階層探索・1
ブックマークしてくださった方々、感想や評価をして下さった方々、読んでくださっている方々、有難うございます。
ブックマーク数がとうとう300を超えました。
嬉しき事この上なしです。
それではどうぞ
─時は夕暮れ
零刀は木の上にいた。
もちろん、食糧を獲るためである。
そしてとうとうコドモドラゴンが姿を現す。
零刀に気づく様子はなく、ゆったりとした歩調で歩いている。
零刀は心の中でカウントを開始する。
(5、4、3、2、1、ゴー!)
太い枝に足を付けたまま逆さまになり─
「【魔纏】【魔装】【身体強化】、【爆地】!!」
空気が破裂するかのような音とともに、物凄い勢いで零刀が飛び出て剣を突き立てる。
「はあ!」
キン!という音が鳴り、剣が弾かれた。
「グガァァア!」
「やっぱ通らないかぁ、っと」
コドモドラゴンが反撃をしてきたので距離をとる。
そこからは一進一退の戦いであった。
零刀は首元を狙って攻撃をし続けるが通らず、コドモドラゴンは攻撃が大振りなので零刀に躱すか剣で捌かれている。
それはしばらく続いたが、終わりは唐突だった。
「ほい、しゅーりょー」
突然、今まで零刀の攻撃は全く通っていなかったのにも関わらず、コドモドラゴンの首を跳ねたのだ。
「…さすがにこの『ステータス』の差だと時間がかかるね」
よく見ると、零刀が跳ねた首周りだけ鱗が無くなっているのがわかる。
仕組みは言ってしまえば簡単である。
最初の奇襲で首を落とせれば良かったのだが『ステータス』の差を考えて「無理」という結論に至った零刀は初撃の【魔纏】の魔力をコドモドラゴンの鱗に移し、剣が触れるたびに『錬成』で薄く、脆くしていき【分解】の魔法を纏わせて斬りつけたのだ。
結果、薄く、脆くなっていた鱗は剣が触れた側から【分解】されていき『斬ったところだけ鱗がない』という状態になったのだ。
「っと、忘れるとこだった。『素へと還れ』【分解】、『錬成』【分離】っと、『ステータス』」
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「」 LVー Age15
種族:
職業:練成師
称号:超越者 無純 新生
体力 2500/2500
魔力量 150/2700
魔力 1000
筋力 500
敏捷 500
耐性 500
魔耐性 500
〈固有技能〉:完全記憶 二刀流 魔素支配 錬成 無属性魔法 上位鑑定 変換
〈技能〉:剣術Lv8 魅了Lv5 剣舞Lv6 魔道具製作Lv5
保有生体魔素量:6500
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「おおお!『生体魔素』多い!けど、やっぱり魔力ギリギリだったなぁ。最後の【分解】なしならもう少し残るかな?また狩ることも考えてもう少し『魔力量』に振って………こんなもんかな?『ステータス』」
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「」 LVー Age15
種族:
職業:練成師
称号:超越者 無純 新生
体力 2470/2500
魔力量 150/5000
魔力 1500
筋力 1000
敏捷 700
耐性 500
魔耐性 500
〈固有技能〉:完全記憶 二刀流 魔素支配 錬成 無属性魔法 上位鑑定 変換
〈技能〉:剣術Lv8 魅了Lv5 剣舞Lv6 魔道具製作Lv5
保有生体魔素量:0
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「『魔力量』と『魔力』はあれば【身体強化】や【魔装】で他の『ステータス』を補えるしね。それでも『敏捷』が低いと逃げるのも難しかったし攻撃にも生かせるようになるからちょっとだけ上げておいたから─、うん、いい感じだね。あとヤバそうなのは─」
右手に持っていた剣を持ち上げる。
「『上位鑑定』」
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鉄剣
製作者 神野 零刀 (レイト カミノ)
状態:損傷、刃こぼれ
神野 零刀の『錬成』によって作り出された剣。
内部に魔力回路が形成されており、魔力が通りやすくなっている。
【備考】
【分解】を纏ったことにより表面が分解されている。
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「あと数回コドモドラゴンと戦闘したらダメになりそうだね。強くなるのと並行して武器の素材調達もしないとかぁ」
ここでふと気づく。
「─あっ、ごはん……」
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「さて、やって参りました!人気コーナー”レイトクッキング”の時間です!」
「いつから人気コーナーになったんだ」とツッコミが入りそうだが残念ながらここにはツッコミ担当どころか他に人ひとりすらいない。
「今回使用するのはこちら─、って鑑定してなかった。『上位鑑定』」
これから調理する食材くらい前もって鑑定して置いて欲しいものだ。
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なし LV57 Age6
種族:暗殺兎〔魔物〕
称号:暗殺者
体力 0/500
魔力量 50/50
魔力 100
筋力 5000
敏捷 6000
耐性 10
魔耐性 10
〈固有技能〉:跳躍
〈技能〉:瞬歩Lv9 隠形Lv9 身体強化Lv9
【備考】
暗殺を得意とする兎。
高い『隠形』を持つため、見つけるのは難しく、間合いの外から『瞬歩』『跳躍』『身体強化』を使って高速で飛んでくるので気がついた時には首が跳んでいると言ったこともある。
日が沈んてから活動する。
日中は地面に掘った穴で寝ているが気配はほとんど感じないので日中見つけることは大変難しい。
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「……ごめんなさい。地中に【魔素感知】の反応があったので仕留めてしまいました」
普通に仕留めてられていた。
「まあいっか。とりあえず、皮をはいで…、どうやってやるんだろ?まあ、いっか、【分解:毛皮】。あー、血抜き忘れてた。『錬成』【分離・抽出】っと」
切り替えが早い上に、【魔法】やら『技能』やらを多用して工程を省略していく。
「んで、『変換』【火属性】で焼きます。……そして完成!『焼きウサギ』!いただきまーす!」
1口食べる。
「─うぇぇ、『瘴気』抜くの忘れてたぁ。【分離】ぃ。…うん、しっかりオイシイ」
零刀にとって『瘴気』は苦いような、えぐいような味がするらしい。
こうして零刀は『食べる前に瘴気の【分離】!』と心に決めたのであった。
──まあ、またやらかしそうな気もするが…。




