第46話 ジェイドの思い
始めまして、白黒西瓜です。
某鉄道会社のキャラクターが好きでこの名前にしました。
ロードオブザリングが好きで、その世界観をオマージュした小説を書いてみたいと思って小説に挑戦しましたが、全く違うものになりました。
若い夫婦の旅物語です。母の仇を打つべく自分を鍛え上げた娘ジェイドと、不本意ながらも彼女の復讐の完全成功に導くために頑張る結婚相手のエイナーとの旅物語です。
今の所、毎週水、土、日の14:30に新しいエピソードを更新しています。
自分でこの小説を書いていても、人の名前や地名など混乱してしまうので、参考資料としてざっくりとした世界観説明用地図と家系図を載せておきます。理解の参考にしていただけると幸いです。
参考資料:
地図
家系図
登場人物が増えたので追記しました。
リュウ・ズーシュエン(劉紫轩):虚明堂の副堂長
ヤン・リーイン(楊日瑩):ムーランと同一人物
リュウ・ズーハン(劉紫涵):ジェイドと同一人物
マラト・ベルカント:ある組織の幹部、ジェイドの仇
ジャーダン・ナラハルト:モラン国王の娘婿、国王の摂政(マラトと組んでモラン国を拡大させていると言われている。)
アラン2世:モラン国王(体調不良で表には出てこないと言われている。)
アクセル・ゲイラヴォル:軍でのエイナーの上官
ヴォルヴァ・ゲイラヴォル:アクセルの妻
テュール(8) 、マグニ(6)、ダグ(4)、エーシル(1):ゲイラヴォル家の子どもたち(年齢)
サムート・ハン:エイナーの文通相手だったアルーム国の王子
ヤン・フォンミン(楊楓明):ユーリハ国王軍の司令官、ズーシュエンの母方の従兄
タユナ・ハイネン:ユーリハ国王軍の副司令官
アリマ:ユーリハ国王軍の女性兵士、ジェイドの友だち
ジョゼフ・テオ:ある組織の創設者
ヤン・シィェンフゥア(楊仙華):ズーシュエンの母親、虚明堂の前堂長
リュウ・シュエンュエ(劉轩月):ズーシュエンの父親、菓子屋
リュウ・ュエフゥア(劉月花):ズーシュエンの妹、虚明堂の現堂長
シャンマオ(バナジール):西山で洋食屋をやっている元(現役?)ハリスの部下
ソフィアとその祖母:ナルクで出会った麦畑の少女とその祖母
師匠 マチアス・ジュノー:ジェイドの師匠、元軍医、東アルタ在住
ペペとムー:ジェイドの犬たち
餅:ジェイドが飼っていた猫
ヤン・ジンウェン(楊金温):ピブラナ国の首都ボヤーナで医師をしている女性
ヨナス・デスモン:ピブラナ王室に送り込まれた、マラトの部下
バナム・アルマン:南モラン地区(旧アルーム国)の物資調達責任者、モラン国大臣代理
アルタイル(通称:アル):バナムの部下
カジャナ・ポナー:サムートの主治医
ナズ:カジャナ医師の助手
アスリ:カジャナ医師の助手
メイ・モーイエ(梅莫耶):旧アルーム国の首都グレナディで医者をしている女性
「…マラトを討つだって……?」
サムートは、顔を上げて二人を見つめながら言った。
「ああ、そうだよ。」
エイナーがサムートに断言した。
「そんなの無理だよ。あいつは、陰に隠れて表に出てこない。いつも、献身的な側近たちに守られている。」
「それでも、探し出して奴を討つ。私は、母上の仇を取る。」
ジェイドも答えた。
「君たちは、奴らがどんな相手かを知らないから、そんなお気楽なことが言えるんだ。」
そう言って、サムートは二人に背を向けた。
「済まないが、今日は帰ってくれ。」
サムートの肩が震えていた。
「分かった、また来るから。」
そう言って、エイナーはジェイドと伴にサムートの部屋を後にした。
「そう簡単にはいかないものだな。」
誰に言うともなしにエイナーが呟いた。
「そもそも、サムートが本当に望んでいるのかどうかも分からない。」
ジェイドがそれに答えるように呟いた。
「そうなのかな、望んでないなんてことあるのかな?」
エイナーは、そんなことを夢にも思っていなかった。
「彼の本心は、誰も分からないよ。でも、あのままじゃ辛すぎるだろうな。」
サムートの部屋の方に振り返りながら、ジェイドが呟いた。
「サムートの本当の気持ちを確かめるには時間がかかりそうだな。でも、今日はジェイドの気持ちが知れて良かったよ。」
そう言って、エイナーは少し照れくさくなって頬を赤らめた。
「私は、自分の気持ちとか考えを人に伝えるのが苦手だから……正直、自分でも良く分かってないこともある。でも、さっき言ったことは本当だし、エイナーには心から感謝している。」
そう言って、ジェイドも照れくさそうに笑った。
「よかった。時々、後悔していたんだ。ジェイドは本当は来たくなかっんじゃないかって。それを私が無理やり連れてきてしまったんじゃないかって。」
そう言っているエイナーの顔を、ジェイドは下から覗き込んで、
「不思議なことを言うね。それはないよ。」
そう言って、笑った。
「安心したよ。」
「ただ、生きて帰れないかもとは思っていた。以前の私の構想では、良くて相打ちだったからね。」
エイナーがジェイドに目をやった。前を向いていたジェイドもエイナーに目を向けた。
「でも今は、生きて帰れるような気がしている。きっと、一人じゃないって思えるからだろうな。もしくは、エイナーの能天気がうつったのかもしれないな。」
「ひどいな。」
そう言って、また二人で笑った。
翌日、エイナーは一人でサムートに会いに行った。
「こんな腑抜けになった私を見て、さぞ落胆しただろうね。」
サムートが俯いたまま言った。
「落胆はしていないし、君の身に起きたことは、私には想像がつかない。でも、まだ何も終わってないんじゃないかなって思うんだ。」
サムートが顔を上げた。
「終わってない……?」
「ああ、何ていえばしっくりくるのかな?一連の出来事は終結していないし、どちらかと言えば君の手の中にあるように思うんだ。どういう結末になるかは、君次第なんじゃないかって。」
それを聞いたサムートが少し卑屈気に笑った。
「君は相変わらず前向きだな。そういう所好きだよ。でも、人には限界ってものがあって、この出来事は私がどうこう出来ることではなくなったんだよ。」
「本当にそうなのかな……本当はどうしたいの?」
このエイナーの問い掛けで、サムートの目に怒りが宿ったように見えた。
本日もお読みいただきありがとうございます。
いかがでしたでしょうか?
おしゃれキャンドル屋さんの前を通り過ぎた時に、とても素敵な香りがしてきたので、お店の人に「この香りのキャンドルはどれですか?」と聞いたところ、「全部の香りが混ざってこうなっています。」と言われました。そうだよな、、、って思って、気に入ったキャンドルを2つ買いました。2つ一緒に付けると良い感じです。




