騎士団長:苦労
今後の投稿についてはしばらくの間、活動報告に書いた通りとなります。
実を言うとストックが切れました。
今回はレイくんがいなくなった後のアドルフさんの話です。
それでは、どうぞ
「なんだ……これは」
訓練場でアドルフは一人、そうつぶやいた。
そこでは勇者と共に召喚された者達が各々の武器を手に取り訓練を行っていた。
「うぉぉぉぉぉおおおおお!」
「はぁぁぁぁああああ!」
ドゴン!という轟音を響かせながら武器を打ち合わせている。
(いやいやいや、ちょっと待て、お前ら最近まで訓練にすら参加していなかったよな?そうだよな?なのに何故、歴戦の猛者の如く打ち合いをしている?)
それは既に『訓練』と言っていいのかさえわからなくなるような激しい打ち合いであった。
──一部、その流れに乗れていないものがいたり、戸惑っているものもいるが。
「……俺、疲れてるのかな」
目頭を揉みながらそんなことを考えていると──
ドゴン!
「ッ!?今度はなんだ!?」
──別の場所からも轟音が聞こえ、そこへと向かうと…
(ここは、おもに『魔法職』が使う訓練場?一体何が──って)
「サラ!大丈夫か!?」
そこには『魔法職』の指導に着いている宮廷魔導士、サラ・レストが倒れていた。
「う、うぅ」
「大丈夫か?何があった!?」
「なに、か、新しい【魔法】を…試してみたいと言って、いて……説明を聞いても【サンソ】やら【スイソ】がどうのとか、言われて……理解できなかったので、とりあえずやらせてみたら……」
「誤爆したのか?」
アドルフが聞くとサラは首を横に振った。
「なぜか、数人で、いきなり急に『我らが神は不滅なり!』とか詠唱し始めて……大爆発が……うぅ」
意外とダメージを受けているようで
「状況はわかった!医務室に運ぶためにもとりあえず他のヤツらを連れて来る!」
アドルフは急いで走り出した。
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「……はぁ、一体全体なんなんだ」
アドルフは疲れたようにため息混じりに言葉を漏らす。
実際疲れているのだろう。
精神的にも、身体的にも。
「戦闘訓練には気持ちが悪いくらいに熱心だわ、訓練場で大爆発起こすわ、挙句の果てに神がなんとやらとかなり始めるし……てか、詠唱に『神』って言葉を入れるのって【光神教】のヤツらくらいしか知らんぞ?」
そんなことを言っていると、扉をノックされる。
「開いてるぞ」
「失礼します」
入ってきたのは青い髪をしたエルフの女性──サラ・レストだ。
「調子はもういいのか?」
「ええ、おかげさまで」
「さて、定例会議を始めるか」
「え?でもまだ」
サラはそう言って辺りを見回すが
「ああ、アイツならもういるぞ。というかそろそろ出てこい」
そう言って少しすると
「やはりバレてましたか」
そこから出てきたのはメイド長のリーシャだった。
「というかお前も全力で気配を消してなかっただろ?──まあ、サラは気がついていなかったようだが。とまぁ、これくらいにして定例会議を開始する。今回は訓練に対する謎の意欲とサラが被害を受けた【魔法】の詠唱に出てきた神ってやつだが──」
「それについては問題ないかと」
アドルフの言葉を遮る形でリーシャが発言した。
「え?ということはリーシャさん、理由をご存知なのですか??」
「はい、どちらも同じ理由に寄るものでして、このままで害はない上、むしろこのままの方がよろしいかと」
微笑みながら言った。
「ちなみにその理由について詳しくは言えませんが、ひと月後の『ステータス』のチェックでは面白いものが見れるかと」
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──ひと月後
「なんだ、これは」
彼らの『ステータス』、その中でも20人程『技能』に共通することがあった。
「『信仰』って……なんじゃそりゃ」
アドルフがハゲないか心配である。
……神って何でしょうね
アドルフさん……




