閑話:メイド長の安心
だいぶネタ回です。短いです。閑話です。久しぶりのメイド長です。よろしくです。
私は今、城内にある一室の屋根裏にいます。
え?私が誰かって?
私ですよ私、リーシャです。メイド長です。
なぜこんなことをしているのかって?
実はこの部屋でヒミツの会議が行われるという情報を掴んだもので、それの調査に来ているんです。
…そこじゃない?なぜ私がこんなことをしているのかって?
それこそヒミツですよ。
おっと、そろそろ始まるみたいです。
その会議の議題は、皆さんご存知の方についてですよ。
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そこには、20人程の人が集まっていた。
そこにいる人は全てが顔を隠していて、傍から見れば異常で、何らかの怪しい宗教のようでもあった。
まあ、少しばかり似たようなものでもあるが…
そして、中心のいかにも議長席といったところに座っている人物が話し始めた。
「それでは、この世界に来て初めての『レイくんふぁんくらぶ』の会議を始めます。議長は私、『S』が行います」
「副議長は私、『R』がやりまーす」
それぞれがコードネームの様なものを使っているらしく、何者なのかは判断できない。
もう一度言おう。
何者なのかは判断できない。
「さて、今回の議題は『レイくんの生存について』ですが─」
「そうだ!レイくんは大丈夫なのか!?崖から落ちたって聞いたぞ!」
議長が議題を持ち出したところで、それを遮るような男の声がかかる。
「『A』、静かにしてね?それをこれから話すんだから」
「す、すまない。つい…」
『R』がそういったことによって、『A』は静かになった。
「そこまで気にしないでください。あなたのレイくんを思う気持ちは本物なのですから」
「ああ、そうだな。ありがとう」
「いえ、それではレイくんの生存についてですが─」
そこにいる人たちが、ゴクリと固唾を飲んだ。
「─私の感覚、直感では、『生きている』」
「「おおおお!」」
「これまでハズレたことの無い『S』の直感だぁ!」
「『S』の直感はこれまでどこにいるかさえ当ててきたものね!」
「やったぁ!これで安心できる!」
それぞれが、口々に喜びを露わにする中、『R』が「静かにして」というだけで、場が静まり、『S』が再び口を開く。
「レイくんは『生きている』。だからこそ、これからはこんなことが起こらないようにするためにも私達が強くなろう!」
「「おお!」」
「そして、次の議題に入りますが、驚かないで聞いてください。光輝の初恋の相手が、レイくんだそうです」
「「きゃぁぁぁぁ!」」
一部の女子がら歓喜の声が巻き起こる。
そんな具合で会議は進んでいった。
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どうやら私の感覚にも狂いは無かった様です。
メイド長ともなれば、自分が主だと決めた相手の生命くらいは感覚でわかるものです。
かと言っても、他の人がそう言っているのを聞くとやはり安心できます。
─そして、この次の日からは多数の人々が訓練に熱心に参加したそうです。




