邂逅し事実を知り、ようやく外へと歩き出す。
急いで書いたので誤字脱字があるかもしれません。
見つけてしまったら感想欄にてご報告頂けると助かります。
今回でこの章は最後になります。
それでは、どうぞ。
あ、あと生命の実を林檎から無花果に変更しました。
──あれだけ強大であったハズの悪魔が、一瞬にして消え去る。
それがどういう事なのかをイリスは理解することはできなかった。
しかし、それが当たり前なのだ。
「──レイ!」
そしてイリスは立ち尽くすレイの元へと駆け寄る。
「だい、じょうぶ?どこか変なところは無い?──レイ?」
「──うん、特にこれといった問題は無いよ。僕はレイ。君はイリス。僕は『理不尽』に抗い君を守れた。合ってるかな?」
「うん、わたしはケガ一つないけど……」
「それなら良かった。──これで僕は、僕と成れた」
そう呟くと、
「それじゃあ、進もうか」
イリスに笑顔を向けてそう言った。
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「まさか、隠し通路に、なってるなんて」
「君も『魔眼』を使用すればわかったハズなんだけとな。【魔法眼】と【鑑定眼】は常に使ってるようにした方がいいんじゃないかな」
「うん、心がけてみる──ん、ついた?」
「うん」
会話もキレが良くなったところで通路を抜けると、その先には──
「…………」
「うわ、なにコレ……」
──金髪の少女が中にいる大きな紫色の水晶があった。
「……きれい」
それはとても幻想的で、イリスがそう零すのもわかるというものだ。
「……さて、面白いものも見れたし行こうか。この部屋を探索して置かないと」
「……え、う、うん、そうだね……いいの?」
「だってあれ【鑑定眼】で見れる?」
「ん、……無理」
「そういうのは大抵めんどくさいやつだから、いいんだよ」
「ん、わかった」
そう言って歩き出し──
『ちょっ、待って待って!最初から何かしろってわけじゃないけど……せめて何かしらの反応があってもいいじゃない!』
──そんな二人に、声がかかった。
「んー、やっぱりお宝とかは無いねぇ」
「ん、外に出る方法も、なさげ……」
『ねぇ、ちょっと、聞こえてる?あれ?本当に聞こえてないのかしら……?ねぇ、そこの女の子。聞こえてるかしら?』
「レイ……何か聞こえる気がする」
「幻聴かな?疲れてるのかもね。ならなおさら早くここを出る方法を探さないとだね」
『ねぇ、ちょっと!やっぱり聞こえてるじゃない!とりあえず私の話だけでも聞いて──』
『うるさいぞー!!』
「にゃぁぁあああああああ!!??」
紫水晶の中の少女はおかしな悲鳴?を上げて耳を塞ぎ、ゴロゴロと転がっている。
「……レイ、何かした?」
「いや、なんか『念話』って言うのかな?そんな感じなので語りかけてきたからさ、それを辿って逆に『うるさいぞー!!』って言ったんだけど……」
「……うん」
「──音量ミスっちゃった」
テヘッ、とするレイ。
「……『念話』での大声って、アレ確か脳内に直接だから耳は大丈夫な、ハズなんだけど」
「あ、ホントだ!何ともない!」
そう言って金髪少女は耳から手を外してガバリと起き上がる。
「……よし、もう少し探索しようか」
「……そう、だね」
「ちょっ、まってぇぇえ!」
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「コホン、えー、私は『光神』リムと──」
「『リルムスフィア』さんですね。知ってますので先にどうぞ」
「ってえええ!?何で私の『真名』を知ってるの!?」
金髪少女──『光神』リムは何故か自分の『真名』を知られていることに驚愕する。
「そこはどうでもいいんで、話を進めてください」
「いや、どうでもよくないよ?!神に置ける『真名』って知られる存在によっては命令できたりとか──」
「『リルムスフィア、話を進めてください』」
「はいぃぃ!私は『光神』リルムスフィアです!ここには五千年ほど前から捕らわれています!!」
レイが無機質な声で言った途端、慌てたように話し始める。
「はい、ご苦労さま。楽にしていいですよ」
「ううぅぅぅ、何で『真名』がわかってぇ……」
「いや、『ステータス』見ればわかるじゃないですか」
「存在が上の者の『ステータス』を見ることってできないはずなんだけれど……」
「ん、わたしも見れなかった……もしかして、『無眼』の能力?」
「うん、そんなところ」
その会話を聞いて項垂れていたリムはガバリ!と体勢おこす。
「くっ、女神ともあろう私が、ただやられるだけで済むものですか!『光神』、すなわち光の神!光を管理する私ならば、その光で他者の『ステータス』を見通すくらい造作もない!」
そう言ってレイの『ステータス』を覗き──
「すいっっませんでしたぁぁぁああ!!」
──土下座した。
「……レイ、何かした?」
「して無いよ……『リルムスフィア、止めて下さい』」
イリスの言葉に心外だという代わりに、リムの土下座を止めさせる。
……強制的にではあるが。
「何よあれ……【光】……つまり絶対的に見通すチカラだって持ってるのに…………『上位存在』だって存在格の大きさくらいはわかるのに……何も見え無いとか……なによそれ……」
その代わりに三角座りでブツブツと言い始めたが……
「……あれ、ほんとに神さま?」
「うん、そうだよ。──『無眼、鑑定結果を簡易開示』」
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リルムスフィア LV Age ?????
種族:神格光精霊〔【属性神:光】〕
称号:【光を司るモノ】【光神】【見通すモノ】【神格所有者】
〈固有技能〉:光ヲ我ガ手二我ハ光ナリ 神託
〈技能〉:
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「ちょっとぉぉぉおおお!?勝手にヒトの『ステータス』を見せないでよ!」
『うるさいぞー!!』
「ぎゃぁぁぁああああ!!」
「……『リルムスフィア、静かにして』」
「んー!んんんー!?」
二人の前では神も型なしである。
「『リルムスフィア、うるさくしないなら喋っていいよ』」
「はぁ、やっと喋れる……というかそっちのイリスって子は『王』の『本質』持ちか……どうしてこうも『真名支配』ができる存在が二つもここにいるのかしら……」
「まあ、それはいいんだけどさ……聞きたいことがあったんだ。【勇者召喚】を行なわせたのは『光神』リム、君ではないね?」
今までのふざけた雰囲気が嘘だったかのように、真面目な声音で話しかける。
「……そうね。私が召喚したわけじゃあ無いけど……元々は私のところにあった物ね。でも、どうしてそんなことを……?」
「ああ、僕も呼ばれたうちの一人だからね」
「……えっ?…………ま、またまたご冗談を……あなたみたいな存在が喚ばれるなんてこと……………………マジで?」
それに対してコクリと頷く。
「そんな……でも、どうして……まあ、いいわ。でも、その話をするためにはまずこうなった要因まで話さなくてはならないの」
「……ん、ここから回想?」
「イリス、そういうことは思っていても言ってはいけないよ」
「……ほんとにやりにくいわね……まあ、いいわ。これは五千年ほど前の話──」
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──今から五千年ほど前、セカイには金髪美少女女神の──えっ?そういうのは要らないって?…………いや、わかった、わかったから!『真名支配』をしないで!……私、『光神』と『闇神』がいました。
二柱の神はどちらも元は『精霊』で、類希なる能力を買われ『神格』を与えられ神になりました。
──今度は何?与えられたってことは上の神がいるのかって?それは後でてくるから少し待ってて!
で、【属性神】になったものの特にこれといった仕事があるわけでもなかったのですが、『世界が危機に瀕した時に使うように』と【勇者召喚】の【魔法陣】を貰い受けました。それ以外に変わったことは無く二人とも【精霊王】なんてのもやってたので、そこそこ忙しい生活を送っていました。
そしてしばらくの間は平和にやっていたのですが、ある日平和だったハズの『人間』と『魔族』が戦争を始めました。
そして精霊達が暮らしていた森にまで戦火は広がり始め、流石に黙っていられなくなった二柱の神は戦争に介入しようとしました。
しかし、そこに邪魔をする者がいました。
そのモノは自分を【邪神】と名乗り、自らがこの戦争を引き起こしたと言いました。
そしてそれに気がついていた【魔王】と共にその【邪神】と戦いました。
しかし、【邪神】は『瘴気』を扱い、私の達は捕らわれてしまいました。
そしてその時に【勇者召喚】の【魔法陣】を奪われてしまったのです。
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「って感じかしら。恐らく今回【勇者召喚】をしたのはその【邪神】によるものね」
「でも、どうして、今になって?」
「さあ?【邪神】も【魔王】にやられて満身創痍だったし……そのせいじゃない?」
「【魔王】が、一番強かったんだ……」
「……それよりも、思ったよりベタだったね」
二人がそう会話する中、レイが言う。
「なによベタって……」
「いや、元の世界だとそういうのは多かったしね」
もちろん、創作の中の話である。
「多かったって……どんな世界よ…………」
それを知らないリムは勘違いして盛大に頬を引きつらせていたが……
「まあ、それは置いておいて……じゃあ今『光神』を名乗っている存在が怪しいって感じかな」
「ん、わたしもそう思う」
「なら、地上に戻ったらとりあえずその【邪神】とやらに気をつけながらって感じだね」
と、会話をしていてふと気がつく。
「そう言えばここから出るにはどうすれば?」
「それなら私にまかせなさいっ!」
そう言って胸を張るリム。
「へぇ、その【邪神】とやらにやられて捕まっている残念女神さんがこの状況をどうにかできると?」
「し、辛辣ねぇ……ええ、私は【光を司るモノ】、故に『光の移動』をも支配できるのならば【転移】させることも可能!」
「「おおぉ〜」」
それには二人とも素直に感心する。
「でも、その代わりにお願いしたいことがあるの」
「……無理難題でないならいいよ」
「……なら、私の『加護』を受けてくれないかしら?それで、『闇神』を救ってあげて欲しいの」
リムは真面目な声音でそう言った。
「とう、言うこと?」
「恐らく私が『試練の迷宮』に捕らわれているなら、彼女は魔大陸の方の『試練の迷宮』に捕らわれている可能性が高いの。でも、『迷宮』に存在する自分のチカラを利用して縛られているなら一時的にチカラを弱めないと抜け出せないの」
「そのための『光神の加護』ってわけかな?」
そのレイの問いかけにリムは頷く。
「いいんじゃないかな?イリスのこともあるから、戻ってひと段落したら『魔大陸』の方にも行ってみようと思っていたしね」
「そう、なの?」
「あれ?言ってなかったっけ?」
「はあ、とりあえず受けてくれるってことね?」
そんな会話をしている二人を見ながら、リムはため息を吐きながら問うと、肯定が返ってくる。
「じゃあ──『我が光神の名の元において、彼らにチカラを与えん』」
リムの声が脳内に直接聞こえたかと思うと身体が光り輝く。
──イリスだけ。
『あ、あれ?』
『……僕には来てないけど?』
「って、うわぁ!だから何で『神託』を遡って会話しに来てるのよ!?ってあれ?ほんとに『加護』が渡せない……」
そう言いながら更にチカラを込めるが渡すことはできていない。
「まあ、イリスが受け取れていれば問題無いでしょ?」
「まあ、そうだけど……」
「ならいいじゃない」
リムは怪訝そうな顔をしながらも、それで納得する。
「……そう言えばレイ、この水晶をどうにかできないの?」
「あー、それなんだけどね。多分できるよ?」
「なっ、ならそれを早く──」
「ただ、中身がどうなるかは知らないけどね」
そう言いながら、手から魔力を放つと「ゴメンナサイ、ヤッパリイイデス」と返ってきた。
「──さて、じゃあ飛ばしてもらってもいいかな?」
「……あ、これ私の『加護』が無いと飛ばせないんだけど」
それに対して「それなら問題無い」と言ってイリスに剣を渡す。
「それは──へぇ、【転移】が組み込んであるのか……そうね、彼女を飛ばした後にあなたが飛べばいいものね」
「そういうこと。じゃあよろしくね」
「了解──【転移】!」
リムが言うとイリスの身体が光に包まれ、消えた。
「たぶん、私の知ってるところに飛ばしたから……」
「多分って何さ……多分って……じゃ、そろそろ行くよ」
「……ちょっと待って」
レイはリムに背を向け、【転移】しようとしたところで声がかかる。
「ここには彼女もいないから率直に聞くけど──あなた、何モノ?」
レイが肩越しに振り返り、銀色の無機質な瞳をリムへと向ける。
──瞬間、リムは確かに恐怖した。
目の前存在に恐怖できないということに。
「僕は僕さ。それ以外の何モノでも無い」
「一応言っておくわ……あなたのそのチカラ──」
「──わかっている。それは僕が一番わかっている。言われるまでも無い」
そう平坦な声で返すと、その場から姿を消した。
「──あれは、何だったのかしら……」
そんな声が、その場に響いていた。
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──『固有技能』、『神託』を習得しました。
──『ステータス』及び特殊『固有技能』の規定値の超越を確認しました。
──対象に『神格』を贈与します。
──エラーが発生しました。再度申請を確認、再贈与を開始します。
──エラーが発生、再贈与を……エラーが発生、再──エラー、エラー、エラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラー
──宣言が無効化されました。
──対象を確認することができませんでした。贈与対象が存在しません。
──この宣言はこの世界における『属性神』、及び『管理神』に伝達されま──
──この宣言は無効です。
──この場に宣言は存在しませんでした。




