悲しみと落下
少し【我が道】の方を進めたいので【戦いたい】の更新ペースが落ちます。
今回は最初の方が光輝視点、後が零刀視点です
…あと、ペンネーム変えました。
「レイくうぅぅうん!」
彩が叫んで入るのが聴こえる。
レイが落ちていった谷に向けて
しかし返事が返ってくることは、ない
「…どう、して?」
「サヤ!」
あまりのショックに彩が気を失ってしまう。
(なんで、こんなことに…)
『勇者』である光輝も現状を理解することが出来ないでいる。
「お前ら、行くぞ」
いち早く復帰したアドルフがそう言う
「っ、なぜです!まだレイが!」
「見ていてわかっているだろう」
「もしかしたらまだ!」
隆静が食ってかかる。
─しかし、隆静も気がついた
「俺は!!」
アドルフが
「俺は、『勇者』を守る義務がある。それに、レイに…、レイに頼まれたんだ、お前らのことを」
今にも泣いてしまいそうな顔をしていることに
「だから、帰るぞ」
この日僕は今までにない喪失感を覚えた。
そしてなんて『無力』なんだろう、と
『勇者』であるにも関わらず、守られてばかりで
大切な友達も助けることが出来ない
僕はこの日、どうやって帰ったのかすら覚えていない
しかし、落ちていったレイのことだけは忘れられなかった
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見えていた光はどんどんと小さくなり
消えていった
暗い、暗い、闇の中を落ちていく
(さて、どうしようかね)
自分でもこれだけ冷静でいられることに少しばかり驚いている。
…まあ、暗いから落ちてるスピードを感じにくいだけだろうけれどね。
しばらく落ちているといくつかの青い光が通り過ぎていった。
よく見ると青色の光る水晶の様だった。
少し明るくなったことにより悪魔も以外と近いところで落ちているのが見える
(─これを見てニュートンは万有引力を発見したのであった。
…絶対違うか)
とりあえず、と身体を上手く使い『爆地』も少しだけ使い悪魔の上に移動する。
そして下を見ると水晶の光を反射する物が見えた。
─あれは水面かな?
いくら着水するとしてもこのスピードで落ちたら潰れてしまうだろうね。だから─
「『身体強化』、『魔纏』。…『爆地』!!」
─着水直前に全魔力を使って『身体強化』、『魔纏』に『爆地』も使って悪魔を蹴り落下速度を遅くする。
そして強い衝撃ともに、僕の意識は途絶えた。




