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最終決戦

 指揮は科の後ろ。

 神村が布を取り払ったのが見えた。

 それは大きな大砲だ。

「な……ッ!!?」

 それを見て、姫と紀伊も動揺したのか一瞬にして十字士の波に飲み込まれた。

「姫! 紀伊ッ!?」

 指揮は二人を助け出そうと、十字士の波に飛びつこうとする。

 姫の重力操作は人間には効かないのだ。

 肉団子のようになっている十字士たちの表面部分が一気に指揮の方を向いた。

 狂気が十字士を支配しているようで、肌が粟立ち、心が疼く。

 その時、姫の声が聞こえた。

「アンタは神村を倒してきなさい!!」

「私たちのことはどうでもいいからあ!!!」

 紀伊の悲鳴のような声が聞こえる。

 どうすれば、と指揮は苦悩した瞬間。

「ああ。お前は駆流を倒してきてくれ」

 科は飛びつこうとした指揮の肩を強く押す。

 指揮はよろけ、ナイフが指揮の眼前を通過した。

 科のナイフではなく十狂気に支配された十字士のナイフだ。

 科が木刀を振るい、ナイフを持った十字士の横腹を殴りつけた。

 十字士たちは裏切り者の科を倒すべく、殴りかかる。

「テメエらは改心できなかったらしいな。俺も他人の映像ならしなかったか……」

 そう呟き、真上を見る。

 指揮が不良に殴られていた。

 現実の指揮は壇上を登るための階段へと向かう。

「怪我したくない奴は今すぐ逃げろ」

 科はそう忠告してから十字士たちを気絶させていく。


◆◆◆◆◆◆◆


「神村ぁ!!」

 指揮は叫び、壇上へと登る。

 ようやく。

 色々な人の力を借りて、ようやく同じステージに立てた。

「なあ」

 神村が言う。

「コレ、大砲じゃないぞ?」

 意味がわからない。

 それは完全に大砲のように見える。

「コレはCN4――毒ガスだ」

「毒……ッ!!?」

 指揮は迂闊に動けば、毒ガスを撒き散らされると思い、動けない。

「しかもコレは超能力者だけを殺しつくす」

 砲口を指揮に向けて、吼えた。

 指揮は能力を発動し、走る。

 距離にして、三メートル。

 一秒で着く!!

 神村の右腕が折れ曲がり、ぶちりと嫌な音がするにも関わらず神村は笑い毒ガスを打ち出した。

「コレで終わりだ!!」

 その時。

 指揮の中で、確かな変化が起こった。

 死ぬ?

 毒ガスで?

 姫と紀伊が?

 無意識に、そして途中から意識的に指揮は自分の中を探り上げた。

 これは指揮が能力を覚えた頃の感覚だった。

 今まで使った能力の数々がリフレインされ、脳内で処理されていく。

 直後。

 闇が取り払われ、光で満たされた。

 指揮の本当の能力――それは『分子を感じ、操作する能力』

 だから、様々な物質を曲げる事が出来た。

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッ!!!!!」

 叫び、走り出す。

 気体飴を思い起こさせるピンクの毒ガスが大砲から打ち出され、周りに拡散することなく小さく凝縮され指揮の方へ向かっていく。

「な……っ!?」

 神村は驚愕の声を上げる。

 指揮はまだ能力が未熟だと本能で分かっていた。

 だからこそ。

 今出来る指揮の選択肢は。


 自分が毒ガスを飲み込み死ぬという事だった。


 小さく凝縮された毒ガスは指揮の口から体内に入って行く。

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