俺は他人の目をハメられていたので、持ち主が判明してからは目を持ち主に返し、今となっては目の無い真っ暗闇。
何も見えず、目は包帯で覆われている。
目は止血をしているため、一様大丈夫なのだが、はやめに新しい目を用意しなければならないという事だそうで。
そんなある日、政府関係者(戦闘部隊隊員)と名乗る人が俺を訪ねた。
何となくそれなりにオーラを感じたので、ウッカリベットから滑り落ちたのだが、その人はとても優しい人だったようで、
俺を起こしてくれた。
そして、その人は何をしに俺を訪ねたのかと言うと……、
一,義眼を届けに来た
一,栄養錠剤を渡しに来た
一,戦闘部隊のスカウトに来た
この三つだった。
最後の『スカウト』に関しては驚く他、なかった。
まだ、ギリギリ中学生の俺に頼むって大丈夫なの?人違い?なんて思ったが、そうでもなかった。
と言うか……戦闘部隊は凄い力を持つらしく片方ではあるが、売り飛ばされていた俺の目を取り返してくれたのである。
そのため、義眼になれるのは苦難ではあったが、素の自分の目を入れると自然と懐かしく感じ落ち着いた。
そして、俺の目はなんか特殊的能力を持っていると聞かされた。
そういうのは興味がなかったので、聞いても右から左へ流して聞くふりをしていてなんも耳には入ってこなかった。
そして重要なのは俺は指定された物しか口に合わないって事だった。
特殊異能者はそれ同等の力に耐えるために体に負荷がかかるために
体の一部に負荷がかかるということなのだが、
俺はそれが、まだ来ておらず、
それに備えて栄養剤を付与された。
と言うか……、特殊異能者の人たちは人であって人でなく、一般的な食べ物は口に合わず、食べても吐く傾向にあるとのこと。
特殊異能者が口に出来るものは限られている…との事だった。
そのための栄養錠剤だった。
そして、最後……
『君には退院後、戦闘部隊チーム【V】に専属して欲しい。私はこの団員ではないのだが、隊長殿が訳ありを集めていてな……、どうだろうか?』
親とはまともに話せていない、学校も上手くいっていない。
そんな俺にもってこいの話しであったが……
退院後、俺は苦労の連続に見舞われた。
高校は無事、志望校をトップで行く事が出来た。
勿論、これは俺自身の実力。
しかし、シホウ以外のミハルと玲央と
同じ学校になってしまったのは言うまででもない
『春の暖かさを感じさせるこの日――――――――――――――――――…………』
そして、俺は入学式、トップとして壇上にて挨拶をした。
それを機に俺はモテ期に入る……。高校は俺にとっては中学の時よりもマシな天国だった。