幼き子
朝はみんな早く起きて毎日大変なのだが、
その日のVは実に騒がしく荒れていた。
その理由は言うまでもなく、
もちろん、ルトが行方不明(失踪)してしまったからだ。
ルトの部屋には監視用カメラが付けられており、更にルトの腕にもGPS機能や録音機などが、搭載されたブレスレットも付けていた。
なのに関わらず、全てがダメになっていた。
監視カメラには何も映ってもおらず、GPSは機能不可になるほどまでに壊されていた。
ファラ『あちゃ~、ヤラレたな。』
ロマ『自己的にか?これは』
ファラ『いや、あいつらが絡んでると見てもいいと思うよ?』
ロマ『ルシフェルか?』
ファラ『うん。何処かで念力者の情報を得たんだろうね。』
ロマ『だな。多分……近々あいつから顔を出しに来るだろうしな?』
ファラ『ルイードには連絡しとく?』
ロマ『ルイード……うぅ……。いっ一様……。』
ファラ『はは!了解。』
purururu……(電話)
ファラ『もしもし?ルイード?少しお願いしたい事が--』
ロマ『……』
ファラ『今から10分で来れるって。因みに要求金1だって。』
ロマ『来るだけで1万って……まだ安いか。。はぁ……金の亡者め。』
一方、その頃のルトはと言うと、まだ、幼子のままでいた。
そして、思考も幼くなっているからか、興味深々にアジトの隅々まで洞窟探検のようにウロウロして何かあるかと探っていた。
ノア『これが例の子か。結構可愛いね。弟持った気分だな。』
ソノ『と言っても、何時までこのまま保てるか。取り返しに来るだろうからメリットはそこまで。最低2日は欲しい。出なくては記憶をすり替えることが出来ない。吸いとった歳を戻し手上げたいのは山々ではあるが。』
ノア『まぁね。で、これからどうしようかなって思ってるんだよね。闘い方を教えてあげようかなって思っているんだよね。さっき、異能を使えるのは確認したことだしね。』
ソノ『もし、敵側に戻った時はどうする?脅威となりかねないぞ。 』
ノア『その時はその時。まぁ、ずっとここに入られないだろうけど、ルトと闘ってみたいとは思ってるしさ。絶望もさせたい。そして、またルトをこちらに取り戻すそれだけだよ。』
ソノ『ノア……お前って奴は……。』
ノア『楽しみだな。早く取り戻しに来ないかな。』
ルト『ソノ!ソノ!』
ソノ『?』
ルト『アレアレ!』
ルトはソノの服の袖を引っ張り、指を指す。すると、そこにはルトが殺したハズの人たちがまるで、操られている様にカタカタと動き出した。
ノア『念動力のチカラか。ここまで強いなんて』
ルト『ゾユビ(ゾンビ)〜』
ノア『無邪気な子供ほど可愛いものはないよね。可愛ければ許されるんだしさ。僕も許されちゃったりして?』
ソノ『通り魔が何を言ってる。お前は団の中でも一番の人殺しだろう?』
ノア『まぁね!ソノ!もっと褒めてもいいよ?』
ルト『凄ーい!ボクもゆりたい(やりたい)!』
ノア『やりたいか?チビるなよ?ルト』
ルト『大丈夫!ボク強い!』
ノア『んじゃ、行くか?』
ソノ『ちょっおま!』
ノア『大丈夫、大丈夫。規則違反の奴らを使うだけだから。』
ソノ『はぁ…………』