ミラーエンジェル
初投稿です。
これは、僕が勇者(仮)になる話……
「ミラーエンジェル」
序章
僕の名前は大輔、普通の高校生だ。
(今まで惰性で生きてきた。習い事や受験勉強……そして趣味や恋愛まで逃げてきた。今まで何故一生懸命に現実と……向き合わなかったのだろう……)
そんな風に自分を卑下しながら今夜も学校の補習に向かう。
学校…
先生「まぁた古典赤点か、大輔…これで何回目だ?いつもライトノベル読んでる癖に何故赤点を取ってしまうんだ…?」
先生は呆れながら呟いた、自分だって赤点回避したいが実際問題そううまくは行かないもので事実古典だけは二年からずっと赤点なのだ…本当に何故かは分からない。
大輔「はいはい……この補習受けりゃ良いんでしょ」
淡々と先生と二人の沈黙の時間が発生する。そして何も言葉を交わすこともないまま補習は終わっていって先生は呟いた。
「もうお前も高三の年だ。就職や進学の事もあるから夏休みの間、色々考えてみなさい」
先生はそう言葉を残し教室から去っていった。
(自分も帰ってゲームしたいしなぁ……)
そう思いながら教室を後にし、下駄箱に向かって歩き始めた。
自然と高校生活の懺悔と後悔の念が強く心の中に残っている。
(あの時なんで前に進まなかったんだろう……なんで友達の遊びの誘い全部断っちゃったんだろう……)
そんな考えでひたすら自分を責めたくなるが、それだと自分のメンタルが持たなくなる。そう思い、悔しい感情を抑えながら、下駄箱から靴を履いて学校を後にした。
その時だった。現実世界では考えられない出来事に遭遇してしまったのだ。
「うぎャァァァァ!!なんだコレは!?」
突然周りが真っ白になった。いきなりの事で非現実な出来事なあまり阿鼻叫喚した。その後、倒れ込む様に目を瞑ってしまった。
気づいた時には、一面の湖が広がっていた
どれくらい時間が経ったんだろう。そこにはあるはずもない学校が存在していた。
「嘘だろ?さっき白い空間に引き込まれて……学校は……そんな筈……」
ボソボソ独り言を吐いてる時に誰かが僕に話しかけてきた。その声の主の方を振り向くと、綺麗な少女が立っていた。例えるなら魔法少女の様な格好をした、いかにもアニメに出てきそうなヒロインだった。
「……貴方もここに来たの?」
そう彼女は僕に話しかけてきた。
「ああ、そうだよ」
少しカッコつけてしまったかと内心後悔をする。
「良かったぁ〜私もこの世界に迷い込んじゃって……同じ状況の人がいないのかな? って探してたの!」
彼女は安堵した表情で僕を見つめてきた。
(どう返せばいいんだコレ……しかもこの子めっちゃ可愛いし……)
僕は取り敢えずこう尋ねた。
「ここはどこなの?」
彼女はぽかんとした表情をした。
「貴方、ここに来たばっかりなのね……ここはどうやら鏡の世界らしいのよ。ほら、これを見て?」
少し呆れた表情をしながら、彼女は壁を触ってみせる。その瞬間……壁がピカッと反射して、元の世界が映し出される。
僕は非現実的すぎる出来事にドン引きをした。
「なんなんだよ……これ……」
「ビックリするのも分かるけど、取り敢えず此処で立ち話をするのをあれだし、散歩しながら話さない?」
彼女が提案をした直後、大きいカシャカシャカシャと大きい鎧の音が聴こえてきた。彼女は突然、僕の口元を押さえて静かにこう発した
「……黒殺旅団の傭兵達だわ」
自分は突然の出来事に驚きこう答えた
「黒殺旅団って何? 兵隊? なんであんな所にいるのさ」
「私にもわからないわ、黒殺旅団に見つかると色々と面倒なの、遠回りして逃げよう」
彼女は僕の手を取りゆっくりと歩き出したその時だった、僕は誤って木の棒を踏んでしまい、パキッと音が鳴る。 「あ、ヤベッ」僕らに気づいたのか、傭兵達は急いでこちらに向かってきた。傭兵はこう発した
「おい……なんで俺らの領地に違法移民が居るんだァ?」
「僕らはここに迷い込んでしまっただけなんです!」
必死の言い訳を垂れてこの場から逃れようとしたが、現実問題そうはいかず……
「こいつら二人ごと人身売買で売るぞ……!!オイお前ら……襲え!」
彼等は聞く耳を持たず、僕ら二人に襲いかかってきた!
その瞬間。隣にいた彼女が急にマジカルステッキを取り出す。
「吹き飛べ!!!」
彼女が叫ぶと同時にステッキの先端が光始める。次の瞬間、近くにいた傭兵二人をを吹き飛ばしたのだ。
彼女は突然僕の手を取り走り始めた。
「此処も長くは持たないから遠くまで逃げましょ」
僕らは必死に走った……その時だった。ファンタジーアニメに出てきそうなデカい傭兵の戦士が僕達に襲ってきたのだ。
「ウオオオオオ……!!!」
その男はまるで突進してくる様だった。
(まずい……!避けれない…‼︎)
男は猛スピードで突進してきた……その速さはまるでゲームの必殺技の様だ。
僕はその瞬間、避けられず吹き飛ばされ、壁に叩きつけられてしまった。鈍い音が辺りに響く。骨を何本か持ってかれた様だ。
デカい傭兵は再攻撃をしてくるらしく、もう一回ものすごい勢いで突進をしてこようとしていた。
(僕は死ぬのか?此処で……)
そんな中、彼女が僕の前に立つ。
「まだ終わりじゃないわ! 傭兵よ……吹き飛べ……‼︎ 」
しかし、ステッキの先端からは何も光が出ず、傭兵は吹き飛ばなかった。
「どうして吹き飛ばないの…!? お願い、力を貸して……!」
彼女の願いは虚しく、ステッキは反応しなかった。彼女の凛々しかった表情が、絶望に変わっていくのが分かる。
(……ここで、僕達ゲームオーバー……なのか?)
メガネのレンズが潰れて視界が有耶無耶になってる中、僕の足元のにはボロボロの錆びた剣が一つ置いてあった。
(お願いだ、悪魔でも神でもチートでもなんでもいい……今だけ力を貸してくれ……)
僕は剣をゆっくり剣を手に取る。
次の瞬間、錆びていた剣は僅かに光り始めた。
(今しかない……‼︎)
僕は走って傭兵に飛びかかる。
そして、光る剣で傭兵の体を切り裂こうとした。
しかし、剣が傭兵の肩で止まってしまい、それ以上切り裂くことが出来なかった。
(今まで惰性で生きてきた。習い事や受験勉強……そして趣味や恋愛まで逃げてきた。今まで何故一生懸命に現実と……向き合わなかったのだろう……それでも、今の僕なら出来る気がする、もう逃げない……僕はこの世界で生きていく……!!)
「その剣でコイツを倒して!お願い!」
「うおおおおおお!!突っ込めェェ!! 」
剣が傭兵の体を切り裂く――
次の瞬間、傭兵は倒れ込んだ。
「勝ったのね……?」
「うん、なんとか勝てたみたい。」
僕は疲れ果てて地面に倒れ込んだ。
「貴女これからどうするの?」
「これからって…勇者になったつもりなんてないけど???」
彼女は少しむすっとした表情をする。
「一緒に冒険してやらない事もないけど」
僕は少し表情が明るくなっていく。
彼女の表情も少し明るくなって見えたがそれは太陽が昇っているからだろう。
「一緒に行きます! ついて行きます!」
こうして僕達の冒険が始まった。