学校
ルイードに頼む程でもなく、月雛ルトは呆気なく見つかった。セシリアの傘下になった後、ルトはいままでサボっていた学校を何故か行きだした。もちろん、セシリアが『行け』と言ったからなのではあるが。
久しぶりに行った学校はイジメも無くなっており、ルトが学校に帰ってきて早々に『前はごめんね!』などと誤ってくる奴らもいたが、記憶を消されているルトから言うと意味がわからず、混乱してる。
そして、玲央やミハルなどの友達の記憶も残されておらず、『誰?』と言うと、逆に『まだ怒ってる』と受け取られ、何故かある意味上手くいっていた。
ルトは以前、親に無能力者だからと毒の効かない身体にされていたが、それはもはや特殊異能者になってからは消えており、ルト宛に置いてあった毒入りの食べ物も保険医の『浄化』の力がなければ死んでいたことだろう。
学校帰りルトはルイードに捕まって戦闘部隊Vへ戻ってきた。もちろん、記憶なんて無い。ただ、言われたからついてきただけ。ただの興味でついてきた。それだけだった。
ロマ『ルト!心配したんだぞ!大丈夫だったか?』
『どちら様ですか?何処かで会いました?すみません記憶が無いので。』
頭をぶつけたか、あるいはとルトはティノに見てもらうことになったが、ティノは記憶を消されたなんて見てもわからず、
目もカラダ傷も変化はない。
何もわからずじまいだった。
ルト『あの……家族が心配するので家に帰っていいですか?』
ロマ『あっすまない。』
ルト『では……』
とその時、ファラがかえりの握手でもと異能のオーラを薄く纏った手で握手した。
そして、握手し終わると、ルトを送り、帰ってきた。
ファラ『うん。記憶を完全に消されてるね!修復不可能だな!あれは。』
ロマ『なんとかなおせないのか?』
ファラ『気持ちを動かすことはあっても戻す事は難しいね。記憶を消され新しく作られてる。自分の行いは悪いと思わせてこちらに戻ってこさせる他ないよ。打つ手なし~』
ロマ『ルトの能力をあちらに取られたってとこか。うーん。ヤバイなこれは。』
ファラ『まぁ……相手も相手だよね。いつも取られてばかりだな。ノアもだけど。あの戦闘バカも敵になっちゃったし。どうしたものか。』
ロマ『近々、叩きに行く。メンバーは既に決めてある。シキとヘルズと俺だ。』
ファラ『怖っ!ガチだ……。俺だったら当たりたくないな。ヘルズって死神って言われて泣いて山奥に住んでるらしいけど、大丈夫なのか?』
ロマ『大丈夫だ。ヘルズの好物の干し柿で釣ってきたからな。ほらあそこ。』
ヘルズ『……ど……ぅも。ごぶ……ご無沙汰……して……て…ます……。』
ロマ『お前も来るか?』
ファラ『えっ遠慮しとくよ。』
ロマ『そうか。それは残念だな。』