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会議

間に合ったかな?


ブクマ数が600を超えました!

読者の皆様に感謝です!


まだまだ拙い私の作品ですが、今後ともよろしくお願いします!


それではどうぞ!




「──では【全王位精霊会議】を始めます。議長は【水属性王位精霊】、『王位精霊』代表、ウェルシュに務めさせて頂きます」


「記録はワタシ、グゥアンドラ」


「湯気除け役、ウィドフィーネだよ」


「えー、と。室内……じゃないな。温度担当、イグニアンネ。あ!あたしのことはニアってくれよな」


「会場提供はウェルシュさんにして頂きました」


「第二記録のイリス、です」


「えっと、あの……」


「では、ここからの進行は議長であるウェルシュに委譲させて頂きます。どうぞ」


「え、えぇぇ……で、では、ここに『王位精霊』が集ったきっかけ作りをして下さったお二方に感謝を」


そう言い礼をするウェルシュだが、今まで感じていた疑問を口にする。


「……あの、どうして『温泉』で会議を行うのですか?」



──そう、彼らはいま、揃って温泉に浸かっていた。



「いやぁ、久しぶりに温泉入りたいですし、ちょうど集まれる『王位精霊』が全員集まっているのですからいいじゃないですか。それに、格式ばらなくちゃいけないわけでは無いでしょう?」



「ええ、ありませんね。正直議長と記録が居れば成り立ちます。というか元々のニアの室内温度担当なんてもうネタの領域ですし……」


「オイ、ウル!その言い方だとあたしがネタってことじゃねぇかよ!」


「いえ、間違いでは無いでしょう?」


「……【火属性】なのにも関わらず、温泉に浸かっているネタキャラが何を言ってる?」


「いや、温泉には【火属性】の『魔素』が多く含まれてるから極楽なんだぞ?」


「いや、会議をすっぽかす理由にはならないでしょう」


「うぐぅ」


イグニアンネ──ニアの指摘にウルが肯定し、続くイリスの言葉に反論するが、レイの言葉に撃沈する。



「まあ、馬鹿の娘ニアはほっといて話を進めようか。回りくどいのは無しにしよう。君たちは僕に、何が聞きたい?」


レイの言葉に、場の空気が引き締まる。


──傍から見ると温泉に浸かっているというのに空気が引き締まっているのはシュールである。


「では、私から。いくつか聞きたいことはありますが……まず始めに、リムちゃんはどこで、どうなっていますか」


「ああ、あの残念女神様は生きているよ。『紫水晶』の中でだけどね。場所は『試練の迷宮』の最下層」


生存の部分では『王位精霊』達に笑みが見えたが、それ以外のところでは難しい顔をしていた。


「そう、ですか。『紫水晶』ということはやはり『邪神』に……彼女にあった時、何か言っていませんでしたか?」


「何か、か。一つ頼み事をされたね。『恐らく魔大陸にある『試練の迷宮』、その最下層にいるであろう『闇神』を救え』だったな?どうやら自己の【属性】を利用されて捕えられているらしく、相反する【光属性】の『加護』を使えば助けられるらしいよ」


リムに聞かされた情報を簡潔に、されど正確に伝えていく。






それからもいくつかの質問に答えていき、最後の質問となる。


「最後にですが……これはあなたを信用していない訳では無いのですが、これだけは聞いておかないといけません──あなたは、何モノですか」


「……それは哲学的な質問?それとも生物学的な質問かな?いや、この場合はどちらも?」


「それはボクも気になるかな。キミの使っているソレとかも、ね」


「ん、ワタシも。【土属性】そのものであるワタシが地中を自由に移動できるのは当たり前だとして、あなたがそれをできていたのはおかしすぎる」


ウルに続いて他の『王位精霊』も疑問を抱いていたことを告白する。


「──あなたを私のチカラで探った時、まず驚いたのが身体の構造です。胃や腸といった消化器官はもちろん、重要器官である心臓、それに付随する血管や血液……果てには脳すらあなたの身体には無かった。なのにも関わらず食べ物を体内に取り込んだ時にはしっかりと吸収されていた」


「ああ、あのフルーツジュースを飲んだ時ね。【水属性】である君からすればああいった『水分』を体内に取り込むのは相手の状態を探るチャンスだったっていうことね」


「それだけではありません。あなたの使っていたチカラについてです。あれは直接『魔素』を扱っていました。それは人間も魔族も扱えず、魔物にしても『精霊』に付随するモノにしか使えないチカラ。その上で、それを【無属性】で使っていた。そして、『微精霊』達の急成長。これら全て、本来ありえない・・・・・ものです。だからこそ、もう一度聞きます。あなたは何モノですか?」


真剣な表情で聞くウルに、どうしたものかと視線を反らせば、その先にはその答えに興味を持った顔のイリスが映る。


「はぁ、聞いても誰も理解できないと思うよ?『神』でさえも、それこそ理でさえも」


「それって、どういう……」


『──さて、何だろうね?僕にさえわからないのだから』


「へ?」


『そう、誰も理解できない。誰にも理解されない。理解することはできない。それが僕という存在しない存在……』


「……なんて言っても理解できないだろうし、納得しないよね。じゃあ、とりあえずこの世界に来てからの事を話そうか」


そう前置きした上で、自分が『異世界』から【召喚】された『異世界人』であったことに始まり、『試練の迷宮』であった出来事を簡単に話した。



「そんな、事が……」


「ボクの記憶違いじゃあ無ければ『迷宮』の魔物って『瘴気』の量が多すぎて食べたら死ぬよね?なんで生きてるの?」


「『錬成師』か。なら、自分そのものを『錬成』し変化させた?本来、ありえないけど、そうとしか考えられない。すごい。前代未聞」


『王位精霊』達に驚愕や新たな疑問、称賛などを抱かせ──


「うぉぉおおお!タイヘンだったんだな、オマエ!」


「……近い。『寄るな』」


「うわっ!あれ?これ以上近寄れない?」


「まさか、言葉に『魔』を乗せることで相手を御す……【魔言】ですか?」


「へぇ、【魔言】って言うのか」


──感動しすぎて暴走した【火属性】の『王位精霊』をレイが抑え、その際に使ったモノが【魔言】と呼ばれ、『言葉に『魔』を乗せることで相手を御す』という、主に【上位存在】が言うことを聞かせる時に使う技術だったりということもあった。



「まあ、僕はこうしてここに居られているしイリスにも会えた上に、色々な事をるきっかけになったし悪くなかったと思うけれどね」


「いや、普段お気楽なボクでも今の話はちょっと……」


「ウィンの言うように、それほどの事なのですが……自覚なしですか」


レイの言葉にウィンとウルがそう呟くが、届かなかったのかそのまま話し続ける。


「さて、そっちの質問は終わったかな?ならこちらの質問に答えてもらうね。とりあえず僕の質問だけど、『邪神』について知っている事を話して欲しいんだ」


「?『邪神』、ですか?しかし、あの者については私たちが対応しますし、あなたには関係無いではありませんか」


「あれ?君たち知らないの?今回の【勇者召喚】を行なったのはリムじゃなくてその『邪神』だよ」


それを聞いた『王位精霊』達の顔に驚愕、続いて焦燥感が滲み出る。


「──ウィン!王国に居る契約済みの『高位精霊』に……」


「──もうやってる!くっ、ダメぽい。連絡がつかない、確認不可だよっ!」


「ワタシも未契約の子たちに試したけど、不可」


「くっ、『高位精霊』がダメとなると……遅かったですね。リムちゃんの強力な『加護』持ちが居たからその可能性は考えていなかったのが私の落ち度。総員、情報アクセスに取り掛かりなさい!……レイさん。すみませんが今日の会議はここまでです」


他の『王位精霊』が慌てて移動していく中、ウルが申し訳なさげにそう言う。


「……どうやら緊急事態のようだね。了解したよ。それよりも、俺にできることはある?」


「お心遣い感謝します。ですが、これは私たち『王位精霊』にしかできないことですので。有益な情報をありがとうございました。次の会議はいつになるかわかりませんが、それまで自由にしていてくださって構いませんので。それでは」



そう言いひとつ礼をして移動していくウルを見送る。



「……一気に暇になっちゃったね。とりあえず観光でもしていこっか」


「ん、もう温泉って観光だと思うけど……」


「まあまあ、いいじゃないの。気にしない、気にしない」



こうして、唐突に『会議』が終わり、『観光』が始まるのであった。

次回、『観光』かな?

既に温泉とか楽しんでますがね。

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