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ヒーロー

「お前、もしかして……殺し……?」

「あ? 何信じられないって顔で俺のこと見てんだ? 先月から人殺してただろうが」

 つまらなそうに耳の穴に小指を入れて、言う。

 その声音には指揮を馬鹿だと思っているような様子が見れた。

「な、んで……?」

 指揮は反射的に、そう言った。

 何か、ファミレスの奴らがコイツに不利益でも? 利益でも?

 損も得もない筈だ。

 あの不良たちがあの男子を小突いて、お金を出させてたような明確な理由なんてない。

 ニュースを思い出す。

『恐らく愉快犯の類でしょう』

 そんな事をコメントしていたキャスターが居た。

 人を殺して愉快? 何だソレ。

 立っている足場が本当にあるのか、確かめたくなる。

 急に、爆弾魔が悪魔を具現化したような存在に思えて、怯え、一歩下がった。

 川に靴が入り、水が浸透する。痛んだ足の存在を思い出す。

(何だ、よコイツ……ッ!!)

 自分の常識から逸脱し過ぎている。

 怖い。

 自分は、こんな化け物と対峙しようとしているのかと改めて身体が震えた。

「ははっ! 怖がってる」

 指を指し、笑う。

 自分を怖がっているのが、ひたすらおかしいというように。

「どうする? どうする!?」

 口の中で唱える。

 どうする?

(戦うしかない)

 違う。逃げるなら、今だ。

 表面上の心の声を、奥底から発せられる声が否定した。

 お前はアイツの怖さが分かってなかったんだよ、ガキだったんだ。

 正義のヒーローに憧れる、あの時分だ。

 お前はソレが遅かっただけだ。夢を捨てれば、逃げれる可能性はある。

『命か、夢か』

 そんな声が聞こえる。

 理想の自分か、無力な自分か。

(逃げる?)

 逃げたら、どうなる。

 大勢の人間がただ一人の『快感』のために死に続ける。

 科から、逃げ続ける事になる。

「……嫌、だ。絶対に」

 逃げられない。

 コレだけは、諦められない。

 膝が不甲斐ない指揮を笑うように、震えた。

 戦う勇気を出しただけで、コレだ。

 息を、吸う。

 一指し指で、爆弾魔の顔をハッキリと指し示す。

「テメエをぶっ倒す!! 覚悟しやがれクズ野郎!!」

 この『戦闘』の中で指揮がしなければならない事は三つ。

 敵の能力分析と、自身の能力の限界。

 そして、打ち勝つための作戦だ。

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