師弟
ロマ『こいつは【シキ】だ。今日からお前の師匠(面倒係)。扱いづらい奴だが、仲良くしてやってくれルト。』
彼はロマさんに紹介されると軽く俺と目を合わせると直ぐに目線を逸らした。
彼はまるで鴉のような身なりだった。
黒いマスクに黒いロングコート、ダークブールーの目に黒のズボンとハイカットシューズ。
でも、どことなくかっこよかった。
シキさんが、俺の師になった理由は俺の力の属性が第8軍だったからだ。
力は1から8までの種類に分けられるが、第8軍は属性は自然の空気や色んなモノを使ったり生み出し物理や魔攻の全特化している変わった属性。力が大きいぶん、防御率は中の下と低いのが、欠点。
そん俺とシキさんは同じ属性ということで組まれた。
シキさんは、無駄なことは話さないが、以外としっかりした人だった。自分の能力で武器を錬成するやり方を教えてくれたりした。
武器の錬成はどの属性でも最初はできておかないといけない事だそうで、自分の能力がだとかはあまり関係ないそうだった。
それで、俺が錬成したのは傘……と見せかけての仕込み刀だった。
とても使いにくそうだったが、羨ましいのかシキさんは珍しく目を輝かせて、仕込み刀から目を離さなかった。
自分の武器が錬成出来たところで、次の段階として武器に自分の能力の魔力をのせる技術を教えてもらったが、覚えが悪いのか中々上手くゆかず、結局実践で覚えることとなり、
おれはシキさんと一戦を交えた。
シキさんはそこらにあった安物の刀を使って勝負を挑んだ。
それに加えてシキさんは能力を使わない。
これは勝てる……
そう思った自分が恥ずかしかった。
開始から数十分経っても俺はシキさんから1本も取ることができず、惨敗してしまった。
シキさんの刀の技術は本物で俺はシキさんから見たら子供が河原でチャンバラでもして遊んでいるかのようにみえるだろう。
それほどまでも俺の技術は低級で酷かった。
しかし、そんな俺もシキさんのお陰で地道ではあるが、少しは上達はしていっていた。
最近はシキさんにカスリ傷を入れるほどにはなったが、シキさんにツッコミなのかチョップで『調子に乗るな』とでも言いたげに叩かれる。
《ミニ話(ロマ通訳さん)》
ロマ『シキ、ルトの様子はどうだ?特殊異能者所持者だ。慎重に見ていないと……』
シキ『……ゴニョゴニョ……』
ロマ『そうか。剣術はマジメに受けだしたか……それは良かった』
シキ『ゴニョゴニョ……』
ロマ『次話に続く?あっそうだな!』
もはや……ロマさんはシキさんの通訳者。