魔
急いで書きました。
少し零刀の戦闘に違和感を感じるかもしれませんが…まあ、すぐわかりますので。
……少し遅れたかな?
まあ、とりあえずどうぞ
思考が加速され、ゆったりした時間の中で、向こうの魔法陣に魔力が収束し終わる。
(最大障壁展開数225枚における通常展開時のシュミレート……接触時の衝撃により大破の危険性有り。展開数を112枚まで減らし六角形に形成。辺に当たる部分に障壁を展開し縦に整列。間に【風】の魔素を生成、圧縮し空気の衝撃緩和を実行──)
光が、迫り──
「『──計225層』【超多構層衝撃吸収構造障壁】」
薄く圧縮された225層の障壁がその光を受け止めた。
「わぉ!凄いね!ていうかすごい魔力だね!」
少しすると光線の勢いも弱まっていき、消えていく。
「んー、あれだね。直撃したら死ぬね」
【超多構層衝撃吸収構造障壁】を解くと
「ほんっとうに滅茶苦茶だねぇ……さすが『魔王』ってところかな?」
鑑定結果には、こう書かれていた。
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なし LV124 Age 5014
種族:魔族
称号:魔王
固有技能:全魔眼
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「……てか何さ、『全魔眼』て...『上位鑑定』」
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全魔眼
全ての魔眼を習得することができる。
一度見た魔眼を自分の物として習得することができる。
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「うわぁ、なにそのチート」
『魔王』は何も言わずに黄色い瞳で零刀を見据える。
「っ!うぇい!?」
すると、零刀が突然、その場を飛び退いた。
振り返るがそこには何も無い。
(今のが魔眼かな──うん、『麻痺の魔眼』ねぇ。効果は文字通りかな?)
その零刀を、『魔王』は灰色の瞳で見ている。
「またか!」
また飛び退いた。
すると今度は先ほどまで零刀がいた場所が灰色の石のように変化した。
「うわぉ!まさかの『石化の魔眼』かな?」
そう言って石化した地面を見る。
「んー、なんだろこの感じ……まさか瘴気かな?『上位鑑定』」
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石化した瘴土
何らかの理由によって石化した土。
瘴気が多量に含まれているため近くに生物がいると不快に感じることがある。
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「やっぱ石化だ!しかもなんか『瘴気』混じってるし……しかも何不快になるって、迷惑な。でも、いーなぁ『魔眼』」
『魔眼』、それは技能の中でも固有技能に分類される技能で、文字通り『魔』に関する『眼』の技能だ。
基本一つの眼に一つ、最大でも二つしか保有することはできないがそれでも視線や焦点を合わせるだけで発動できるのでかなり強力な技能と言えるだろう。
有名どころで言えば『毒の魔眼』などであるが『鑑定眼』も魔眼の一種である。
「──だけど、あの『魔王』の場合はその制限無し。んで持って最初のも『魔眼』だとすると……ちょっとやばいかな?『魔眼』系統の技能を優先に『上位鑑定』を進めといた方がいいかな?」
そう言うと『天翔爆地』で斜め前に駆け出した。
それと同時に零刀のいた場所が石化する。
(一応『魔眼』の効果が現れる場所は僕の【魔素視】で補足できている。まあ、簡単に言えば眼という器官が物体を視認するとき、反射した光を捉えているわけで……その光に魔素を混ぜて飛ばす。それに当たると発動って感じだね!)
『天翔爆地』で上下左右に、時には逆さまになりながら揺さぶりをかけることで補足されないようにしながら距離を詰めて行く。
「ははははは!当たらなければどうということはないのさ!」
そしててつのけんを突き立て──
「──?」
──られずに硬質な音と共に弾かれた。
その目の前には水色の瞳をした右眼があった。
そして左眼が白色に変わると、零刀は何かに吹き飛ばされた。
「うわぉ!『障壁の魔眼』に『衝撃の魔眼』かぁ!ていうか『魔眼』の効果によって色が変わるんだ……。それでも便利だねぇ。1個くらい分けてくれないもんかねぇ?」
空中に足場を作り体勢を立て直して地面に下りる。
「『我が望むは二つの世界の同調。一つの世界は我が現存する世界。もう一つは我が作り出した剣達が眠る世界。我は剣を目覚めさせんが為にこの世界へ顕現させ、展開させん』【武器庫】【展開】!」
零刀の周りに、音もなく剣が現れる。
「──なんか、いろいろあってこの【詠唱】初めてな気もするけど……まあ、いっか!【射出】」
飛び出した剣が何かにぶつかり、衝撃が起こる。
「んー、やっぱり視線という光に魔素を乗せてるわけだがら別のもので遮ったり当てたりしたらそこで効果が起こるわけね」
『魔王』の眼が輝きを放ちながら、眼前に【魔法陣】を生み出す。
(『魔力眼』での魔力放出と『魔法眼』での魔力を収束、増幅させる【魔法陣】……ということは)
咄嗟に『天翔爆地』を使って全力で飛び退く。
瞬間、轟音とともに零刀がいた場所を光線が駆け抜けた。
閃光に数瞬遅れ、爆発が起こる。
(目からビームとか……アニメとかだけにしろよ!と言いたいところだけど──)
「──かっこいい!」
爆風で飛ばされながらもそんなことを言う零刀はやはりどこか間違っている気がする。
(最初は余裕も無くてよく観察できなかったけど……あれならガンバれば僕にもできる!!)
……できればやめて欲しいところだ。
そんな零刀をオレンジ色と水色の左右で違う色をした瞳が凝視していた。
すると突然、零刀が地面に方膝をついた。
「う、おお?『上位鑑定』……なる…ほど、『障壁の魔眼』で障壁を生成して……『重力の魔眼』で加重してるわけか」
【身体強化】を全力で使いながら身体を持ち上げようとするが、上がらない。
「へー、なかなか重いものだねぇ。【転移】」
そうつぶやくと、零刀の姿が消える。
「──さて、どうしたものかな」
宙にある剣に座った零刀は何本かの剣を【射出】するが、それらも障壁に弾かれた。
(殺せるか、殺せないかの問題じゃあ、無い)
再び視線を向けられた零刀は少し離れたところにある剣に【転移】する。
(僕は、正義の味方では無いわけで、殺すこと自体に躊躇いはない)
零刀のいる場所が閃光に呑まれるが、そこには既に零刀の姿は無い。
「まあ、それ以上に【射出】だと弾かれちゃうし……距離を詰めても一撃じゃ突破できない上に相手に攻撃を叩き込まれるだけだしなぁ」
『魔王』の片眼が『障壁の魔眼』から変わった瞬間に剣を【射出】するが、当たる直前にまた『障壁の魔眼』に戻り、防がれる。
(さて、どうしたものか──)
零刀は回避しながら分割された思考で、打開策を探していく──




