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マスク

作者: AI子

「メガネってマスクしたら何も見えなくね?」

朝の寒い空気の中、ついつい縮こまってしまう足を交互に動かしてなんとかかんとか歩いている2人組。

昨日降った雪は残念ながら積もる事なく、仄かにコンクリートの片隅だけ。

コートもマフラーも完全防御での登校風景だった。


「まあな、メガネ使いの唯一の弱点だよな。」

「メガネ使いって何だよ。メガネは魔法属性かなんかだったのか?」

「え、知らんかったの?メガネ界隈では常識だぞ。」

「俺、裸眼だから。」

「なんか、ハレンチ。」

「何が?」

気の許せる友達同士。朝から阿呆な会話をしていてもそれはそれ。


「あ、でもな。ほれちゃんと見てみろよ。」

と、メガネっ子の方が顔をグイと近づけた。いつも通り曇ってんだろと覗いたら、

「あれ、目がちゃんと見える?」

曇っていなかった。色素の薄いブラウンの瞳。バッサバサの睫毛。本人は気にしているから言わないでいるけれどもとても綺麗だ。


「昨日、ドラッグストアで見つけたんだよ。メガネの曇り止めクリームってやつ。もう速攻で買うよな。これ超便利!」

爛々とした目と声だった。

「もうこれで今までうっすらとしか見えなかた景色がはっきりと分かるようになった。メガネ属性でも最強の部類に入ったかもしれない。」

あ、その設定まだ引きずるんだ。と思いながら適当に相槌を打つ。


「そういえば、見えないからって、急に視界が暗くなる時があったんだけど。あれってお前なんかしてた?」

おっといけない。バレたら恥ずい。

「何もしてないよ。」

「ふーん。」



曇ったままで良かったのに。


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