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階層主(フロアボス)・3

こっちの零刀が思っていたよりも強くなってる……

ま、まあ、大丈夫だ、問題ない。


あと、活動報告の方に一応投稿予定載せてあります。

『天翔爆地』を使って駆け出した零刀に触手が襲いかかる。


(数は三、この『生体魔素』の感じだと鎌状かな?なら流せる!)


事実、その触手は鎌状に『変態』している。


それを回転するように受け流した。


「『天翔爆地』、【魔纏】!」


『天翔爆地』で前に出ると、剣に【魔纏】を使い空中に留まる触手目がけて飛ぶ。


「『変態』していない根元側なら、切れる!はぁっ!」


宙を自在に駆け回り、触手を続いて二、三と切り落とす。


「これはどうかはわかんないけどさ、切り口を焼いたらどうなるかな?」


そう、零刀が言った途端に、先ほど切った触手が発火した。


「うん、【魔纏】で切って、残留した『魔力』を【火属性】に『変換』しただけなんだけど、思ったより効果的かな?ヒュドラの伝説から発想を得たんだけど─」


触手を見ると、明らかに再生速度が落ちている。


「─カッコよかった!」


そう言いながら『天翔爆地』で再度駆け出した。


…戦闘中に言うことだろうか。


ちなみにこの火は、『魔素』で【火属性】そのものが強化されているためちょっとやそっとでは消えることは無い。


そして再び触手が襲いかかる。

今度は鱗状に『変態』しているようで、零刀もそれに気が付き、断ち切るのでは無く先ほどのように受け流しにかかる。


しかし、この場合においては悪手であった。


薙ぐように襲いかかってきた触手は鱗とは逆向きに振るわれており、受け流そうとした剣をガッチリと引っ掛けて持っていかれた。


「やばっ!」


咄嗟に剣を離すことによって体勢を崩さずには済んだが、今度は死角から触手が襲いかかる。


「【魔素障壁マナシールド】五層展開!」


それを感知すると、【魔素障壁マナシールド】を五層張り、自分の回転していた勢いをそのままに─


「そいやぁ!」


─左手に残っていた剣を【魔素障壁マナシールド】で防いだ触手の根元側、『変態』していない部分に投げる。


それは見事に刺さり─


「爆発は浪漫であり芸術だってね!【爆発エクスプロージョン】!」


─触手に取られていた剣も含めて爆発した。


(声に一定の魔力を乗せて、それに反応するように【爆発エクスプロージョン】の【魔法陣】を組む)


「手癖が悪いからそうなるんだよーだ!あっ、今のちょっとおもしろかったかも」


手癖の手と、触手の手をかけているようだが…おもしろいだろうか?


そんな零刀にもう一本触手が襲いかかる。


剣を失った零刀はまさに絶体絶命に思われたが、突然腕を突き出した。

すると、零刀の腕は肘あたりから先がなくなった。


「備えあれば憂いなしってね」


と言って腕を振るい、触手を弾き返し、『天翔爆地』で踏み込んでそのまま断ち切る。


その零刀の右手にはてつのけん・・・・・が握られていた。


「『無属性魔法』【武器庫アームリィ】ってね。『空間干渉』が『無属性魔法』に統合されたからできるようになったんだよね。いやー、てつのけんも増やしといてよかったぁ」


【無属性魔法】、【武器庫アームリィ】、これはこの三日間で作った零刀のオリジナルの魔法である。

イメージは光輝が使っていた『アイテムボックス』なのだが、こちらは武器しか入れられない代わりに重量および容量の制限がないという優れものだ。


(あの時、すぐにこの部屋に入らないで解析しておいてよかったぁー!正直に言ってだいぶヤバかったぁ!)


外には出していないがだいぶヤバかったらしい。


「これであと、四本!」


もう1本のてつのけんを【武器庫アームリィ】から取り出して『天翔爆地』で駆ける。


再び鎌状の触手が零刀に迫るが、それを難なく回避して一本一本確実に切り落とす。


「これであと二本!」


と言ったところで違和感を感じた。


(─あと二本、どこにいった?)


【魔素感知】に少し集中すると足元に反応があり、慌てて『天翔爆地』で空中に逃げる。


次の瞬間、先ほど零刀がいた地面から三本の触手・・・・・が飛び出した。


「あっぶなぁ!?さすがに地中は意識して無かった……。って、三本!!?残りは二本だったハズ…」


疑問に思い【魔素感知】を拡げると─


「……なんか復活してる?まだ燃えてると思ったんだけどな……」


と言って見回すと、火のついた触手の一部が落ちている。


「あっ!まさか火のついた部分だけ切り落として『超再生』させたのかな?…ということは………」


次々に触手が集まってくる。

その数、十本。


全復活である。


「一回距離を取り直してももう対処されるだけ。さらに持久戦になれば負ける可能性が高くなる。…ここまで距離を詰めたんだから、このまま押し切る!」


迫り来る数々の触手を『天翔爆地』で空中を駆け、躱し、切り伏せて暴食する蔦植物ヴァインスグラトニアの真上をとる。


「フッ!」


下から迫る触手に向けて、手に持つ二本の剣を投げつける。


「【爆発エクスプロージョン】!!」


二本の剣は爆発し、周りの触手を爆風で吹き飛ばし、焦がす。


ついでとばかりに【武器庫アームリィ】からてつのけんをもう一本取り出して投げつけるが危険と判断したのか触手で、円を描くようにし、さらに鱗状に『変態』させることによって盾にして防御される。


さらにその盾は【火】と【風】を纏って、それが合わさり燃え盛る火炎となって、接近すら拒もうとする。


「なら─」


武器庫アームリィ】からいつも使っているてつのけんよりも大きな鉄でできた大剣とも呼べる剣を取り出す。


「このまま盾ごと斬る!」



ここで少し零刀の剣について話そう。


なぜ零刀が魔物の素材などを使わずに鉄でできた剣ばかりを使っているのか。

その理由は零刀の【分解】にある。

【分解】は分子などを『魔素』まで分解してしまうものである。

それはその物体を構成する何かが、少しでも【分解】されればそれを【分解】して出た『魔素』がさらに【分解】を促進し、さらに【分解】していくのである。

だからこそ、魔物の素材などで剣を作ると、少しでも弱いなにかを【分解】してしまい、そのまま全て【分解】してしまうのだ。


それは全力で零刀が【分解】を使えば純鉄の剣でも【分解】されてしまうのだが、それこそ全魔力を使ってでも無い限り有り得ない。


そして、魔物の血液からも鉄を抽出しているので『生体魔素』が混ざっている。


だからこそ─


「『我は汝を素へと返さんが為に、過剰なる力をこの剣に欲し、望む。今ここに、全てを分解する為の力を宿さん』!」


─零刀が全力で【分解】を使えば、剣でさえも【分解】されてしまう。


しかし、そこまでの魔力はもう残っていない。それでは暴食する蔦植物ヴァインスグラトニアの防御を突破することはできない。


「ならば、鉄そのものを【分解】しなければいい!」


しかし、てつのけんに含まれる『生体魔素』を【分解】すれば【分解】そのものが促進され、鉄そのものまで【分解】されていく。


それは【分解】されて銀色に輝く。


すでにほとんど刀身は【分解】されており、残っていないような状態ではあるが、それでいい。


「はぁぁぁぁああああああ!」


なにせ【分解】そのものが刃となるのだから。


「【過剰ナル分解オーバー・ディスセンブリィ】!!」


その刃はそのまま


音もなく


無情に


地面ごと


一瞬の抵抗すら許さずに──




──暴食する蔦植物ヴァインスグラトニアを斬り裂いたのであった。



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