念力者
初任務から帰ってきてからの翌日、僕の頭は混乱し精神的にも安定せず、部屋に閉じこもるようにしてた。
ファラ『ロマ……ルト君の任務見る限りあの能力は【念力】かな。それも質の大きい。恐らく念動力、透視、圧力的な念力は扱えるかのように見えるね。』
ガッシャーン
ファラ『ほらね……』
ロマ『だが、初日から人を殺めてしまったんだ。混乱してる』
ファラ『念力者。しかも、特殊異能者となれば今は別の部屋に移したほうがいいと思うよ。それに他の異能の情報も知りたいから色々、検査したい事もあるし……』
ロマ『だが、それはかえって逆効果だろう』
ファラ『それはどうだろうね?自覚することも大切だと思うけどなぁ?僕は透視などのものしか出来ないけど念力者はある意味……怪物なんだ。だからこそなんだよ。』
というと、ファラはルトの部屋に向かった。ルトの部屋は固く閉じられていた。ドア1枚越しに聞こえるのはものの破裂音や音波などのぎこちない音ばかりだった。
そんな危ない部屋にノックを叩いた。出てこないと踏んでいたが、案外そうでもなかった。
出てきたのはルトではなく別の奴ではあったが。
ルトの部屋に友達に貰ったと飾ってあった兎のぬいぐるみが、開けてくれた。これは念力とはちがう別の能力と関係しているのだろうが、今はそんな事はどうでもよかった。
今だルトのチカラは止まることを知らず、ものがビュンビュンと飛び交っていた。そしてたまに破裂。
もちろん、ここは戦闘部隊であるので、人を殺すということは当たり前ではある。
ルトと同い年の子や幼い子でも殺しの依頼で動くこともある。
しかし、基本的には若いヤツらには殺し案件は振らない。
だが、はじめて異能で殺し、
それも無意識的にだ。
ここは優しく、丁重に……。
と、思っていたのだが、、
ファラ『ねぇ!ルト君。悪いけど、今の君、危ないし怖いから別の部屋に移すね!って事で来て?』
それは余りにもストレート過ぎて、
それを聴いた近くにいた者達は皆、ファラをコテンパンにしてご退場を願い連行した。
でも、結局……ルトは別の部屋に移動することになった。
ルトが傷つかないようにモノは最低限なもの以上は置かず、被害が及ばなぬように管理された異能を使っても壊れない特殊な部屋に閉じごめるように入れられた。
ルトを見にたくさんの人がやって来たが、その殆どがお偉いさんばかりだった。
『危ないやつは生かすな』『うちに欲しい』『バケモノだな』『あの兵器をくれ……金なら……』
全てが欲に塗れたものばかりだった。
シキ『……』
ティノ『シキ、お前のせいではない。彼は大丈夫だ。心配は無用だ。』
シキ『コクリ))……』