こうして事態は幕を引き、次へと歩みを進めゆく。
今週はコチラからの投稿です。
最近、アクセス数が伸びませんねぇ。
投稿ペースを上げたいのは山々なのですが、それで他のことがおろそかになるのはいけませんし……
どうしたものか……
とりあえず、次の話(恐らく勇者said)でこの章は終わりですね。
それでは、どうぞ!
「それでは、戴冠式を始めます」
そのウルの言葉に、会場が沸く。
「『【水属性王位精霊】、『ウェルシュ』の名の元に、この者を【無属性】を司る【無属性王位精霊】、並びに、我らが『精霊』の頂点として受け入れることをここに宣言します』」
それぞれの【属性魔素】によって創られた色とりどりの王冠が、レイの頭に載せられる。
──『称号』、【原始の無属性精霊】を取得しました。
──『称号』、【無属性王位精霊】を取得しました。
──『称号』、【精霊帝】を取得しました。
「我らが新たなる【王】よ。今ここに、そのチカラをここに示してください」
「りょーかい」
そう言いながらレイが立ち上がり、まだ鉄の樹や消失した大地の残る広場に手を向けると、そのにいた『精霊』たちが、その広場から退き、レイより後ろ側に移動する。
「『我、【無属性王位精霊】の名の元に、我が行使すべきチカラを、今ここに』──」
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「ここが、樹の内部」
巨大な樹の内部に、他の『王位精霊』と共に入ったレイは、はるか上にある天井を見上げながら呟く。
「この樹のこと、どこまで知ってる?」
「私達『王位精霊』のみが入ることのできる、情報にアクセスできる樹で【世界樹】と呼んでいます」
「【世界樹】、ね。あながち間違ってはいないどころか、いい線いってるよ」
「と言うには、レイさんはこの【樹】について、ご存知で?」
「うん」
レイの言葉に疑問を覚え、そう問いかければ、そんな短い答えが返って来る。
「【世界樹】、すなわち【世界の樹】。そこから転じて【世界の記】。──つまり【世界の記録】へアクセスするための端末」
そう言いながら中央にある石碑に触れると、石碑が青く輝く。
──【王位精霊】の系譜の接触を確認。アクセス権限を付与します。
──エラーが発生しました。対象が確認できませんでした。
──バグを防ぐため、排除を開始しま──
「──『知識』00/11より、情報の開示を要求」
──確認しました。承認します。
──以後、この端末におけるアクセス権限を譲渡します。仮称を設定してください。
「──じゃあ、『ダアト』で」
──了承。
その返答を最後に一瞬強く輝くと、何事も無かったかのように元の石碑に戻る。
「やはり【樹】であるが故に、『植物』などの『自然』による『情報』に偏るか……」
「レイさん。いまの、は……?」
ウルの言葉にレイは──
「何でも無いよ。ただ、この【樹】との繋がりを作っただけ」
そうとだけ言い、笑みを浮かべた。
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「さて、パーティーを始めるよー!」
『『『わあああ!!』』』
レイがそう宣言すると、周りにいる『精霊』たちが、一斉に歓声を上げる。
「今回のメニューは、大和煮にお刺身、お茶漬け、さらにどんぶり!などなど、マグロづくしです!」
その言葉の通り、『錬成』によって急遽作られたテーブルの上にはこれでもかとマグロをふんだんに使った料理が並べられている。
その料理へと、沢山の人型の『精霊』たちが突撃して行く。
──その中には、レイも含まれているのだが……
「んー、おいしー!ひさしぶりだなぁ……味は……」
「?これ、前にも食べたこと、あるの?」
「うん?そうだったかな」
そう言いながら、噛み締めるように味わいながら食べるレイを見て、周りの存在が笑顔になる。
──以前までの時のように
(──以前って、なんだっけ?)
そんなことを考えながらも、「まあいっか」という結論に至ったレイはそのまま箸を進める。
「よく食べますね……一週間ほどこもって作業していたみたいですが……しっかり食べていましたか?」
「んー、どうだったかな?」
「……貴方の身体がいくら私たち寄りであるとはいえ、食べないのは身体に悪いですよ」
──そう、今のレイの身体はどちらかと言うと『精霊』よりだ。
それが判明したのはつい先程の事だ。
もともと【無属性王位精霊】になった時点で『精霊』の要素を持っていることはわかっていたのだが、その肉体がどれくらい『精霊』によるところが大きいのかを調べたのだ。
すると、レイの身体は現在『人間』によるところよりも『精霊』によるところが大きいと言うことが判明したのだ。
これにはさすがのレイも驚くかに思われたが、本人の反応は「あ、そう?」という非常に淡白なものであった。
「うーん、とりあえずこのくらいでいいかな?」
「このくらい、とか言うけど、かなり食べてる……」
「うーん、思ったより限度が分かりずらかったからね」
そう言いながらお腹をさするレイだが、そのお腹はどうみても食べた量と比例してい無いどころか、元より全く変化が無い。
「……もうイリスは食べないのかな?」
「ん、お腹、いっぱい」
「そっか、それじゃあウル。当初の予定通りに」
「……ということは、もう行かれてしまうのですね」
「うん、まあ、ここのみんなにはだいぶ好かれてしまったからね。こういう場でじゃないとお別れもできないかと思ってさ。……みんなー、ちゅーもーく!」
その言葉に、皆が食事の手を止めてレイへと視線を向ける。
「これから僕達は旅に出ます。それで、ここからしばらくの間離れることになります」
『えー』や『なんでー』という声が上がる中、一つ手を叩いてから再度話し始める。
「その変わり、みんなに新しい友達を紹介します!」
「……友達、ですか?」
レイの言葉に『精霊』たちが期待した視線を向けるが、ウルは逆に何のことなのかわからず、混乱するばかりである。
「じゃあ、いくよー。『我、【無属性王位精霊】、ならびに【精霊帝】の名の元に。我が創造しえるモノを今ここに、生み出さん』」
瞬間、透明な光が複数集まり、ソレを形どっていく。
「まさか、これは……」
「『──誕生なさい。我が系譜の子らよ』」
それは【禁忌】でありながら、神が起こし得る『奇跡』のようなもの。
「──【精霊創造】」
そこに人型の『精霊』が生み出された。
──新たなる『生命』が生み出された。
「この子は知らないことだらけだから、みんなが教えてあげてね」
レイがそう言うと、『精霊』たちは手を取って、集団の中に連れていく。
「いまの、【生命創造】?そんなもの、『光神』たちにだって、できない」
「アン、そうなのか?あたしには難しいことはわかんないけど、それってリムよりも凄いってことか?」
その言葉にウルやウィン、アンが頷く。
「さて、そろそろ行くね。このままだとやっと『精霊』たちの意識が逸れたのに、また注目されちゃうからね」
そう言って背を向けると、歩き出す。
「レイさん、イリスさん!あなた方のお陰で、私たちは──『精霊の森』は助かりました。この度はありがとうございました!」
ウルが『精霊』を代表して、感謝を述べる。
「気にしないで。もともと僕の目的のためでもあったんだから。それに、今は僕の『精霊の森』でもあるんだからね。そう遠くないうちにまた戻ってくるよ」
「ん、お世話になった」
「いえ、それはこちらの台詞ですよ」
「それじゃ、ウル。僕がいない間は頼んだよ」
「任せてください」
その言葉を最後に、レイはこの『精霊の森』を去っていった。
──『称号』【精霊の母】を取得しました。
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「レイ、次はどこに向かうの?」
「ん?そうだね。『勇者』にも会わないといけないし……うーん」
イリスの質問に少し考えてからレイは──
「──そろそろ、『人里』にでも行ってみようか」
──そう言った。
しかし彼は、【精霊帝】となった事による周囲への影響については、まだ知る由もなかったのである。




