【刀剣乱舞】道場にて【創作審神者】
創作審神者のオリジナル設定の話となります。
苦手な方はお戻りいただきますようお願いいたします。
大丈夫な方はこのままお進み下さい。
【己が刃何処にあるか、此処と定めし所にぞある。】
【己の刃は己が心に。其の刃必要在らば必要せし時に手にぞする。】
【故にその刃何処ぞ向けるかは己の信念其れ次第。】
常日頃から思想の中にある言葉を浮かべ一人道場の真ん中で座禅を組む。
道場と言っても屋敷にある一区画でしかない故余り広くはないが、
大勢で打ち合いをするわけでもなし、この広さで十分であった。
無論、刀剣らが訓練をしている時は使えないが、
それ以外の時は主に彼独りで使える空間と相成っていた。
妄念浮かぶならば信念無にせしぞと座禅を再開させる。
此処には和尚がいたりするわけでもないので、己の妄念浮かべど
それを追求するものは無し。
無を、呼吸を、それのみを整えるに辺り思考は不要。
思考を逡巡させれば呼吸、気配だけで敵を察知することは出来ない。
隠行に長けた敵がいないとも限らぬし、実際彼の元よりいる時代には
ステルス性の高い衣服を用い暗殺行為をしてくる者も多数いた。
その時に必要なのが座禅で用いているこの方法だった。
思考を捨て去りただ気配のみに気を張り巡らせる。
今現在において隠行の術を使ってくる者もいないが、日頃の鍛錬のような物だった。
無心、無音。呼吸と心音以外は遮断された状態であったので、
道場の外で刀剣らが話しているらしいのだけは彼は察知していた。
「主殿は…真面目にあらせられるな。我々の中でも禅を組むのは山伏殿ぐらいではあらせられないだろうか。」
そう切り出したのは体躯逞しくもある天下三槍の一つ、
戦国の世の武将、本多忠勝の槍としても知られる蜻蛉切が感嘆の台詞を漏らしていた。
共に様子を見に来ていた同じく天下三槍が一つ、室町時代に刀工・五條義助が作ったとされ、
参勤交代の折りには馬印となっていた事で知られる御手杵。
その御手杵はくぁっと欠伸一つしながら蜻蛉切に返していた。
「訓練かぁ…。真面目だよなぁ。まっ、やらないよりはやった方がいいよな。」
「そうだな。何時出立するかもわからぬ。我らも。」
梛木は座禅を終えると絹音を立てぬように立ち上がり気配を消しつつ摺り足で引き戸の近くまで行くと
まだ居る様子の二人に対し語りかけた。
「そんな所で話しておらずに入ってくれば良かろうに。」
「あ…主殿…。何時の間におられたのですか。」
「油断するなよ?本丸には敵は来ずとも、外に出れば来るのだからな。」
そう告げると梛木は引き戸を開け外にいた二人に対し不敵な笑みを浮かべた。
そして振り返りもせずに通り過ぎ様に語りかけた。返答如何は無しとして。
「武器でも肉体在らば鍛えねば…な。」
彼は二人の横を通り過ぎていく。
審神者が見えなくなると盛大に溜息を吐き出しながら御手杵が切り出した。
「はぁあぁぁあ~~~…なんかさ~あの人やっぱり苦手だな。俺。」
「真面目過ぎるのだよ。我が主は。それは決して悪しき事ではない。」
二人の槍の相反する意見。だが、御手杵も苦手と称しているわりには
こうして道場に来て様子を見ているのだから、強ち完全に苦手なわけでもないのだろう。
取っ付き辛い相手ではある。というだけのことだったようだ。
距離を思い切り取ったつもりだったのだが、刀剣側から間合いを狭めてきている。
彼の元いる時代でも同じような人間関係があった。
距離を取っていたのに何時の間にか詰め寄られている。そんな相手が一人はいた。
本部からの通達では梛木が出立した数日後に彼も出たとのことだった。
同じ審神者をやらされる運びとなった同期の同僚。仲が良いというわけではないが、
その同僚が一方的にライバル視をしてきているだけのことなのだが、
梛木としては少し気が重かった。
「人付き合いは苦手なのだがな…。刀剣と言えど…生身の身体か…。」
と彼は嘆息を漏らす。
苦手でも何でもこれから長きに渡り付き合っていかなくてはならないのだから、
妥協というものを覚えていかないとならないと、自らに言い聞かせた。
本丸に来るまでは出来るだけ逃避をして人と深くは関わらずにきていた己自身を
此処に来て悔いていた。
ガーディアンの時のように、要人をただ護れば良かっただけの時とはかなり勝手が違う。
少しずつ修正を繰り返していかなくてはならない状態なのだろう。
修正をした所で其れが機能するようになるならば其れで良し、
機能しないのならば人格的欠陥と見なし、諦めの文字は封じ、
変化はせず己を己としたままで形成するも良し。
何れでも困ることは何一つないと、戦いにおいては必要ではないと彼の中では片付けてしまった。
結論として、人付き合いが苦手な性格は一生治らないだろうということなのだろう。
クソ真面目なだけなんです…悪い人じゃないはずなんですこの審神者…。
あと2話だけお付き合いください。サルベージした分以降は書かない予定です。
ちなみに現在はAIを駆使してオリジナル小説を書いております。
ただ、描写的にどうしても必要なのでミッドナイトノベルズにアップしています。
興味のある方は「みらると」で検索かけてみてください。
和風ダークファンタジーで鬼ばっかり出てくる鬼の里の話です。




