歓迎会
「まあ、この歓迎会は、攻撃班は色んな分野のやつらが集まってるよって知ってもらうのが目的だから!目的は達成したな!」
あ、これは歓迎会だったんだ。
「まあこれは1次会みたいなもんだ。カミラが来ると連絡受けてから数日たってるから、
きちんと準備はできてるぜ?」
え、なんの?
「しかも、周りのやつらもすげえ歓迎してそうだしな。」
と言いながら、リアムが親指をくいっと見学者たちの方を向ける。
いつの間にか結界が解除されていたのか、おおーっととても大きな雄たけびなような声が
あがっている。
そうだった。めっちゃ見学の人たちいたんだった。
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「いやー、お前すげえな!!一人でもすごかったが、4人のでかい魔法陣すごかったぞ!!」
こんな感じの声掛けをすごいたくさんの人からされる。王宮魔導士の人たちは
エリートで変人ぞろいだと聞いていたので、とてもびくびくしていたが、
思ったよりアットホームなようだ。
「いやー、そうだな。最初は新人が4人だけで任務行くってきいて、
大丈夫かって思ったけど、連携もすごかったから大丈夫だな」
「いや、それよりもあの魔法陣久々に見たが、もっとこうした方がより威力が出ると思うんだよな」
「いや、それだと威力が出すぎて周りが危険だ。これは・・・」
うんうん。やっぱこうなるよなあ。だって魔導士だもんな。
「あっはっは。歓迎会なのに、すまねえなカミラ。」
リアムがどしどしと歩いてくる。
「いや、逆に本当に興味あるものにしか執着しない人たちが自分のやりたいことほっぽって、
こんなに集まってくれているのがうれしいです。」
「いやー。よくわかってるね。でも、基本的に魔導士の新人歓迎会はこんな感じだぞ。
だが、それでもこんなに盛り上がっているのはお前の実力を認めたからっていうのと研究対象として
認められたからだろ」
ぶるっとした。研究対象なんて、危険だ。魔導士は自分の興味がもったことにはとことん
執着する。
「まあ、でも、さっきあいつらが言っていた、4人での任務に関してはその通りだ。
お前の実力と4人の連携体制は俺も認めた。任務任せたぞ」
「はいっ!」
治療師として無職同然で、認めてくれるなんて久々の感覚で、うれしい。
食い気味に返事をしてしまった。
「まあ、俺は加勢なしで戦ったけどね。」
横からクラウスがボソッという。
どうしてこいつは、幸せな気分に浸らせてくれないんだ。
「あのねクラウス、少しは幸せ気分に浸らせてくれないかなあ」
わなわな震えながら話す。
「まあまあ、楽しもうよ!カミラちゃん!」
「いや、シャーロット!ここはガツンといっておかないと!」
そんなこんなで歓迎会の夜は更けていくのでした。