第25話 救護チーム到着
始めまして、白黒西瓜です。
某鉄道会社のキャラクターが好きでこの名前にしました。
ロードオブザリングが好きで、その世界観をオマージュした小説を書いてみたいと思って小説に挑戦しましたが、全く違うものになりました。
若い夫婦の旅物語です。母の仇を打つべく自分を鍛え上げた娘ジェイドと、不本意ながらも彼女の復讐の完全成功に導くために頑張る結婚相手のエイナーとの旅物語です。
今の所、毎週水、土、日の14:30に新しいエピソードを更新しています。
自分でこの小説を書いていても、人の名前や地名など混乱してしまうので、参考資料としてざっくりとした世界観説明用地図と家系図を載せておきます。理解の参考にしていただけると幸いです。
参考資料:
地図
家系図
登場人物が増えたので追記しました。
リュウ・ズーシュエン(劉紫轩):虚明堂の副堂長
ヤン・リーイン(楊日瑩):ムーランと同一人物
リュウ・ズーハン(劉紫涵):ジェイドと同一人物
マラト・ベルカント:ある組織の幹部、ジェイドの仇
ジャーダン・ナラハルト:モラン国王の娘婿
アラン2世:モラン国王
アクセル・ゲイラヴォル:軍でのエイナーの上官
ヴォルヴァ・ゲイラヴォル:アクセルの妻
テュール(8) 、マグニ(6)、ダグ(4)、エーシル(1):ゲイラヴォル家の子どもたち(年齢)
サムート・ハン:エイナーの文通相手だったアルーム国の王子
ヤン・フォンミン(楊楓明):ユーリハ国王軍の司令官、ズーシュエンの母方の従兄
タユナ・ハイネン:ユーリハ国王軍の副司令官
アリマ:ユーリハ国王軍の女性兵士、ジェイドの友だち
ジョゼフ・テオ:ある組織の創設者
ヤン・シィェンフゥア(楊仙華):ズーシュエンの母親、虚明堂の前堂長
リュウ・シュエンュエ(劉轩月):ズーシュエンの父親、菓子屋
リュウ・ュエフゥア(劉月花):ズーシュエンの妹、虚明堂の現堂長
師匠:ジェイドの師匠、元軍医、東アルタ在住
餅:ジェイドが飼っていた猫
ハンナから、ジェイドとアリマは、パナート王子主催のお礼の食事会で着るためのドレスを準備するからと、好きな色を教えて欲しいと言われ、ジェイドは青、アリマは赤だと伝えていた。そのドレスが出来上がったので試着に来るようにとハンナの部屋に呼ばれていた。
アリマはどんなものが出来上がってくるのかと待ちきれない気分で妃の部屋に向かった。ジェイドは特に興味がなかった。
「凄いよ、これ花嫁衣装みたいだよ。」
と、ドレスを着たアリマが嬉しそうに言った。
袖口が広い真っ赤なワンピースに、豪華な金色の刺繍が入っている。可愛い植木鉢を逆さにしたような帽子に白いベールが付いている。
「こっちの人は、こういうドレスを着るんだな。」
と、ジェイドはアリマと色違いのドレスを着て、興味深そうに言った。
「ガイアムやイルダルで着るようなドレスは取り寄せないと手に入らないの。でも、これもこれで素敵だと思うの。二人とも凄く似合っているわ、お直しもいらなそうでよかった。じゃあ、この後はお化粧と髪のセットもあるから、気合入れて綺麗になって来てね。私も準備しないと。」
と、ハンナが嬉しそうに言った。
「腹が減ったな。今日はお夕飯が豪華だからと朝も昼も少なめにしか準備してくれなかった。ああ、それよりもズーシュエンのご飯が食べたいよ。」
と、髪を結われながらジェイドは愚痴をこぼした。
「あれだね、ズーシュエンはジェイドのお父さんじゃなくて、お母さんだね。」
と、アリマが言った。
「そうだと思う、お母さんだと思う。」
と、ジェイドも答えた。
「ハンナ妃は本当にパナート王子に愛されてるよね。普通は少なくても第三妃までは持つのに、どんなに周りから言われても次の妃を迎えないんだよね。」
と、アリマが感心して言った。
夕方になり、二人は、紫色のドレスをまとったハンナとともに夕食会場に向かった。
会場に入ると多くの家臣たちと王子が待っていた、家臣に混ざって、エイナーとズーシュエンも着席していた。家臣のフォンミンも並んで着席していた。
「聞いてないよ。これ単なる夕食会じゃないよね。」
と、ジェイドが呟いた。
「私たちどういう位置づけなの?これ?」
と、アリマも小声でジェイドに言った。
ハンナはパナート王子に手を引かれ自分の席に着いた。二人も係の者にエスコートされてハンナの隣に座った。
王子が立ち上がると、ハンナも家臣たちも立ち上がったため、二人も急いで立ち上がった。
「今日は、王妃と王子、王女の命を救ってくれた、ここにいる勇敢な二人へ感謝の意を込めて、また、日頃の皆の忠誠と労をねぎらい、この会を催した。心行くまで楽しんでいってくれ。」
と、パナート王子が開会の言葉を述べ乾杯をした。
その後は、豪勢な食事が振舞われ、踊りや音楽などの余興が催された。
王子や家臣たちがジェイドとアリマの所にも挨拶に来た。ジェイドは何とも言えない表情でひたすら彼らを往なしていった。アリマは、日頃話をすることがないお偉いさんたちから声を掛けられ、どぎまぎしながら硬い表情で受け答えをした。
暫くすると、もう誰も挨拶に来なくなり、二人は食事と余興をゆっくり楽しむことが出来た。
また、暫くすると会がお開きになり、ハンナ、ジェイド、アリマは退席して別の部屋に移動することが出来た。残りたいものは残ってこの後も心行くまで楽しむらしい。
「途中までは生きた心地がしなかった……」
と、アリマは言いかけて、ハンナ妃がいることを思い出し、
「ダンスも音楽も素敵で、お料理もとても美味しかったです。」
と言い直した。
「いいのよ、遠慮しなくって。私もああいう席は苦手なの。本当は。」
と言って、ハンナが笑った。
「今日は、アリマにも部屋を用意してあるから、この後は城内に泊まって行ってね。ジェイドはいつまで軍の宿舎で寝泊まりしてるの?客間の方に泊まってと何度も言っているのに。」
とハンナに言われ、ジェイドは答えた。
「食事付きで全く不自由してないからなあ、居心地良いし。今の所でいいですよ。もう少しで出発しますし。」
「その事なのだけれど、エイナーも入れて話をしたいの。」
と、真面目な顔でハンナが言った。
アリマは準備された部屋に案内されて部屋を出た、入れ違いにエイナーが部屋に入って来て、
「アリマ、近くで見るとより綺麗だね。フォンミンも綺麗だって言っていたよ。」
と、すれ違いざまにエイナーがアリマに言った。
「あ、ありがとう。」
と、頬を赤らめて俯きながらアリマは去って行った。
エイナーがソファーに座るとハンナが真面目な顔で言った。
「エイナー、貴方がどうしてもサムートに会いに行くというのならば、ジェイドはここに残していく方が良いと思うの。いくら彼女が強いとはいえ危険すぎるもの。ロアンも心配していたわ。」
思いがけない提案にエイナーがどう答えようか迷っていると、ジェイドが答えた。
「違うのです。エイナーが私のわがままに付き合ってくれてるんです。」
「どういうこと?」
と、ハンナに問われ、ジェイドは周りにいるハンナ妃の従者たちを一瞥し、
「ここでは、詳しくお話しすることは出来ません……」
と口籠ったため、ハンナが人払いをして再び同じ質問をすると、ジェイドは小さな声で答えた。
「私は、私の母を殺した者に復讐をするため、モラン国に向かっています。」
ハンナは一瞬自分の耳を疑い、同じことを聞き返した。
「え?どういうこと?」
「母のムーラン・ドゥゴエルの仇である、マラト・ベルカントを倒すためにここに来ています。だから、私が行かないという選択肢はありません。」
と、ジェイドは答えた。
ハンナは語気を強めてエイナーに言った。
「エイナー、何で彼女を止めないの?ハリスさんやお父様はなんて言っているの?」
「勿論、ハリスも父上も承知の上です。もろ手を挙げての賛成じゃありませんが、ある程度は納得してくれました。私も反対でしたが、今となってはやれる所までやろうと思っています。」
ハンナを落ち着かせようと、エイナーは穏やかに小さな声で答えた。
「絶対ダメよ、そんなの益々行かせる訳にはいかないわ。もし何かあったらどうするの?ジェイド、良く考えればわかることよね、きちんと考え直して頂戴。今日はアリマの部屋の隣にジェイドの部屋も用意してあるから、ゆっくり休んですっきりした頭でちゃんと考えるのよ。」
そう言って、従者を一人呼び戻しジェイドを部屋に案内させた。
エイナーも自分の部屋に帰ろうと席を立とうとしたが、ハンナに止められ再びソファーに座った。
「エイナー、ちゃんとジェイドを説得するのよ、良いわね。」
とハンナに言われて、エイナーは、今、彼女に何を言っても逆効果だと思い、
「明日、話してみます。」
と答えてまた席を立とうとしたが、ハンナから質問を受けたため再びソファーに座った。
「あの、リュウ・ズーシュエンって人は何者なの?凄くジェイドに似ている気がするのだけど、彼女のお母様の御親戚とか?」
エイナーは悩んで答えた。
「何と言えばいいんですかね…もう一人の父親とでも言えばいいのかな…これ以上はとてもプライベートな話になるので、私の口からは何とも言えませんが…」
と答えて顔を掻いた。ハンナもそれ以上は追及しなかった。
ジェイドは用意された部屋ですぐに着替えて、となりのアリマの部屋に行った。
「アリマ、起きてるか?」
とドアをノックすると、
「うん、起きてた。」
とアリマが顔を出して、ジェイドを部屋の中に招き入れた。
二人でソファーに座って、用意されているお菓子を摘みながらアリマが言った。
「部屋が広くてなんか落ち着かないよ。意味不明な壺とかあって不気味だし。今日のドレスはきれいに洗濯してからくれるって言ってた。私、お嫁に行くときはあれを着ようと思うの。ジェイドは結婚式ではどんなドレスを着たの?」
「白いくて、肩とか腕とか出てる感じのやつ。」
「ちょっと、言ってること良くわかんないけど。嬉しかった?緊張した?」
「オヤジが顔をぐちゃぐちゃにして泣いてたから、緊張も何もなかったけど、嬉しかったと言えば嬉しかったかな。」
と、ジェイドが答えた。
「どっちが先に好きになったの?どういう経緯で付き合うことになったの?」
と、アリマが興味津々で質問した。
「付き合ってないよ。親同士が決めた結婚で、結婚するって決まって二週間で結婚した。」
「ジェイドはそう言う世界の人だったね。でも、相手がエイナーで良かったね、なんかに似合ってる。」
「ありがとう、私もそう思う。」
そう言って、二人で笑った。
笑いながらジェイドが思い出して言って。
「そうだ、来年四月に正式な結婚式をするから、その時はアリマを招待するね。まあ、無事に帰れたらの話だけど。」
「うん、楽しみにしてるよ。」
そう言って、アリマは少し黙り込んでから言った。
「でさ、やっぱり止めた方が良いと思うんだよ、仇打ちを。そんな危険なことやめて、普通に暮らすとかできないのかな。心配だよ。」
「アリマ、心配してくれてありがとう。でも、行くよ。自分の我儘だって分かってるけど、自分の気が済むようにやってみようと思うんだ。」
ジェイドの目には迷いがないように見えた。それを見たアリマは半分諦めて言った。
「無理しないでね、危なくなったら帰ってくるんだよ。」
翌日、ジェイドはハンナに呼び出されて何時間も説得されたが、全く意志を曲げようとしなかったため、最後はハンナが痺れを切らして、
「無理しないでね、本当に危なくなったら逃げかえってくるのよ。」
と、アリマと同じようなことを言って、きっとジェイドを守ってくれるはずだと言って、母の形見の品であるアクアマリンが付いた葉っぱの形のブローチをくれた。
自分の母の形見のピアス、結婚指輪、婚約ブレスレット、返す機会を失ってずっと持ち歩いているロナの形見のルビーのペンダント、またしてもロナの形見のブローチ、そしてソフィアからのガラス玉…結構な数のお守りアイテムを身に着けて旅をしているジェイドなのであった。
その二日後、ナルクに狼犬2匹を連れた男が到着した。
今回はいかがでしたでしょうか?
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