解放
俺の居場所を取った彼は特殊異能者と呼ばれる者だった。彼らは複数の異能力を持つことが許される特別な存在。
そして特殊異能力者は希少な存在でもあった。
そんな彼に俺が勝てるわけなかった。
彼の異能力はどれも強烈だった。
ひとつは【精神支配能力】
身体の自由を奪い感情・身体のコントロール全てが支配されるもの
ふたつは【空気爆発能力】空気摩擦を起こして爆発を起こすちから。彼の手下の浮遊は彼が少量あげた能力の魔力だった。
そして彼に俺は支配されている。
彼の持つ力でコントロールされてはいるが、逆らえば彼の爆発の力で即死だ。
それは目の前で見た。逆らった手下をその手で殺したのを見てしまったから。
だから、俺は抗う事は出来ず、
何時も彼の隣でコレクションとして居座り続けれていた。
彼が横に来いと言えば横につく。
殴らせろと言われれば殴られに行く
全てがやつの思うがままだった。
そんなある日の事だった。
彼は学校に行くようにと命じた。
しかし、俺は学校を破壊しに行くようなもの【時限爆弾】を覚醒させられた。
俺はその日、目覚めてしまった。
無理矢理ではあるが、目覚めさせられたのだ
『お前も俺と同じ特殊異能者だったか。やっぱりな。しかし……お前は俺には逆らえないから溜まりに溜まった力を最初に放出することは出来ない。では……どうするか?学校でやるのさ。わかったな?』
能力が目覚めようとも俺は逆らうことは出来なかった。
学校に行くなり玲央たちがかけよる。
しかし、俺には玲央たちと話すことを許されずに、
そのまま力を放出してしまった。
そのちからは強力で彼の言った通りに学校は崩壊
はしなかった。
いち早く気づいたミハルたちがバリアを張り、崩壊はある程度は免れた。
破壊し尽くす破壊人形。今の俺はそのものだった。
『やめろ!ルト!』
声は聞こえても止まることを許されない。体が止まると死ぬ。
それが分かる。動かなければ爆発の音のアラームがなり、動くと止まる。
そして、俺は気を失いかけるほどに異能力を使い果てる。
しかし、俺は皮肉にも倒れて自我が無くても異能力に必要な魔力はそこを尽きず
それについてはバケモノ並みだった。
暫くして俺に命令をした彼がやってきた。
『これはこれは私の連れがすみませんね。では、失礼しますね』
如何にも白々しい。
『お前だれだよ!ルトとどういう……』
『ルトは私のパートナーだ。それでは。』
俺は
もう、後戻りできない。そう悟った。