はじめての魔法学
―異世界生活4日目である。
"コンコン"
"レイ様、起床のお時間です"
しかし、零刀からの返事がない。
"失礼します"
と言ってから部屋に入る。
(それにしても、いつも私が来る前には起きていらっしゃるのにめずらしいですね。昨日は初の戦闘訓練でしたし疲れていたのでしょう。)
「レイ様、起床のお時間ですよ。」
と、零刀を揺らして起こそうとした時、ふと零刀の寝顔が目に入る。入ってしまった。
(うわぁ、寝顔がすっごい可愛いです。あのやわらかそうなほっぺたさわりたいです。今ならさわっても大丈夫ですよね。バレませんよね。)
と、そぉーっと零刀の頬をさわる。
ふよん
(うわぁ、やわらかい。)
ふよふよ ふにふに
「うーん」
(はっ、あぶない。レイ様を起こしてしまうところでした。)
零刀を起こしに来たのにもかかわらず、零刀を起さないように零刀の頬をさわっている。それでいいのかメイド長。
そして、寝ている零刀の頭の中で
―スキル『魅了』のLv.が上がりました。
と鳴る。
「ほわぁ?」
「ほわぁ!!」
「あ、リーシャさん。おはようございます。」
「お、おおおおはようございますです!」
このメイド、キョドりまくりである。
「こほん、えぇと、今日の予定は午前中が魔法学で、午後が戦闘訓練になります。魔法学は一般教養を行った部屋で行いますので朝食後移動をお願いします。ご質問はございますか?」
「大丈夫です。」
「それでは」
「あ、リーシャさん。ほっぺたー」
と言って零刀がリーシャの頬をさわる。
「はにゃぁ!」
「ーにゴミがついてましたよ。それではせっかくの可愛い顔がもったいないですよ。」
昨日に引き続き、台詞が口説きに行っている。念の為言っておくが零刀にそのつもりは断じて無い。
「はっ、はい!あ!ありがとうございました!失礼しましたぁ!」
と言って足早に部屋を去っていった。
「なんであんなにあわててたんだろう?」
これぞレイクオリティ
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「はじめまして、皆様の魔法学を担当させていただく宮廷魔導師のサラ・レストです。よろしくお願いします。」
サラはエルフで髪の色は青色だった。
さすがファンタジー。
「では今日ははじめに魔法の属性と魔力についてからいきましょう」
魔法の属性に関しては本で調べていたが、知らないことがあった。
固有魔法と呼ばれるものだ。ステータスの表示で、固有技能に表示される魔法で、本来の属性以外の魔法が使える魔法だ。ものすごくめずらしいのだが異世界組に何人かいるらしい。
次に、精霊と精霊魔法について。精霊は火、水、土、風、光、闇の6属性がいると言われている。下位、中位、上位、高位、王位の精霊がいて、位が上がるほど数が少なくなっていき、王位は各属性に1人ずつしかいない。そして、精霊魔法の使い手は適正の無い魔法でも、近くにその属性の精霊がいればすこしだけだがその属性を使えるという。サラは数少ない高位の風精霊であるフゥという精霊と契約しているという。ちなみに精霊の呼び方は○精霊でも○属性精霊でもどちらでもいいらしい。
そして、魔力についてだが空気中に「魔素」と呼ばれる人には認識できない細かい粒子状のものが漂っていて、その「魔素」や「意思のない魔力」を呼吸などで体内に取り入れて変換しているらしい。人に認識できないのになぜ知っているのかは先人が精霊に教えてもらったらしい。
あとは魔法陣魔法。通称陣魔法。これは魔力のこもった液体で魔法陣を書いて魔力をこめておく。使う時に魔力を使うとあらかじめ書いておいた魔法陣の魔法が使えるということだ。自分が使えない属性の魔法も使えるのだと。しかし、一定の威力しか出ないので、普通は魔法使いの緊急時や前衛が使うくらいだという。
「ー今日はここまでにしましょう。お疲れ様でした。」
(うん、魔法陣魔法は覚えておかないとだね。よし、ご飯を食べたら戦闘訓練だね。楽しみだなぁ。)
次回は戦闘訓練です。
恋愛要素いりますかね?今悩んでるんですが…。
意見くれると嬉しいです。