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第33話 再会

始めまして、白黒西瓜シロクロ スイカです。

某鉄道会社のキャラクターが好きでこの名前にしました。


ロードオブザリングが好きで、その世界観をオマージュした小説を書いてみたいと思って小説に挑戦しましたが、全く違うものになりました。

若い夫婦の旅物語です。母の仇を打つべく自分を鍛え上げた娘ジェイドと、不本意ながらも彼女の復讐の完全成功に導くために頑張る結婚相手のエイナーとの旅物語です。


今の所、毎週水、土、日の14:30に新しいエピソードを更新しています。


自分でこの小説を書いていても、人の名前や地名など混乱してしまうので、参考資料としてざっくりとした世界観説明用地図と家系図を載せておきます。理解の参考にしていただけると幸いです。


参考資料:

地図

挿絵(By みてみん)


家系図

挿絵(By みてみん)


登場人物が増えたので追記しました。

リュウ・ズーシュエン(劉紫轩):虚明堂の副堂長

ヤン・リーイン(楊日瑩):ムーランと同一人物

リュウ・ズーハン(劉紫涵):ジェイドと同一人物


マラト・ベルカント:ある組織の幹部、ジェイドの仇

ジャーダン・ナラハルト:モラン国王の娘婿

アラン2世:モラン国王


アクセル・ゲイラヴォル:軍でのエイナーの上官

ヴォルヴァ・ゲイラヴォル:アクセルの妻

テュール(8) 、マグニ(6)、ダグ(4)、エーシル(1):ゲイラヴォル家の子どもたち(年齢)


サムート・ハン:エイナーの文通相手だったアルーム国の王子


ヤン・フォンミン(楊楓明):ユーリハ国王軍の司令官、ズーシュエンの母方の従兄

タユナ・ハイネン:ユーリハ国王軍の副司令官

アリマ:ユーリハ国王軍の女性兵士、ジェイドの友だち


ジョゼフ・テオ:ある組織の創設者


ヤン・シィェンフゥア(楊仙華):ズーシュエンの母親、虚明堂の前堂長

リュウ・シュエンュエ(劉轩月):ズーシュエンの父親、菓子屋

リュウ・ュエフゥア(劉月花):ズーシュエンの妹、虚明堂の現堂長

シャンマオ(バナジール):西山で洋食屋をやっている元(現役?)ハリスの部下


ソフィアとその祖母:ナルクで出会った麦畑の少女とその祖母


師匠 マチアス・ジュノー:ジェイドの師匠、元軍医、東アルタ在住

ペペとムー:ジェイドの犬たち

ピン:ジェイドが飼っていた猫


ヤン・ジンウェン(楊金温):ピブラナ国の首都ボヤーナで医師をしている女性

ヨナス・デスモン:ピブラナ王室に送り込まれた、マラトの部下

 国境から旧アムール国の首都グレナディまでの道すがら、戦闘で崩れた遺跡や寺院、ダメージを受けた集落などを目にして、この辺りでも戦闘があったことが見て取れた。


「首都グレナディはどうなってるんですかね?」

 心配そうな表情でエイナーが誰とはなしに尋ねた。


「行ってみないと分からないな。」

 マチアスも心配そうな顔で答えた。




 グレナディの城塞が遠くに見えてきた。城塞の壁の上から、数本の塔と、高台にそびえる石造りの重厚な城が見える。塔の上にはためく旗は、赤いアムール国のものではなく、黒いモラン国の旗である。



 数年前にエイナーが訪れた時には、アムール国の旗がはためいていた、街は活気があって、大きな通りの両脇には小さな店が立ち並び、所狭しと品物が並べられていた。色とりどりの布、絨毯、アクセサリー、美しいガラス細工などなど、他にも何に使うのか全く分からない物も沢山あったが、どれも美しく輝いて見えた。


 城から臨む街の景色は、オレンジ色の屋根の家々が美しく、サムートが誇らしげに街の様子を説明してくれた。



 城塞の入口で、関所で渡された札を見せると、二、三簡単な質問をされ、その後、中に通してくれた。

 城塞の中は、以前の様な活気はなく、どこかどんよりとした空気が流れていた。

 通りの両脇に並ぶ店は、二割程度しか営業しておらず、野良犬が街中をフラフラとうろついていた。


「一先ず、城に向かいましょう。」

 エイナーが提案した。


「城にどうやったら入れてもらえるのか、考えているのか?」

 マチアスがエイナーに尋ねた。


「何が一番いいのか……シャナーム王子とパナート王子の推薦状を見せるのが良いのか?サムートの旧友だというのが良いのか?何かを買ってもらいたいというのが良いのか?一歩間違えると、入れてもらえないどころか、捉えられる可能性もある。」

 そう言って、エイナーは深くため息をついた。


「この状況じゃ、街中じゃ商売にならない。折角、危険な道のりをやって来たのだから、城内の担当者と話がしたいと言えば、通してくれるんじゃないのか?売るものは、先方の要望を確認して決めればいい。」

 ズーシュエンが提案した。




 城の正門前に四人は居た。


 両手を紐で縛られ、罪人のような扱いを受けている人たちが、正門から十数人ほど1列になって出て来た。どこに連れて行かれるのだろうか?彼らは何をしたのだろうか?そう思いながら一行はその様子を眺めていた。


 正門が閉まり辺りが静かになったので、門番にエイナーが話しかけた。

 街中では商売にならないから、どうしてもここを通して欲しいと言って、門番に金を握らせた。門番は無表情で、直ぐに門を開けて通してくれた。


「まっすぐ進むと、三階建ての白い建物があって、そこの物資調達部署の担当者に相談するように言われました。」


 暫く進むとその建物があった。正面の扉が開いていたので、そこから入ると、そこには、商人とその護衛らしきものが数組いて、何かを待っているようだった。


「名前と要件をここに書け。」


 やって来た役人にそう言われ、エイナーは自分の名前と要件を書いて役人に渡した。


「ここで暫く待て。」


 そう言われ、四人は椅子に座って待った。時々、役人に呼ばれて奥の部屋に入っていくグループがいた。一時間程度待っただろうか、やっと名前が呼ばれて、四人は奥の部屋に入った。


「どなたが商人で、何を提供いただくことが出来るのでしょうか?」

 生真面目そうな男性の役人がそう質問をしてきた。


「私はガイアムのノーサンスト、こっちがイルダルのスノースバン、こっちが西山から来た商人です。もう一人は護衛になります。広い範囲の商品をカバーできると思いますので、もしよろしければどういったものが必要か教えていただけませんでしょうか?」


「随分変わっていますね。どういうご関係ですか?」


「ここは、元々の知り合いで、こちらとは旅の途中で知り合いました。危険な地域に入るので一緒の方が何かと都合がよかったので。」

 エイナーは嘘ではないと思いそう答えた。

 元々の知り合いはエイナーとジェイド、ズーシュエンが途中で知り合った人である。


「そうですか、でも、個人で商売をしているならば、そこまで手広い品数はカバーできないでしょう?」


 そう聞かれて、少し躊躇したがエイナーはトレーダーの割符をその担当者に見せた。ジェイドもエイナーに続いて自分の割符を見せた。


「領主直属の商人でしたか、それならば確かに手広い品数を手掛けてらっしゃるはず、でもどうしてそんな方々がこんな危険なところに?」


「単純なことです、儲かると聞いたのでやってきました。」


「そうですか、分かりました。」


 そう言って、生真面目オールバック眼鏡の役人が部下に何かを言うと、その部下が一枚の紙を持ってきた。


「こちらが、今、我々が欲しい物資の一覧です、提供いただけるものがあれば、そこにチェックいただき量を記載してください。金額交渉はその後で。今日じゃなくても結構です、後日またいらっしゃってくださっても大丈夫ですよ。」


 エイナーが礼を述べて席を立とうとしたとき、生真面目役人が突然の提案をした。


「城外は危険だ。もしよかったら城内に皆さんの宿泊場所を用意しますよ。今後、物資調達の際はいろいろとお世話になることも有ると思いますので、どうでしょうか?持ちつ持たれつってことで。」

「それは有難い。でも、まだ何の実績もないのに、良いのですか?」


「勿論、今後存分に貢献いただければ、何も問題ありません。」


 そう言って、オールバック眼鏡がニヤッと笑った。

 気味の悪い笑いで、エイナーは自分の背中が少しゾクッとしたような気がした。




 四人で一部屋を準備してもらい、一先ずその部屋に入り、四人でその部屋に覗き穴などがないかを、壁、床、天井とくまなく確認した。


 案の定、壁の背丈よりも高い所に、隣の部屋が覗けるような穴が作られていた。ただの穴かもしれないが、人口的に作られたもののようで、覗くと、となりの部屋では穴に布をかぶせているらしく、こちらからは覗けないようになっていた。

 もし隣の部屋に誰かいれば、ここから自分たちの話は丸聞こえだし、覗かれれば丸見えだ。


「隣が何の部屋かは分かりませんが、念のため、差し支えのない話に留めた方がいいですね。」

 小声でエイナーが三人に言った。


「一日中、馬鹿話でもするか。」

 マチアスがそう言って、ベッドに横になった。


「でも、出歩くなとは一言も言っていませんでしたね。」


「確かに。」

 ジェイドが答えた。




 四人で動くと目立つので、二人ずつ外を見て回ることにした。


 まずは、エイナーとジェイドが外に出た。

 役人や護衛とすれ違ったが、特に何か注意を受けることもなかった。


「他にも、自分たちと同じような商人が、ここに宿泊してないかな?だったら、状況を聞けるのになあ。」

 そういって、二人で他の商人らしき人物も探したが、出会うことは無かった。


 暫く、城の周りを探索し、今日の所はこのくらいにしてと、宿泊している部屋がある建物に向かって帰ろうとしたとき、城の窓から誰かがこっちを見ているのに気づき、エイナーは顔を上げた。


 そこには、サムート・ハンが立っていた。


 窪んだ彼の目が自分に釘付けになっていることが分かった。

 自分も彼を見つめ返し、挨拶代わりに、自分の顔の前で拳を強く握りしめた。


 距離があるが、彼はとてもやつれているように見えた。

今回もお読みいただきありがとうございました。

いかがでしたでしょうか?感想などいただけると嬉しいです。

次回は、8月24日(土)14:30を予定しています。

宜しくお願いします。


小話のネタが、、、

幼稚園時代、お昼ご飯には、麦茶か牛乳か選べて、どちらかを飲みながらお弁当を食べるというスタイルでした。

誰かが、麦茶と牛乳を混ぜるとコーヒー牛乳になるんだぜ!的な話をして、混ぜて飲んだら、確かにコーヒー風味牛乳になったような気がしたことを思い出しました。

だからと言って、今やろうとは思わない。大人になったな。。。

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