第五日 盗んだバイクで走り出した『15の夜』の少年。 『75の朝』にはどんな事をする? 2019.9/19 時空の壁
判定には四段階あります
玄武 マイナス!……いわゆる一本!
続行!……好意的延長要請
続行・・・……否定的延長要請
白虎 マイナス!……自爆判定
盗んだバイクで走り出した『15の夜』の少年。
『75の朝』にはどんな事をする? #ダイナマイト関西お題
第一投
盗んだバイクと人類の未来の答え合わせがあの夜に、同志と目が合いタイムマシンが動きだす
判定
続行!
第二投
盗んだ和牛を競りに出す
判定
玄武 マイナス!
第三投
「盗んだバイクの方ですよね?」と声をかけられるが心当たりがなく再び徘徊する。
判定
続行!
第四投
諸事情あって15の当時以来の無免許状態になった
判定
玄武 マイナス!
第五投
あれから15年が過ぎて5度目のバイクを盗むようプログラミングされた老体が決行に向けてのストレッチを始めていくが、さすがに節々がうずいて仕方がない
判定
玄武 マイナス!
第六投
あれ以来1度も降りることなく、癒着して今や体の一部となったその愛車を今朝もセルフで点検している。
判定
白虎 マイナス!
第七投
今夜は可愛い孫が会いにくる。盗んだバイクでやってこようとはさすがに想像が及んでいない。
判定
続行・・・
第八投
あのバイクを盗まれ営業を逃した男が退社後起業した大手リゾートグループにより立ち退いた新居が洪水で崩壊し、死にかけて襲いかかる15の夜の走馬灯。
判定
玄武 マイナス!
第九投
集めた缶を給料に替える大事な朝
判定
玄武 マイナス!
第十投
近所の公園で一服しながらジブリ引退作品の構想を練っている
判定
続行!
第五日感想戦
喜ばしいかな今日はとんでもなくいい結果となりました。お題が相性いいのか何人いるのか知りませんが今日の判定者との相性、というか判定の甘さがあるのかは判別できませんが、他の方々の投稿も一本判定が多かった一日ではありました。
5本もイッポンが出た場合はイッポングランプリでなら圧勝していたことでしょう。
さておき、今日のお題は、ただでさえ面白くなる傾向のお題です。第一日、第二日のように命名系のお題ではありませんし、主題が、ただ、箸を転がしただけでも面白くなってしまうという『おじいちゃん』という素材、組み合わされるのがネタとして扱いやすい定番化商品とも呼べる尾崎豊、そして15の夜。
ボクは今回の場合、いかに面白くなくしていくか。まずはそこを設定しました。そのテンプレに、なにか変異をもたらすことでネタ全体を面白くしていくか、みたいな。
たんにおじいちゃんを使って面白くしていくと、たしかに一本を出せるネタ生まれるんですけど、どうしても味がジャンクになっちゃいますからね。
それから、一昨日の心理の壁、ではありませんが、大まかに判定者の心理を意識して押し引きしてみました。
一本を整理すると、
二 盗んだ和牛を競りに出す
四 諸事情あって15の当時以来の無免許状態になった
九 集めた缶を給料に替える大事な朝
このあたりはボクじゃなくても答えることが可能な作家性のひじょうに薄いネタになります。パロディ系、時事ネタ、哀愁ネタ、みたいな。
ただ、こういうネタを合間合間で入れて、リズムを生むことで、本当にぶつけたい攻めたネタを待ってくれる空気というか土壌というか、そのような雰囲気を作るみたいな作戦です。
それにしても、第五投や第八投みたいなネタが受けるとは思ってませんでした。とくに八は嬉しかったですね。とてもスッキリしました。
さて。今回テーマとなった時空の壁ですが、これは優れた大喜利には昔から搭載された、最上級の回答への重要な柱なりスパイスなりだと思っています。
余談になりますが、『松本人志のスーパーひとりごっつ』という番組で、『お笑い共通一次』というかなり大がかりな大喜利全国大会がかつて行われたことがあります。
ボクは高校を卒業したばかりで、リアルタイムで深夜、テレビに食いついて観ていたのは思い出ですが、その回答でひとつ、とても印象に残っているものがあるんですね。
歴史の年表を穴あきにした大喜利問題でしたが、
606年 A
607年 小野妹子が遣随使で随にわたる
608年 B
うろ覚えですが大まかにはこんな問題だという記憶。
全てうろ覚えで申し訳ないんですけど、確か、当時15歳(くらいの印象があるんですけど17歳だったか19歳だったかもしれません)
の回答者がとても印象的で、
606年 小野妹子が遣随使で随にわたる
607年 小野妹子が遣随使で随にわたる
608年 小野妹子が遣随使で随にわたる
みたいな回答をしていたんですよ。若い時代ゆえに、凄まじくその回答には度肝を抜かれ、影響を後年まで受けることになりました、今でもか?
たったこれだけの手際で歴史を大がかりに変異させ得るのか!そういう驚きでしたね。しかもちょっと下の年齢かちょっと上の年齢かでしたから、思春期の自分としては神を崇めるような心地になりました。
言っちゃ悪いですが、その他の回答って、鏡に写った真顔に微笑んでしまった、とか酢豚にパイナップルを入れてみる、とか、今の二つは今ボクがテキトーに作ったネタですけど、そういうどうでもいいネタしか書けてなくて、ドングリの背比べみたいだよなーと、ボク的には思っていました。
あの少年は今、お笑いの仕事に就いてるのでしょうかね?それとも小説家とか漫画家やってたり?
まあ、定かではありませんが調べればあの大会からのちの無数の芸人や放送作家が出てくるのかもしれません。
正直な話、麒麟の川島明さんが世に出始めたとき、ひょっとしたらあの少年は彼なんじゃないのか?なんてことをマジで思ったりしたこともあります。
まあ余談はさておいて。話を時空の壁、に戻します。
時空の壁とは優れた大喜利には昔から搭載された、最上級の回答への重要な柱なりスパイスなりのことですね。
それはもちろん創作、とくにトリックやセンスオブワンダーにも活かせる大道具なのですが、今回の回答にも数多く散りばめてみました。
一 は分かりやすく、時間をネタの中で変容させる
三 もややメタ傾向がありますし、
五六 もSF風味が効いてます
八 は因果応報を実人生の離別で閉じる、というボクがいちばん書きたい系統のものですので、これで一本の評価を頂いたのは、かなりのガッツポーズものでした、というか、むしろ白虎 くるぞーって感じだったので。
十 も、実を言うとよくある時空変容もののひとつのパターンなんですよね。
あの15の夜の主人公は、あの宮崎駿を歌ったものだったのかー! っていうネタは、歴史改竄ものとしてはとても手っ取り早い、洗練されたものになりますよね。ここにファニー成分ちょっとでもまぶされていたら、一本が取れていたのかもしれませんが、最後のは評価されなくてもいい、くらいの軽い気持ちでの投稿でした。
ちょっと今日は麒麟の川島明もといあの無名の少年の話がメインになってしまいました。では。