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殲滅の支配者  作者: 闇カボチャ
第3章
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許されない思い

『こっ殺さないでくれ!かっ金ならいくらでも…………いっいくらだ?500か?1000か?もっとか?』



人は哀れだ。金持ちは金に目がくらみ汚いことを平気で行う。そして、金で命を買う。

私……シャドがそれを知ったのはこよい7歳くらいの頃だった。


私の異能は相手を縛る呪いといっても同様のものだった。忌み嫌われ私を引き取ったのが防衛省幹部達だった。

防衛省も変わりなく大人は汚い。私がそこで学んだこと……それは世の中には汚いことを必要とすることもあるということ。


『人殺し』だと言われたとしても必要なことだと言い聞かせる。これをすることで自我が保てた。



しかし、月雛つきひなルトは私よりも孤独……そして、危険な力を秘めていた。

防衛省にあった彼の報告書によれば、時に誘拐に逢い記憶操作をされ、またある時は過って人を殺してしまったことを嘆き暴走をしてしまった。


そして、念能力者。念能力者は感情に対して力が上がるという特別な異能者。

その珍しい念能力者はどこも欲しがっていた。それは防衛省も同じだった。この子を戦闘部隊に置いておくことを惜しがっていた。


だから、我がものにしようと【絶望】そして、戦う事の【快感】を覚えさせる。それが、私がこの学校にやって来た理由だ。勿論、危険能力クラスは飾りみたいなもの。周りを味方につけることによって彼をものにできる。

これは防衛省が下した命令。

私も逆らうことなんてできない。



神木ヒヨリ『ルト様、お体は大丈夫ですか?最近、お疲れのご様子ですが。』


神木ヒヨリは月雛つきひなルトの理解者だ。

戦闘部隊Qクイーン所属でありながら、ルトを理解できる者。しかし、それは上辺だけのもの。好きであってもその好意を伝えることは許されない。それが、現状だった。



だからこそ……


シャド『任務だ。』


ヒヨリ『ルト様!』


ルト『君はこちら側に来ちゃダメだよ。』


深入りもできず、ただ見るだけで終わった。

何も出来ないで。








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