探索再開
ブックマークしてくださった方々、感想や評価をして下さった方々、読んでくださっている方々、有難うございます。
しばらく体調不良で書けていませんでした。
皆さんも体調には気をつけてください。
あっ、一応ここから章が変わります。
迷宮というものは空間がねじ曲がっている、異空間であるのではないかと言われている。
そうでなければ大きな迷宮はどれだけ地中に広がっているのだ、という話になってしまう。
それを疑問に思った者達が協力して迷宮の位置を考えながら穴を掘ってみた。
もしそれができるのならば楽に次の階層に行ける可能性もあった。
まあ、結論、無理だったのだが。
─あの頃の私は若かった。
─『迷宮と都市と冒険者』より一部抜粋
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『試練の迷宮』の、階層すらわからない、森のようなところで僕は──
「わぁぁぁあああああ!」
「グギャァァァアアア!」
「ぎゃあああああああ!」
「グルァァァアアアア!」
──複数の、巨大なトカゲに追いかけられていた。
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時を少し遡る。
「うーん、ひと通り見てまわったけれどこの通路しか見当たらなかったなぁ…」
ひと通り階層を見て回ったが階段が見つからなかった。
「とりあえず出てみるかな」
普通にそれ以外に道がないので歩き出す。
そしてそこを通り抜けた先にあったのは─
「…森?ジャングル的な…」
後ろを振り返ると壁があり、今出てきた所が穴のようになっている。
「あ〜、あれかな?ちょっと大きい巣穴見たいな感じだったのかな?迷宮は異空間だって言うしね。実際、あのトラップの階層自体がどこにあったのかすらわからないからなぁ」
と少し前までの事を思い出しながら歩いていると『魔素感知』に反応があり
”ガサリ”
と音がした。
「おっ、早速魔物かな?どんなのかな」
そこから現れたのは─
「なんかコモドドラゴンみたいなやつだなぁ。『上位鑑定』」
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なし LV63 Age8
種族:コドモドラゴン〔魔物〕
称号:
体力 4000
魔力量 300
魔力 500
筋力 3000
敏捷 1000
耐性 5000
魔耐性 900
〈技能〉:火耐性Lv6 炎操作Lv5 炎纏Lv3 火属性魔法Lv1
【備考】
コドモドラゴンという種族であって子供のドラゴンという訳ではない。
………
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この『ステータス』を見て一言。
「コモドドラゴンじゃないんだ…」
そして僕は逃げだした。
「無理無理無理無理!強過ぎない!?」
だってなにアレ、『ステータス』高すぎでしょ!
と、心の中で叫びながら全力でダッシュしている。
無論、【身体強化】も【爆地】も使用しているがなかなか距離が開かない。
「なんでそのサイズでそんなに速いんだよ!」
「グルォォオオ!」
「わぁぁぁあああああ!」
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と、いった具合に逃げている途中に他のコドモドラゴンに見つかり、今に至ると言うわけだ。
「っと、あぶな!」
しかもコイツらちょいちょい火の玉を吐いてくるのだ。
『火属性魔法』はLv1なのに『炎操作』の影響か威力もサイズも大きいものになっている。
それが後ろから飛んでくるとか恐怖以外の何物でもない。
「あああ!もうめんどくさいなぁ!」
【身体強化】と【爆地】を使って上に飛び、木の枝に乗る。
「はぁ、はぁ、フ、フハハハハ、ふぅ、君たちも、ここまでは登ってこれまい。ばーかばーか、あほー」
少し余裕が出てきた瞬間にこれである。
「グルォォ!」
「グラァァ!」
「ギャァァ!」
─その言葉が通じたわけではないだろうが『炎纏』を使って木に体当たりし始めた。
勿論、燃えるわけで─
「ちょっ、うわぁ!やめ、やめろぉ!」
結局、【爆地】を使いながら木から木へと飛び移って逃げていったのであった。
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少し開けたところまで逃げ切り、地べたに座り込む。
「ふぅー、危なかったぁ。まぁ─」
右手の手のひらを上に向け、魔力が放出されると、火が灯る。
「─とりあえず【火属性】入手成功っと、やっぱり火は大切だよね」
あの中でもしっかりと『火の魔力』を確認して『変換』できるようになっていた。
─技能『属性変換』【火属性】を習得しました。
─技能『属性変換』【火属性】は固有技能『変換』に統合されます。
「『火属性魔法』としては習得できないんだ…ま、いっか。火種は獲得できるわけだし。さて─」
と言って立ち上がる。
「─食糧を捕りに行こうか」
食糧を捕るために駆け出した。
次回、零刀が狩りに行きます。




