1. セーラー服とローファーの関係性について その一
2025.5.26
少し改訂しました。
魚滑美琴はつくづく思っている。
セーラー服にはローファーが映える、と。
勿論女子用の制服がセーラー服ではない学校も多々あるし、そもそも男子用の制服にだって、ローファーは似合う。
さらに言ってしまえば、ローファーは制服でなくったって似合う。スカートにも、ワンピースにも、ズボンにも。靴下を履いていたって、タイツやストッキングを履いていたって、よもや裸足だったって。
それでも。
セーラー服はローファーなしでは制服たりえない、完成しない。
魚滑美琴は、そう信じている。
だから。
というべきなのだろうか。
魚滑美琴はセーラー服を着て、今、ローファーに足を入れようとしている。
色は黒。光沢の美しさは、このローファーがいつもどれだけ丁寧に手入れされているのかを物語っていた。
黒。
魚滑美琴は黒色のローファーを好む。
別に茶色のローファーがゴキブリを連想させるからではない。魚滑美琴はゴキブリが苦手なわけではない。今文章に出てきているその虫を表すカタカナ四文字が、○○○○になってほしいなどとは微塵も思っていない。
とにかく、魚滑美琴はゴキブリが苦手なわけではない。
決して。
何だか話が脇道に逸れてしまったが、そう。
黒。
全てを吸収する色。
そんな色をまとったローファーを。
魚滑美琴は。
履いた。
そして。
異世界に、跳んだ。