高神-玲央
突然、聞き覚えのある声がした。
確かこの声は……
ルト『……玲央?』
玲央『おぅ,久しぶりだなっ!何年ぶりだぁ〜』
彼は高神-玲央
短髪茶髪で耳にピアスをしている少しチャラい俺の幼馴染の1人だ。
彼は昔から、こういう性格な故に見かけはチャラい人って感じで取られやすいが意外と面倒見が良かったり、気を使ったり、色んな人の相談に乗ったり、心優しい奴だ。
だから、俺が独り身になった時も此奴が居たお陰で俺は生きている。そう、言っても可笑しくない程のお人好しだけど、優しい奴だ。
そんな、奴が何故、ここにいるのか……?
確か……此奴は4・5年程前に、海外へと飛び立ったはずなのだが……
此処に居ると言う事は帰って来たと言う事か……。
って事は……、、、
ルト『お前が居るって事は彼奴等も帰ってきたのか……?』
玲央『まぁな……』
彼奴等とは……
誰の事か……。
それは、俺が余り好いてはない煩い玲央ファンクラブな奴の2人の(玲央の)友達の事だ。
断じて俺は彼奴らを幼馴染なんて認めない。
玲央『まぁ、そう……言うなよ?彼奴等だってお前も同様、幼馴染なんだからさ!仲良くしようぜ?なっ?』
ルト『……どうせ、あいつらの事だし……校門前に居るんだろ?』
玲央『まぁな!』
ルト『………………先、帰ってっ』
玲央『まぁ、そう、言わずにさっ』
そう、言うと玲央は強引に俺の手を引いた。
微笑みながら、俺が逃げないように力強く俺の腕をしっかり掴む。
流石、数年会ってないだけでも、こんなにも力の差があるのか、と改めて自分の弱さを実感してしまう。
ルト『離せよ…』
玲央『お前……昔から変わんねぇな……。ミハルもシホウもいい奴等じゃねぇかよ。何が気に食わねぇんだ?』
ルト『……別に』
玲央『ならっ!』
何が気に食わないのかっ?
そんな事、決まってるだろ……。
力の差、身分の差をシミジミと実感してしまうからだよ。
彼奴は、お偉いさんの娘。
そして、、、
玲央……お前もな。
それに加えて俺は無能力者だ。
彼奴に会えば会うほど、
自分の醜さを嫌って程に実感してしまうんだ。
それに……彼奴らはお前の事を好いている。
俺の事なんてお構い無し。
俺なんて、お前の……玲央……のオマケだ。
だからこそ……
彼奴らとは絡みたくないんだよ。