表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
87/93

決起集会

 指揮は結局、姫と鈴野に話すことにした。

 但し、生き残ることを前提に考える事。

 それだけを約束させて、話した。

「大きいね……」

 紀伊が屋敷を見上げて感嘆の声を上げる。

「紀伊のマンションの方が大きいだろ」

 そのセリフに紀伊の表情がまるで華が咲き誇るかのように輝いた。

 一方、姫は指揮を睨みながら灰を被ったように煤けている。

「指揮? いつの間に鈴野と仲良くなった訳?」

「え? あ、いや……」

 指揮は慌てて手を振りながら言い訳染みた(しかし本当の)弁明をする。

「あの、紀伊が何つーかあそこまで俺を想ってくれてんのに名前呼びをいつまでも続けるのはなあーと思いまして!!」

 あはははは! と笑う。

 姫は指揮を睨みつけ、紀伊は嬉しさのあまり小躍りしている。

「いやー言った甲斐があったなあー」

 指揮は二人のお陰で心が軽くなるのを感じる。

 二人の存在は科や元那と変わらない程に大きくなっている事を感じていた。

「じゃあ行くぞ」


◆◆◆◆◆◆◆


「あードチクショウ!! やっぱり科居ねえ!!」

 流石に三〇分前は早すぎた、と指揮は頭を抱える。

「しょうがねえ。あの二人を見に行くか」

「村井と倉品、だっけ?」

 紀伊はそう言って指揮を見つめる。

「そう」

 指揮は短く答えて、書斎へ二人を連れて向かう。

 書斎のドアノブに手を当て、回す。

 緊張で一気に胸の鼓動が早まる。

 村井はもう居なかった。

 後悔で頭が真っ暗になる。

 嘘だろ?

「くそ!」

 指揮は毒づく。

 今考えれば、昨日の内にでも来て掃除をするような係りが居たのかも知れない。

 だとすれば、倉品も同じだろう。

 もう既に助けられている筈だ。

「ごめん。姫と紀伊には負担をかけるかもしんねえ」

 後悔に塗れた声音が自然と漏れてきた。

「ううん。別にいいよ。もう一度戦えば」

 紀伊は呑気にそう言い、姫は溜息を吐く。

「ま、指揮だししょーがないわね」

「ごめん。ありがとうな」

 指揮はお礼を言って、倉品を閉じ込めた場所に行く。

 やはり、居なかった。

 最悪の事態。

 十字団の最高戦力と指揮、紀伊、姫の戦い。

「お前ら、いざとなったら逃げろよ。俺も逃げるから」

 指揮に言えるのはもうコレしかなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ