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『ハズレ』と言われた生産職でも戦いたい!!  作者: ナリア
彼らは『世界』に名を残す。
90/127

『大発生(スタンピード)』と早い邂逅

十月始めの投稿です。


季節の変わり目はお体にお気をつけ下さい。


それでは、どうぞ


大発生スタンピード』の一団が『モニア』の街に現れ、常駐していた衛兵たちはそんな自分たちを呪いつつも迫り来る魔物達を相手取っていた。


いきなり現れた魔物達に衛兵らは戸惑っていたのだが、何故か魔物達も戸惑っており、多数の魔物相手でもどうにか持ち堪えることができていた。



「『冒険者組合ギルド』だ!加勢する!」


「行くぞ!」


「「「うぉぉおおおおお!」」」


そして時間を稼ぐ事が出来たことにより、『冒険者』たちの増援が間に合った。



さらに──



「ひゃっはァァあああ!」


「殺戮じゃぁああ!」


「ふむ、この毒はなかなかだな」


「やべっ、新作爆発しやがった。いっそのこと投げつけるか」


その頃には魔物達も現状を理解していたため拮抗することになるのだが、続いて現れた【変態】──もとい、『錬成師組合ギルド』によって形勢は人間へと大きく傾いた。


「みんな頑張っているようですな。私も行きますかな!」


オームズも他のものに引き続き、槍を持って敵を貫いていく。


それがダメ押しになって魔物達は次々と殲滅されて行った。


「……攻撃の範囲を抑えないと、『魔石』が消し飛ぶ……」


イリスも縮小した【魔砲】によって次々に討伐して行った。




──しかし、それも長くは続かなかった。




「あー、思ったよりも減らされてんな。このままだと殲滅されかねないか。──少し早いが使うか」


「グ、ギャアアアア!!」


「ガァァアアア!!」


どこからとも無く声が聞こえると同時、魔物達が苦しみ始める。



──そしてその身体から、紫色のモヤが溢れ出した。


「「グギャアアア!」」


「ギュォォォオオオオオ!」


「ッ!こいつら急に強くなりやがった!?」


「ダメージを気にしないで向かってくるぞ!」


「まさか、『狂戦士化バーサーク』か!?」


「こんなに『狂戦士化バーサーク』持ちがいるわけねぇだろ!」


「首だ!首を狙え!」


死を恐れずに立ち向かって来る魔物達。

一体一体がさほどの強さでなかったとしてもこれ程の量が向かってくればかなりの脅威となる。


そして更に、『冒険者』達を絶望へと落とし入れる存在が現れる。


「おい、アレ……」


「うそ、だろ」


「何で、あんなのがここに……」


「……さすがの俺も、これはちとキツいな」


他の『冒険者』に続いて、その『組合長ギルドマスター』までもが弱音にも似た言葉を漏らす。


「アレの素材は是非とも欲しいところだが……」


「あそこまでは毒も届かないな」


「さすがに私どもがいくら変態であろうとも、アレはムリですな」


あの【変態】達も恐れるほどの存在。



「グォォォオオオオオオオ!!」



「神話にも登場する、最悪の『龍』──【瘴邪死龍】、『イヴィラーデスドラゴン』」


その神話の龍が、口元に紫の光を湛え始め──


「ッ!ガァァアアア!!」


誰もが死を感じだとき、その横から【光線】が飛来し邪龍の光を相殺した。


「全力の【光線レーザー】で、相殺……こいつ、強い。【鑑定眼】」


イリスの『魔眼』が『邪龍』を射貫く。



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暴君 LV250 Age 5050

種族:瘴邪死龍イヴィラーデスドラゴン〔魔物〕

称号:【神話の存在】 【理不尽】 【神話最悪の邪龍】

体力 900000/900000

魔力量 800000/800000

魔力 400000

筋力 450000

敏捷 400000

耐性 500000

魔耐性 450000


固有技能ユニークスキル〉:瘴闇属性魔法 瘴気操作 【瘴纏 瘴気生成】 瘴気耐性 眷属 邪眼【毒 石化 麻痺 恐慌 静止 】


技能スキル〉: 爪術Lv10 魔力操作Lv8


------------------------------------------------------------



「ん、強い。明らかに格上……だけど、『精霊の森』でレベルアップした、今なら」


邪龍と目が合う。


「わたしだって、レイに頼ってばかりじゃいられない……!」


「グルォォオオオオ!!」


【魔王】と【神話最悪の邪龍】との戦いが、始まった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「──こんな時にどこに行くのかな?」


レイの言葉に、黒いローブを着た人影は足を止めて振り返る。


「……追いつかれちゃったか」


「どうして逃げてたの?」


「ん? どうしてってそりゃあ──ああ、気がついて追ってきた訳じゃないのね」


首を傾げ、自分の中で結論が付いたのかそう呟く。


「いかにも怪しげな風貌だったからね。貌は見えて無いけど」


「ああ、そゆこと……逃げた理由としては、まだ遭うのは早いだろうから、ってああ、言ってもわからないか。ああ、それとその・・』で見るのはオススメしないかな。今のキミの身体じゃあ耐え切れないでしょ」


「……気づいてた、か」


『無眼』で『ステータス』などを見ようとしていたレイだが、その指摘に応じ眼を閉じる。


「──で、動揺した所を狙おうとしたのかな?」


次の瞬間、目の前の地面が円錐状に隆起しレイを貫かんと迫るが直前でピタリと止まる。


「あれ、魔力は使って無いからバレてないと思ったんだけどな」


「ほら、『魔素』が動いたでしょ?」


「『魔素』? ……ああ、この世界ではそういうのか」


「で、『魔素』に直接干渉してたってことは『精霊』なの?」


「『精霊』、ねぇ?この世界における『精霊』って言うのは……キミみたいな存在なのかな?」


黒ローブがそう言った瞬間、今度は黒ローブの目の前の地面が円錐状に隆起するが、それも目の前でピタリと止まる。


「さあ?僕自身完全に『精霊』ってわけじゃ無いしね。で、なにもの?」


「うーん、そうだねぇ……ある意味でキミに近い存在、かな」


「……何だって?」


その返答に、思わずチカラが入る。


「ああ、気にしないで。実際は正反対と言っても良いくらいに程遠いモノでもあるから」


「どっちなんだか……まあ、予想はついたけど」


「へぇ、ま、今のうちは胸にでも秘めておいてよ。んじゃ、そろそろ行くよ」


そう言い立ち去ろうとした黒ローブの周りを囲うように、虚空から剣が現れてその場に留まる。


「──行かせるとでも?正直に言えば、アナタの正体に見当がついた今、余計に疑わざるを得なくなった」


言いながら自分の手元にも剣を持つ。

そんな状況で振り向かずに苦笑しながら口を開く。


「今回の件に関しては僕は何もして無いよ。これは本当だ。それに、キミは僕を逃がす。そうしないと行けない理由があるからね」


その時、頭上から焼けるような熱を感じた。

それに視線を向ければ、直径五メートル程もある【炎球】が迫っていた。


「──【銀閃】!」


それを剣で、真っ二つに切り裂いた。


二つに分かたれた【炎球】はレイを挟んで地にぶつかり熱をばらまいた。


「これは……『瘴気』?ってことはまさか……アナタの言う通り、行かないといけないみたいだね」


黒ローブへと視線を向け──


「熱!アッツ!燃える燃える!」


──その黒ローブ本人は火に包まれてジタバタともがいていた。


「…………」


「ちょっ、ローブ燃えたらどうすんだ!って、熱!マジあっつ!」


レイは「シリアスを返せ」とでも言わんばかりに視線を送るが、当の本人は火に慌てていて気が付く様子は無い。


「…………はぁ、【堕落ス激流ダウンフォーリング】」


「あばばばばばば!ごぼっ、ちょっ、溺れる!」


ため息混じりに出現させた【魔法陣】から大量の水が濁流の如く溢れ出し黒ローブを消火……というか沈めた。


「ふぃー、助かったよ。それに陸上で溺れかけるなんて面白い体験もできたしね」


「面白い、かな?」


次の瞬間にはケロッとして立ち上がっていた。


「昔から【炎】にはいい思いがなくてね……家庭菜園場を燃やされたりとか……」


「そっちの事情は置いておいて、僕はもう行くよ」


「──ああ、了解したよ。助けてもらったし、貸し一つだね」


「そこまで気にすることは無いけど……まあ、それでいいや。じゃあね」


レイはそう残すと背に【白銀刃翼】を出現させるとその場に土煙を残して飛び立った。


「いーなー、やっぱり翼があると違うね。……さて、私も行きますかな」



黒ローブの人物は、レイが飛んで行ったのと逆方向に進み始めた。

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【『ハズレ』と言われた生産職は我が道を行く】
並行して書いているものです!(完結しました!)
イロアイの魔王〜魔王認定された男子高校生はアイの罪歌で世界を染める〜
新作始めました!
こちらの方もよろしくお願いします。
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