第一章 第一節 彼の者、虹から来たり
昔、空は透き通っていたらしい。
私はその頃を知らない。
”On your mark”
背後のデッキが、轟音とともに開く。
機内には強風が吹きこむ。
デッキの向こうに、赤い夕焼けの空。
黒い戦闘服の男たちが、ひとり、またひとりと、
航空機から飛び降りていく。
さあ次は私の番だ。
「有瀬ハルカ! 行ってきます!」
ぎゅっと手を握り締めて走り出す。
飛び降りるまでのわずかな距離。
その数歩だけで理解する。
この膝の震え、響き渡る心臓の音。
ダーンと強く蹴って、空へと落ちていく。
ヘルメットがゴォーッと風を切る。
全身に感じる風圧。
大気の抵抗が膜のように体を包む。
小さく見える建物。細い線のような道路。
背中に背負うフライトユニット。
金属製のランドセルみたいな形。
その上部の二枚の羽が、落下地点へと自動的に誘導する。
導かれるままに、地面に吸い込まれるように落ちていく。
花が開くように、地面に四つの砂埃が円を描く。
先輩達が地上へたどり着いた。
ハッとして足裏を地面に向ける。
突如、ふわっと何かに掴まれたかのように落下速度が下がる。
けたたましく舞う砂埃。
地面につま先が当たると、そのまま崩れ落ち、地面に手をつく。
遠ざかる先輩達の背中。
私も追いつかないと。
肩のベルトを外し、重いフライトユニットをガシャンと降ろす。
ヘルメットを脱いで捨てると、パタパタと地面に水滴が飛び散る。
頬を汗が流れ落ちる。
「走れ!!」
ヨロヨロとしながらも、走り出そうと一歩踏み込む。
途端に足がもつれ、ドサっと倒れた。
黒い戦闘服の左袖から、銀のブレスレットが覗いている。
先輩の叫び声。
“走れ”という声に、10年前の、8歳のときに起きた記憶を思い出す。
“走れ”
“走って”
“走ってー”
“走って!―ハルカ!”
「きゃあああ!!」
「うわああ!!」
逃げ惑う人達の声が聞こえる。
“郡山市全域に緊急崩壊警報が発令されました。速やかに避難してください。
繰り返します―“
「なんで通れないの!」「前の大雨で橋が工事中なんだよ!」
喚く人々。
大渋滞の中、車道と歩道の区切りもなく、
大勢の人が走りぬけていく。
カチャ、カチャ、カチャ、
私を抱え、息を切らして走る母。
腕のブレスレットが音を立てる。
耳元で荒々しく聞こえる呼吸。
私の目に写るのは、
慌てふためく数えきれない人。
けたたましく鳴るクラクション。
そして、遠いビルの隙間から覗く、光り輝く大きなもの。
“髪の長い、女性の姿にも似た、虹色の巨人“
その輝きに、目を奪われる。
「きれい…」
ドンと激しい衝撃。
倒れ込む母。
美しい怪物は、人影に隠れて見えなくなる。
「走って、ハルカ!走ってー!」
耳元で母の大きな声が聞こえ、私は無我夢中で走った。
怒ったような怖い声。
逃げるように必死に走る。
走る私。
その横を、大人たちが追い抜いていく。
息が切れるほど、一生懸命走る。
前を走る人たちに、どんどんと置いていかれる。
ばああああああああああああん
眩い光が背後から突き抜けた。
そして、突然の静寂。
クラクション、喚き声、足音。
それらが瞬時に聞こえなくなる。
驚いて振り返る。
一面が荒野のよう。
さっきまでの街並みはどこにもない。
一瞬で消えてしまった。
人、車、建物。
そして、お母さんが。
「…おかあさん…どこ…? おかあさん…?おかあさん!!」
私は何もかもが消えてしまった荒野へ叫ぶ。
道路のアスファルトやビルが、
私から5mほど離れたところを境にして、
何かに切り取られたように消失している。
道路と荒野の境界線をわずかに超えるように、
母のブレスレットが落ちていた。
「走れ!」
前を行く先輩達へ追い付こうと必死に走る。
”Forty minutes”
インカムから無機質な電子音声が聞こえる。
「こっちだ! 乗れ!」
何台ものトラックの列。
迷彩服の男たち。
むき出しのトラックの荷台へ先輩達が飛び乗っていく。
荷台の端を掴んで、私は転がり込むように乗り込む。
ブオオオオオ!
猛スピードでトラックが走り出す。
マフラーが黒い煙を吐く。
“―市内に緊急崩壊警報が発令されました。住民の皆様は速やか指定警戒区画外へと避難してください―“
運転席から聞こえるラジオ。
風になびく髪を耳にかける。
揺れる景色。
ビルを照らす、夕陽の柔らかな光。
ハイウェイを流れる夕暮れの街並み。
誰もいない静かな街は、不思議と綺麗だった。
”Fifty minutes”
「有瀬、お前は初任務だ。離れないように付いて来い」
隣に座っていた水野先輩が、
視線を外したまま、重そうなライフルを点検している。
神妙な顔つき。
「はい、わかってます」
私も腰のベルトに装着された、小型のマシンガンを取り外す。
「順調に避難が進んでるな」
「この辺の奴らはお利口さんだねー。家柄がいい住民が多いんだろうな」
「お前みたいなロクデナシに、家柄なんてもんがわかるのか?」
「あのなオッサン、俺の実家は、田舎じゃソコソコ知れてんだぜ?」
人のいない街並みを見ながら、橘先輩と、葉山先輩がぼやいている。
「もうすぐだ。気合入れろや、新人」
向かいに座る、鬼塚先輩が手元の写真から、私に目を移して言う。
「1時間経った瞬間に奴が現れるからよ」
「…はい」
私は銃器の点検をしながら、目もくれずに相槌を打つ。
「”Z.A.Λ(ザーエーアー)”のカウントは正確やし。嫌なもんや」
鬼塚先輩が右耳につけたインカムを指さす。
「奴が出現したら、“空間崩壊”まではきっちり7分。俺たちが死ぬのを、狂いなく数えとる」
「……アレが出現したら、“共鳴”が始まるんですね」
「そうや。他の奴らは手出しできないからな、俺らがやるしかないわな」
「…わかってます」
「生きて帰りてーやろ」
「…はい」
生きて帰ることができても、
いずれまた、同じように送り出されるだろう。
首に巻かれたチョーカーにそっと触れる。
”Fifty-eight minutes”
「…そろそろだ。飛び出す準備を」
水野先輩が銃器を構えながら、私の準備を急かす。
「怖いか?」
「…怖いです。またアレを見ると思うと…」
「ああ、俺だって見たくない」
”Fifty-nine minutes”
「来るか」
先輩達が左側の街並みへ目を向ける。
私も震える手でマガジンを押し込み、
先輩達と同じ方向へ振り向く。
みんな黙って一方向を見ている。
トラックの走行音が響き渡る。
遠い視線の先。
ぼんやりとした、大きな光の粒のようなものが見え始める。
一か所に集まっていく光の粒子。
目をぐっと見開き、その様子を見つめる。
「………かぐや姫」
”One hour”
ばあああああああああん!!
突然の眩しい閃光に目がくらむ。
光の中から現れる、虹色に輝く大きなもの。
二つの大きな羽を広げている。
例えるならば、クリオネのような姿だ。
ァアーーーーー
まるでオペラ歌手の発声練習のような音がする。
それが合図であったかのように、
先輩たちの全身を、青白い光が包み始める。
確かめるように、自分の手に目をやる。
私の体からも発せられる青白い光。
初めて目にする不思議な現象。
「これが…、Λ(ラーム)粒子の共鳴?」
“Seven minutes left”
バババババッ──
集中砲火が、四方八方から化物に集中する。
すでに展開していた部隊の陽動射撃だ。
数多の弾丸が奴の表面に当たっては、塵のようになって消える。
弾が効かないことは、誰もが知っているだろう。
私たちが奴に近づくまでの間、囮になってくれているだけ。
「飛べ!!」
橘先輩が叫び、ゆっくりと走り続ける荷台から飛び出した。
驚くほど高く。そして遠くへ。
普通の人なら、到底出来るはずもない“超々ロングジャンプ”。
橘先輩は、長い滞空時間を経て、ハイウェイから見えていたアパートの屋上へと着地した。
次々と、他の先輩も飛び出し始める。
「行くぞ!」
「はい!」
水野先輩が飛び出し、私もそれを追おうと体勢を整える。
膝の震えを必死にこらえ、生唾を飲む。
ゆっくりと流れるビルへとタイミングをとり、精一杯のジャンプ。
ターン!
高く舞い上がる私の体。
落ちたら確実に命はないだろう。
鳥が飛ぶような高さだ。
周りの空気が一斉に、私を空へ舞い上がらせようとする。
「…届けえええ!」
目の前の屋上へたどり着こうと、必死に腕を振ってもがく。
ドシン!と音を立てて、目の前の屋上へ着地しては、
私はごろごろと転がった。
脚部への激しい衝撃。
何とか起き上がって、体勢を立て直す。
視線の遠い先には、先輩たちが次々と屋上を跳ねて進んでいく。
それを追うように、次の屋上目掛けて、全力の走り幅跳びを繰り出す。
ゆっくりゆっくりと、化物の方も私たちの方へと迫ってくる。
大きな翼を、ゆらりと羽ばたかせ、重力を無視したような奇妙な浮遊感を纏っている。
化物と接触したビルの外壁が、わずかな塵を残しながら消えていく。
「それ」が通りすぎて、中身が丸見えになったビルは、大きな本棚みたいだ。
“Six minutes left”
ヒュン。
空気を切り裂くような音がしたかと思った瞬間、
奴の翼から、幾千もの光の筋が四方へと広がった。
遠くから悲鳴のようなものが聞こえる。
「こっちだ!化物!」
一番先頭を走っていた橘先輩が銃撃を始める。
ライフルから飛び出す、いくつもの青白く光る弾丸が、
グラデーションがかる弧線を描く。
その曲線の先が化物の表面に当たる。
わずかな光の粒子を放出し、化物の一部が削れていく。
「左から行け! 囲い込む! 流れ弾を当てるなよ!」
先を行く先輩達が、化物から100mほどの距離を取りながら囲み始める。
ピョンピョンと巨体の周りを回り出す、小さな青い光たち。
私も化物へ近づこうと必死に走る。
身体から発せられる青白い光が、化物に近づくほどに強くなる。
「可能な限り接近する! 離れて撃っても効果は薄い!」
「はい!! わかってます!」
私を先導する水野先輩。
奴との間には、まだ数棟のビルがある。
すでに目の前まで来ているのではないかと錯覚する。
十数mを超える巨体が、私の距離感を狂わせている。
ズキン!
ほんの一瞬、胸の奥に鋭い閃光のような痛みが走る。
撃たれた?
驚いて自分の胸を見る。
何もおきていない。
「避けろ!!」
その叫びに、ビクンと神経が跳ねる。
条件反射のように横へと飛び退く。
ハア、ハア……。
荒い息を吐きながら、混乱した頭で周囲を見回す。
化物の翼から伸びた一本の光が、さっきまで私がいた場所を正確に貫き、
ビルの壁面を撃ち抜いて地面へと突き刺さっている。
「視覚で捉えようとするなよ! 共鳴で感じるんだ!」
水野先輩が荒々しく私の服を掴み、ぐいと引き起こして走り出す。
“Five minutes left”
「よし!」
水野先輩のライフルが激しく音を立てる。
奴と距離を取りながら走る先輩。
他の先輩達と同じように、化物の背後に周り込みながら銃撃する。
数本のレーザーのようなラインが、化物の表面をガリガリと削っていく。
私も先輩達に続こうと、
背負っていた小さめのマシンガンを取り外し、照準を合わせる。
私の感情に呼応するかのように、強く青い輝きを放つライフル。
「撃て!!」
「あああああ!」
叫びながら、トリガーを引く。
ガガガガ!と響き渡る音。
「後ろから打つなよ!」
「わかってます!」
私は数メートルの間隔をあけながら、水野先輩を追うように走り、撃ち続ける。
化物は四方八方へ、複雑に並ぶ、細い光線を放っている。
右に左にと光線を避け、高いビルから低いビル、低いビルから高いビルへと、
高低差のあるロングジャンプを繰り返す。
光線を縫うように避けては、化物が見えたら撃つ、
また見えたら撃つということを繰り返す。
幾つもの光線がビルを貫いて、綺麗な丸い穴をあける。
チーズのように穴だらけになる建物。
光線が走った軌跡には、形あるものは何も残らない。
“Four minutes left”
ズキン!
さっきと同じ胸の痛み。
次の光線は、私を狙って来るのか?
足を踏ん張って、飛び上がる準備をする。
「避けろ!」
水野先輩の声に合わせて、私は高く飛び上がる。
その刹那、奴の翼から私が立っていた場所を目掛けて、
数本の束になった光線が放たれる。
私の下を流れる数本の細い光線は、まるで琴のようにも見える。
ズキン!
さっきのジャンプで身体は宙に浮いたまま。
間髪入れずに、次の胸の痛み。
自由落下するしかない私を、奴はロックオンしたのだ。
このままでは避けられない。
「うそ…死ぬ?」
血の気がスーッと引いていくのがわかる。
地面まではあと2秒か、1秒か?
わずかな一瞬が何秒にも思える。
目の前は眩い光。
一瞬の出来事がまるでスローモーションのように見える。
急げ、地面を蹴って避けなければ。
長い浮遊を経て、やっと地面につま先がつく。
今だ! 避けろ!
ドンと強く殴られたような痛み。
奴の細い光線が私の脇腹をかすめるように通る。
激痛ともに弾かれ、宙を舞う。
バァーン! ドドドドドッ!!
屋上に並んだ室外機を、なぎ倒しながら私は吹き飛ぶ。
「…。う…」
重い室外機がのしかかり、身動きできない。
「有瀬!」
水野先輩が叫んでいる。
“Three minutes left”
脇腹が痛い。
というよりも全身が痛い。
うっすらと目を開く。
私の横腹はなくなっていないか。
ビルの穴と同じようなっていないかと、恐る恐る目をやる。
しっかりと脇腹はある。
良かった。
施設で教えられた通りだ。
“かぐや姫の光線は、お前たち適合者には効かない”
……。
これのどこが「効かない」だ。
「立て! 有瀬!」
駆け寄ってきた水野先輩が、私の上の重い室外機を持ち上げる。
「動けるか!?」
「…はぁ、…はぁ。…なんとか」
うまく力が出せない。
「かぐや姫は…?」
化物の姿を探す。
先輩達の頑張りのおかげか、翼はいびつな形に削れている。
“Two minutes left”
「時間がないぞ!」
「わかってるよ!」
虹色の化物は、翼を失ってもなお、巨体を宙に浮かせ続ける
残された胴体が光線を振り回し、先輩を薙ぎ払う。
ピョンと光線を避ける先輩達。
「こいつ!! 暴れ出しとる!!」
「見りゃわかるって。足をすくわれんなよ!」
焦る鬼塚先輩。
光線が葉山先輩を追尾する。
ヒラヒラと葉山先輩はそれを躱す。
光線は葉山先輩を追うのを諦めたのか、
カクっと、鬼塚先輩へと向きを変える
「くっそ! こんな所で死ねるかい!」
鬼塚先輩は間一髪で、光線をかわす。
「もう時間がない。動けるなら攻めろ。ここで死にたくないだろ」
「…はぁ、…はぁ、…わかって…ます」
水野先輩は、化物の方へと走り去っていく。
私は全身の痛みをこらえる。
ヨロヨロと起き上がり、マシンガンを拾い上げる。
腕のブレスレットに血が滴り、赤黒く輝いている。
「はあ…、はあ…、…お母さん」
ヨタヨタと化物へと駆け出す。
銃撃に削られ、クリオネの原型はもうない。
いびつな形をした、大きな丸い玉だ。
「いけるわ! あと少しや!」
鬼塚先輩が、安心したような声をあげる。
「うおっと!」
残った化物の塊から、
鬼塚先輩に向けて光線が斉射される。
隣のビルへ飛び移り、間一髪で避ける。
「なんやねん! うわっ!」
鬼塚先輩が何か言おうとした、その時だった。
ぐらっと先輩の立っているビルが傾く。
そのタイミングに合わせるように、
シャワーのような無数の光線が、鬼塚先輩のいるビルへと浴びせかけられた。
「くそおおおおおお!」
「鬼塚――――!」
葉山先輩の叫び声。
ドオオオオン!!
鬼塚先輩が立っていたビルが崩れ落ち、
砂埃がもくもくと立ち上がる。
先輩の姿が見えない。
「鬼塚! くそ!!」
葉山先輩が高く飛び跳ねる。
数本の光線が、葉山先輩の足元を貫く。
“One minute left”
「ゼロ距離で削りきる!」
水野先輩が飛び上がる。
網のような光線の隙間を、針の穴を通すようなジャンプ。
眼前の化物の皮膚へと、銃口を押し付けトリガーを引く。
ガガガガ!
銃口のあたる周辺から、みるみる内に化物が崩れていく。
重い身体に鞭を撃つように、何とか私も化物へ駆け寄る。
ビル一つ向こうに見える化物。
僅かな距離が遠くに感じる。
体中が、胸が、痛い、痛い、痛い。
ズキン!ズキン!ズキン!
「う、うわああああああああああああ!!!!」
よろめきながらも、右へ左へめちゃくちゃに走る。
幾重もの細い光線が、何度もギリギリを掠める。
出せる全力を振り絞って走る。
「はあ!はあ!はあ!はあ!」
肺が痛くなる。
“走れ”
“走ってー”
“走ってー!ハルカー!”
“走って!ハルカ!!走ってー!!”
幼いころの母の声が、私の中に響く。
「はあ! はあ! 走ってるよ! はあ! はあっ! 今もっ! ちゃんと!!」
“30 seconds left”
化物の間近に迫り、
ぶつかってやるぐらいの気持ちで、高く跳躍する。
「私、走ってるよ! お母さん!!」
マシンガンを輝く球体に、突き立てるようにしてトリガーを引く。
ガガガガガガ!
“10”
“9”
“8”
「お母さん!……お母さん!!」
マシンガンの反動でブレスレットが激しく揺れる。
“5”
“4”
残弾なんてわからない。
弾丸が切れるまで撃ち続ける。
銃口のあたる部分から、削られた光の粒子が飛び散っていく。
揺れるブレスレットが、キラキラと輝いている。
“3”
“2”
“1”
“0”
“Time limit reached“
ストンと、ビルの屋上に着地する。
辺り一面に、かぐや姫の残骸がキラキラと舞う。
「はあ……はあ……」
終わったのか?
恐る恐ると水野先輩を見る。
水野先輩も息を切らしながら私を見る。
先輩を包む青白い輝きが、ゆっくりと光を失っていく。
強張った顔。
少し微笑んでいるようにも見える。
幾億もの蛍が揺らめくような、光の粒子が私たちを包んでいる。
まるで私たちを祝福するように。
※ありがとうございました。
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よろしくお願いします。